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血管病の病態再構築に関する方法、疾患モデル及び装置 UPDATE

国内特許コード P200016747
整理番号 2062
掲載日 2020年4月8日
出願番号 特願2018-158059
公開番号 特開2020-031538
出願日 平成30年8月27日(2018.8.27)
公開日 令和2年3月5日(2020.3.5)
発明者
  • 八木 高伸
  • 坂口 勝久
  • 亀岡 洋一郎
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 血管病の病態再構築に関する方法、疾患モデル及び装置 UPDATE
発明の概要 【課題】
患者の血管病の病態に近似し、簡便かつ短期間で作製可能で、血管組織が正常から病態へと経時間的に変化するプロセスを解明することが可能な、ex vivoの疾患モデルの作製方法を確立し、血管病の予防又は治療のための薬剤のスクリーニングに利用可能な疾患モデルを提供することを課題とする。
【解決手段】
血管病の病態生理のex vivoでの解析方法であって、培養液中に配置した摘出血管の切開した血管組織の内皮細胞側表面に一定期間、物理的ストレスを負荷する工程、前記摘出血管の物理的ストレス負荷部位又はその周辺部位の病理学的変化を観測する工程、前記病理学的変化を解析する工程、を含むことを特徴とする、解析方法を提供する。
【選択図】図11
従来技術、競合技術の概要

本邦の死亡や要介護の主因である心臓病や脳卒中は、動脈硬化や動脈瘤という基礎疾患の重篤化に起因する。これら基礎疾患は、血管の病気、すなわち、血管病であり、一度発症すればその進行を制御できないという困難を有する。血管病は、内科的手法によるリスク因子の低減、外科的手法による重篤化の抑制という方法により治療されている。国内の患者数は300万人に達し、医療費は年間2.5兆円にも及ぶ(非特許文献1)。

血管病の発生には、血圧による壁応力、血流による壁面せん断応力(wall shear stress)等の血行力学によって説明される生理的要因が重要な役割を有する(非特許文献2)。

また、磁気共鳴画像断層法(MRI)や血管造影法の進歩にともなって、人間ドックや他の疾患での受診を契機とする未破裂動脈瘤の発見が増加している。未破裂脳動脈瘤の保有者は30歳以上の成人で3%強とされる(非特許文献3)。そして、未破裂脳動脈瘤の保有者の中、1年間で約0.95%が破裂するとされている(非特許文献3)。

このような血管病の有病率の高さ、経済的なインパクトに加え、ドックなどにより無症状で発見されることが多いことから、血管病の発症重症化を未然に防ぐ治療法を開発することは超高齢化社会にある我が国の喫緊の課題である。

そこで、動脈瘤の発生又は成長の機序の解明と、その予防又は治療のための薬剤をスクリーニングするために、培養細胞を用いたin vitroやin vivoの動脈瘤モデルを開発する試みがなされ(特許文献2、3、非特許文献4)、薬剤のスクリーニングに利用されている(特許文献3)。しかし、これらのin vitroの疾患モデルは、患者で認められる病態に近似するとは言い難く、また、in vivoの疾患モデルは、1個体で血管の病理学的変化を連続的に観察することはできず、1時点での観測しかできないため、多大な手間と時間を要する問題があった。

産業上の利用分野

本発明は、血管病の病態再構築に関する方法、特に血管病の病態生理の解析方法、並びに、疾患モデル、その製造方法及び製造装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
血管病の病態生理のex vivoでの解析方法であって、
培養液中に配置した摘出血管の切開した血管組織の内皮細胞側表面に一定期間、物理的ストレスを負荷する工程、
前記摘出血管の物理的ストレス負荷部位又はその周辺部位の病理学的変化を観測する工程、
前記病理学的変化を解析する工程、
を含むことを特徴とする、解析方法。

【請求項2】
前記物理的ストレスを負荷する工程が、前記培養液の定常流の血管組織への衝突を含むことを特徴とする、請求項1に記載の解析方法。

【請求項3】
前記病理学的変化が、形態学的変化、生化学的変化又は遺伝子発現の変化から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の解析方法。

【請求項4】
前記病理学的変化が、内皮細胞の剥離、中膜の菲薄化若しくは肥厚化、内弾性板の崩壊、血管平滑筋細胞の形状変化、増殖性変化若しくはアポトーシスの有無の観測であることを特徴とする、請求項3に記載の解析方法。

【請求項5】
前記観測が、血管壁厚の測定、又は、血管平滑筋細胞の増殖性変化若しくはアポトーシスの有無から選択される性状に分類した細胞数の計測であることを特徴とする、請求項4に記載の解析方法。

【請求項6】
前記血管病が、血行力学的要因を病因とする疾患であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の解析方法。

【請求項7】
前記血行力学的要因を病因とする疾患が、脳動脈瘤、大動脈瘤、頸動脈瘤、動脈硬化症又は高血圧症から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の解析方法。

【請求項8】
血管病に対するex vivoの疾患モデルの作製方法であって、
培養液中に配置した摘出血管の切開した内腔側血管壁面に一定期間、物理的ストレスを負荷する工程、
を含むことを特徴とする作製方法。

【請求項9】
血管病に対するex vivoの疾患モデルであって、
培養液中に配置した摘出血管の切開した内腔側血管壁面に一定期間、物理的ストレスを負荷する工程を含む作製方法によって作製され、
血管内皮細胞が剥離した血管組織、菲薄化若しくは肥厚化した中膜、崩壊した内弾性板、増殖性変化若しくはアポトーシスを惹起した血管平滑筋細胞の少なくとも1つを含むことを特徴とする、疾患モデル。

【請求項10】
血管病の予防又は治療のための薬剤のスクリーニング方法であって、
被験化合物を含有する培養液中に配置した摘出血管の切開した内腔側血管壁面に一定期間、物理的ストレスを負荷する工程、
前記摘出血管の物理的ストレス負荷部位又はその周辺部位の病理学的変化を観測する工程、
前記病理学的変化を解析し、評価する工程
を含むことを特徴とする、スクリーニング方法。

【請求項11】
前記物理的ストレスを負荷する工程が、前記培養液の定常流の衝突を含むことを特徴とする、請求項10に記載のスクリーニング方法。

【請求項12】
血管病のex vivoの疾患モデルの製造装置であって、
血管組織を培養する組織培養部、定常流発生部、血管組織への定常流による衝突圧調整用ノズル部とを備えることを特徴とする、製造装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018158059thum.jpg
出願権利状態 公開
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