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半導体素子接合構造、半導体素子接合構造の生成方法及び導電性接合剤 UPDATE

国内特許コード P200016745
整理番号 2085
掲載日 2020年4月8日
出願番号 特願2018-163838
公開番号 特開2020-035983
出願日 平成30年8月31日(2018.8.31)
公開日 令和2年3月5日(2020.3.5)
発明者
  • 巽 宏平
  • 田中 康紀
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 半導体素子接合構造、半導体素子接合構造の生成方法及び導電性接合剤 UPDATE
発明の概要 【課題】Niよりも硬度が低く、粒径がマイクロサイズの金属粒子とNiとを半導体素子と被接合体との間に介在させることで、半導体素子と被接合体とを強固に接合すると共に、熱膨張差による熱応力を緩和することができる半導体素子接合構造を提供する。
【解決手段】ニッケル(Ni)よりも硬度が低く、粒径がマイクロサイズの金属粒子5(例えば、アルミニウム(Al))を半導体チップ3と当該半導体チップ3に接合する基板2との間に複数介在させ、金属粒子5をニッケル(Ni)で固着接合するものである。また、必要に応じて、前記金属粒子5をアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金(Al合金)とし、前記半導体チップ3の表面、及び/又は基板2の表面がアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金(Al合金)とするものである。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

現在、Siを用いた半導体は、動作温度が150℃程度以下とされているが、化合物半導体であるSiCやGaNなどは、さらなる高温動作が可能とされている。高温動作が可能となれば、高電流密度での動作が可能となるなど、特にパワーデバイスでの利点が大きい。電気自動車やハイブリッド自動車のインバータの冷却装置が簡素化されるなどが期待される。しかし、現行の半導体実装技術で広く使用されているはんだを用いた接合は、融点が200数十℃であり、融点以上での使用は困難である。また、200℃以下であっても、長期の使用では、熱応力等により接続不良を生じることが知られている。そこで新たな高耐熱実装技術が必要とされている。

その実装技術としてAu-Ge、Zn-Al合金などの比較的高融点の溶融接合材料、高融点と低融点金属の拡散による液相拡散接合、金属ナノ粒子の焼結接合などの接合技術の検討が進められており、その中の金属ナノ粒子による焼結接合は種々検討されてきた。この金属ナノ粒子による焼結接合は、金属をナノ粒子化することで比表面積を大きくし、表面が活性になることで比較的低温の温度で接合が可能である。また、接合後は金属本来の融点になるため、接合材料として高い耐熱性が期待できる。

近年、金属ナノ粒子の低温焼結接合では、銀や銅等の金属ナノ粒子材料での研究開発が進められている。しかし、銀は高コストであり、酸化、マイグレーションの問題を生じる懸念があり、銅は自身の酸化が課題となっている。また、金属ナノ粒子の焼結体は、比表面積が大きいために表面に形成あるいは吸着している、酸素、炭素原子の焼結時の内部への取り込みのため、純金属よりも降伏応力の上昇と同時に脆化する傾向があり、熱応力に対して十分な応力緩和効果が見られなかった。

そこで、発明者らは、特許文献1、2に示すように、融点が1453℃と銀や銅よりも高く、電気抵抗は6.99×10-8Ωcmと比較的低いNi粒子に着目して検討をおこなってきた。なお、従来広く使用されてきたSn-Pb共晶はんだ及び鉛フリーはんだ(Sn-Ag-Cu)の電気抵抗はそれぞれ15×10-8Ωcm、11×10-8Ωcmである。また、Niの熱膨張率は13.3×10-6であり、銅の17×10-6、銀の19×10-6よりも低く、SiやSiCの熱膨張率により近い。

