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分光解析装置及び分光解析方法 UPDATE 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P200016756
整理番号 6011
掲載日 2020年4月9日
出願番号 特願2017-222322
公開番号 特開2019-095220
出願日 平成29年11月17日(2017.11.17)
公開日 令和元年6月20日(2019.6.20)
発明者
  • 長谷川 健
  • 塩谷 暢貴
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 分光解析装置及び分光解析方法 UPDATE 実績あり 外国出願あり
発明の概要 【課題】光源から支持体に照射される光の入射角を固定しても薄膜面内・面外吸光度スペクトルを得ることが可能な分光解析装置を提供する。
【解決手段】分光解析装置は、光源1と支持体2と直線偏光フィルタ3と検出部4と回帰演算部5と吸光度スペクトル算出部6とからなる。支持体2は、所定の入射角θとなるように固定される。直線偏光フィルタ3は、0°から90°の範囲の偏光角φの光が支持体2に照射されるように構成される。検出部4は、偏光角φの透過光から透過スペクトルSを検出する。回帰演算部5は、透過スペクトルSと、混合比率Rとを用いて、回帰分析により面内・面外スペクトルsip,sopを得る。吸光度スペクトル算出部6は、支持体2に薄膜が支持される状態と支持されない状態で得られる面内・面外スペクトルを基に、薄膜面内・薄膜面外吸光度スペクトルAip,Aopを算出する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

機能性有機材料として知られている例えばポリイミドやポルフィリン、セクシフェニル、セクシチエニル、ポリテトラフルオロエチレン等の薄膜について、分子を特定の向きに揃えて配向させると、膜の機能が向上したり新しい機能が発現したりすることが知られている。そこで、分子配向を制御する技術が種々開発されている。このような配向制御で重要となってくるのが、薄膜の分子配向を解析する技術である。配向処理が施された機能性有機材料の分子配向を解析し、薄膜表面近傍の原子の面内構造等を正確に捉えることは、機能性物質の研究や生物工学において重要なことである。

このような分子配向解析手法としては、フーリエ変換赤外分光法や軟X線吸収分光法、紫外光電子分光法等が知られている。また、より正確な解析が可能なものとしては、赤外分光法と組み合わせて高屈折率支持媒質上の薄膜の高精度な解析が可能な多角入射分解分光法(MAIRS法)も知られている(特許文献1、非特許文献1)。これは、吸収分光法で薄膜のスペクトルを測定する際に、薄膜に平行及び垂直な遷移モーメントを2つの独立したスペクトルとして得るための手法である。ここで、薄膜に平行及び垂直な遷移モーメントとは、赤外分光法の場合、薄膜に平行及び垂直な官能基の振動と換言しても良い。多角入射分解分光法は、非偏光光を薄膜に複数の入射角で入射し、その透過スペクトルを解析することにより、常光(光の進行方向に垂直な電場振動を持つ光)及び仮想光(光の進行方向に電場振動を持つ光)のそれぞれの吸光度スペクトルに換算するものである。このような2つのスペクトルを見比べるだけで、各官能基がどの程度配向しているのかが簡単に解析できる。

さらに、屈折率の低い支持体がMAIRS法では用いることができない問題を解決するものとして、支持体に照射される光のs偏光成分を遮蔽する偏光フィルタを用いてp偏光成分を測定するpMAIRS法も知られている(特許文献2)。pMAIRS法は、異なる入射角で支持体にp偏光のみの光を照射して得た透過光強度スペクトルから、回帰演算により面内スペクトル及び面外スペクトルを得るものである。

産業上の利用分野

本発明は分光解析装置及び分光解析方法に関し、特に、支持体上の薄膜の分子配向を解析する分光解析装置及び分光解析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
薄膜の分子配向を解析するための分光解析装置であって、該分光解析装置は、
所定の波長の光を照射可能な光源と、
前記光源から照射される光に対して光学的に透明であり解析される薄膜を支持するための支持体であって、光源から支持体に照射される光の入射角が支持体に固有の所定の入射角θとなるように固定される支持体と、
前記光源と支持体との間に配置される直線偏光フィルタであって、0°から90°の範囲で任意のステップのn個(n=3,4,・・・)の異なる偏光角φの光が支持体に照射されるように偏光角を可変可能な直線偏光フィルタと、
前記直線偏光フィルタによるn個の異なる偏光角φの光が支持体を透過する透過光を受光し、透過スペクトルSを検出する検出部と、
前記直線偏光フィルタによるn個の異なる偏光角φの光に対して検出部により検出される透過スペクトルSと、偏光角毎の面内スペクトルsip及び面外スペクトルsopの混合比率Rとを用いて、回帰分析により面内スペクトルsip及び面外スペクトルsopを得る回帰演算部と、
前記支持体に薄膜が支持される状態と支持されない状態で前記回帰演算部によりそれぞれ得られる面内スペクトルsip及び面外スペクトルsopを基に、薄膜面内吸光度スペクトルAip及び薄膜面外吸光度スペクトルAopを算出する吸光度スペクトル算出部と、
を具備することを特徴とする分光解析装置。

【請求項2】
請求項1に記載の分光解析装置において、前記支持体に固有の所定の入射角θは、既知の標準薄膜が支持される支持体に対して光源から支持体に照射される光の入射角を0°から90°の範囲で任意に可変したときに吸光度スペクトル算出部により算出される薄膜面外吸光度スペクトルAopを、既知の標準薄膜が支持される支持体に対して全反射減衰測定法により得られるスペクトルを物理演算して得られる縦波光学スペクトルと比較して決定されることを特徴とする分光解析装置。

【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の分光解析装置において、前記検出部は、0°のときに検出される透過スペクトルと90°のときに検出される透過スペクトルとの強度比を算出する強度比算出部を具備し、
前記回帰演算部は、強度比算出部により算出される強度比を用いて混合比率Rを補正する補正部を具備する、
ことを特徴とする分光解析装置。

【請求項4】
コンピュータを請求項1乃至請求項3の何れかに記載の分光解析装置の回帰演算部として機能させるためのプログラム。

【請求項5】
コンピュータを請求項1乃至請求項3の何れかに記載の分光解析装置の吸光度スペクトル算出部として機能させるためのプログラム。

【請求項6】
薄膜を解析するための分光解析方法であって、該分光解析方法は、
光源により所定の波長の光を照射する過程と、
前記光源から照射される光に対して光学的に透明であり解析される薄膜を支持するための支持体を、光源から照射される光の入射角が支持体に固有の所定の入射角θとなるように固定する過程と
前記光源と支持体との間に配置される直線偏光フィルタを、0°から90°の範囲で任意のステップのn個(n=3,4,・・・)の異なる偏光角φの光が支持体に照射されるように偏光角を変化させる過程と、
前記偏光角を変化させる過程によるn個の異なる偏光角φの光が支持体を透過する透過光を受光し、透過スペクトルSを検出する過程と、
前記偏光角を変化させる過程によるn個の異なる偏光角φの光に対して前記検出する過程で検出される透過スペクトルSと、偏光角毎の面内スペクトルsip及び面外スペクトルsopの混合比率Rとを用いて、面内スペクトルsip及び面外スペクトルsopを得るために回帰分析する回帰演算過程と、
前記支持体に薄膜が支持される状態と支持されない状態で前記回帰演算過程によりそれぞれ得られる面内スペクトルsip及び面外スペクトルsopを基に、薄膜面内吸光度スペクトルAip及び薄膜面外吸光度スペクトルAopを算出する吸光度スペクトル算出過程と、
を具備することを特徴とする分光解析方法。

【請求項7】
請求項6に記載の分光解析方法において、前記透過スペクトルSを検出する過程は、0°のときに検出される透過スペクトルと90°のときに検出される透過スペクトルとの強度比を算出する過程を具備し、
前記吸光度スペクトル算出過程は、強度比を算出する過程により算出される強度比を用いて混合比率Rを補正する過程を具備する、
ことを特徴とする分光解析方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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