これまでにNiナノ粒子を用いた場合、400℃以下での接合が可能であり、250℃以上における耐熱性を有する接合材料であることが分かっている。また、特許文献1に開示されているように、アルミニウム(以下、Alという)との直接接合が可能であることも明らかとなっている。しかしながら、焼結後の接合層において大きなガスボイドやクラックが発生していることが分かった。これらのボイドは、ナノ粒子表面の有機物などの蒸発に起因するものであるが、金属ナノ粒子の焼結体のいずれにおいても問題となっていた。また、金属ナノ粒子による接合にはSiやSiCなどの半導体素子と銅基板等との熱膨張係数(CTE)の差により生じる応力を緩和することができず、接合強度を著しく低下させてしまう問題がある。これらの問題に関して、例えば、特許文献1、2に示す技術が開示されている。

特許文献1に示す技術は、第1被接合体の被接合面(第1被接合面)と第2被接合体の被接合面(第2被接合面)との間に金属ナノ粒子を含む接合層が形成され、接合層中の金属ナノ粒子によって第1接合面と第2接合面とが接合されてなる接合構造であって、第1被接合面と第2被接合面の一方又は両方はAl又はAl合金であり、金属ナノ粒子はNiナノ粒子とするものであり、金属ナノ粒子としてNiナノ粒子を用いることにより、たとえ第1被接合面と第2被接合面の一方又は両方がAl又はAl合金であっても、両者の接合を可能とするものである。

特許文献2に示す技術は、第1被接合体の被接合面(第1被接合面)と第2被接合体の被接合面(第2被接合面)との間に、金属ナノ粒子を含む第1接合層、金属箔層、金属ナノ粒子を含む第2接合層がこの順に形成されており、第1被接合体と第2被接合体の熱膨張量に差があっても、接合構造中の金属箔層が変形することによって熱膨張量の差を吸収することができ、第1接合層と第2接合層のせん断変形量を低減し、接合強度の低下を防止することができるものである。

産業上の利用分野

本発明は、比較的硬度が低く、粒径がマイクロサイズの一の金属粒子を面心立方の結晶構造を持つ他の金属粒子で固着接着して形成される半導体素子の接合構造に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の金属の金属粒子を第2の金属で固着接合した半導体素子接合層を有する半導体素子接合構造であって、
前記第1の金属は、前記第2の金属よりも硬度が低く、融点が当該第2の金属と同等以下であり、且つ、粒径がマイクロサイズであり、前記第1の金属の金属粒子は半導体素子と当該半導体素子に接合する被接合体との間に複数介在しており、前記第1の金属の金属粒子は前記第2の金属で固着接合されていることを特徴とする半導体素子接合構造。

【請求項2】
請求項1に記載の半導体素子接合構造において、
前記第1の金属の金属粒子の粒径が0.5μmより大きく、500μm以下である半導体素子接合構造。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体素子接合構造において、
前記第2の金属がニッケル(Ni)又は銅(Cu)である半導体素子接合構造。

【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体素子接合構造において、
当該半導体素子接合層の厚みが3μm以上、800μm以下の範囲である半導体素子接合構造。

【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体素子接合構造において、
前記第1の金属がアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金(Al合金)である半導体素子接合構造。

【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体素子接合構造の生成方法であって、
前記第1の金属の金属粒子を前記半導体素子と前記被接合体との間に複数介在させ、前記第1の金属の金属粒子間に生じる隙間にめっき液を流通し、めっき処理により前記第2の金属を析出させて前記第1の金属の金属粒子を固着接合する半導体素子接合構造の生成方法。

【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体素子接合構造の生成方法であって、
粒径が5nm以上、500nm以下で、且つ、前記第1の金属の金属粒子の粒径の1/10以下である前記第2の金属を含む前記第2の金属の金属粒子と前記第1の金属の金属粒子との混合体を200℃以上で加熱し、前記第2の金属の金属粒子の焼結体で前記第1の金属の金属粒子を固着接合する半導体素子接合構造の生成方法。

【請求項8】
ナノサイズのニッケル(Ni)を含むニッケル(Ni)粒子と、前記ニッケル(Ni)よりも硬度が低く、粒径がマイクロサイズの金属粒子との混合体からなり、前記金属粒子の容積率が20%以上、90%以下であることを特徴とする導電性接合剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018163838thum.jpg
出願権利状態 公開
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