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可視光プラズモニック合金ナノ粒子、その製造方法、及びその用途 UPDATE

国内特許コード P200016764
整理番号 5938
掲載日 2020年4月9日
出願番号 特願2017-159786
公開番号 特開2019-039026
出願日 平成29年8月22日(2017.8.22)
公開日 平成31年3月14日(2019.3.14)
発明者
  • 佐藤 良太
  • 寺西 利治
  • 川脇 徳久
  • 信定 克幸
  • 飯田 健二
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
発明の名称 可視光プラズモニック合金ナノ粒子、その製造方法、及びその用途 UPDATE
発明の概要 【課題】本発明は、可視光プラズモニック合金ナノ粒子、その製造方法、及びその用途を提供する。
【解決手段】下記(1)~(3)を満たす可視光プラズモニック合金ナノ粒子、その製造方法、及びその用途に関する;
(1)当該合金ナノ粒子は、元素A及び元素Bで構成された合金であり、元素Aは周期表の第8~11族からなる群より選ばれる1種以上の元素であり、元素Bは周期表の第12~14族からなる群より選ばれる1種以上の元素である、
(2)当該合金ナノ粒子中の元素Aと元素Bの組成比が60:40~40:60である、及び
(3)当該合金ナノ粒子は、x、y及びz軸で規定される直交座標系の三次元空間において、互いに直交する3方向のいずれからみても元素A及び元素Bのそれぞれの原子層が交互に積層することが確認できる結晶構造を有する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

金(Au)はナノメートルサイズの球状微粒子(ナノ粒子)になると局在表面プラズモン共鳴(LSPR)と呼ばれる自由電子の集団振動現象により緑色の光を吸収するようになる。また、Auのバンド間遷移によって青色の光を吸収するため、太陽光中の緑色と青色の光が吸収されることで赤色を呈する。LSPRによって吸収された緑色の光は近接場光としてAuナノ粒子表面に局在するため、漏斗が液体を集液するかの如く、LSPRによって光子を局所に集光することができる。そのため、表面増強ラマン散乱(SERS)による分子センシングや色素分子の蛍光増強など、近接場光と吸着分子との相互作用は魅力的な研究対象となっている。近年では、太陽光のようなエネルギー密度の低い低品位な光を高品位化し得る現象としても注目されており、創エネ及び省エネ分野での応用も活発に検討されている。

LSPRによる吸収波長は「プラズマ振動数」と呼ばれ、物質のキャリア密度の増大に伴い短波長シフトする。通常、金属のキャリア密度(自由電子密度)nは大きく(n≒1023cm-3)、プラズマ振動数は紫外領域に存在する。酸化インジウムスズ(ITO)などの導電性酸化物では金属と比較するとキャリア密度が小さい(n≒1021cm-3)ため、プラズマ振動数は近赤外光領域となる。その中で、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)は可視領域にプラズマ振動数を有する数少ない例外である。可視領域の光は、有機分子、金属錯体又は無機半導体にとって、分子内電子遷移、配位子から中心金属への電荷移動(LMCT)、バンド間遷移などを誘起する極めて重要な波長領域であるにも関わらず、これらの遷移過程を高効率化し得る可視光プラズモニック材料は、実用的にはAu、Ag又はその固溶体合金のみであった。

しかし、Auは化学的安定性が高い一方でコストが高い。AgはAuよりも電場増強度が高い反面、酸化耐性が低いなど化学的安定性の面で問題を抱えている。

なお、CuはAg以上に酸化耐性が低く、さらにはバンド間遷移に起因する光吸収帯がLSPRによる吸収帯と大きくオーバーラップするため、可視光プラズモニック材料としての応用は困難とされている。

近年、紫外領域にプラズマ振動数を有するパラジウム(Pd)やアルミニウム(Al)などの金属ナノ粒子を、ナノシート、ナノプレート、ナノロッドなどの異方的な形状にすることで、プラズマ振動数を制御し可視光応答性を付与することが試みられている(特許文献1、2、非特許文献1、2等)。しかし、当該金属ナノ粒子は、本質的に可視領域にプラズマ振動数を有する材料ではないため、熱等による大きなエネルギーで形状が変化すると可視光応答性が消失することが懸念される。

このように、様々なアプローチが試みられているにもかかわらず、Au、Ag及びCu以外に本質的に可視領域にプラズマ振動数を有する金属(合金)材料が見出されていないのが現状である。

ところで、特許文献3には、標準酸化還元電位-1.2Vよりも正の電位の金属又はその金属錯体と、リン-パラジウム化合物と、有機配位子とを反応させてパラジウム合金ナノ粒子が製造できることが報告されている。

産業上の利用分野

本発明は、可視光プラズモニック合金ナノ粒子、その製造方法、及びその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記(1)~(3)を満たす可視光プラズモニック合金ナノ粒子;
(1)当該合金ナノ粒子は、元素A及び元素Bで構成された合金であり、元素Aは周期表の第8~11族からなる群より選ばれる1種以上の元素であり、元素Bは周期表の第12~14族からなる群より選ばれる1種以上の元素である、
(2)当該合金ナノ粒子中の元素Aと元素Bの組成比が60:40~40:60である、及び
(3)当該合金ナノ粒子は、x、y及びz軸で規定される直交座標系の三次元空間において、互いに直交する3方向のいずれからみても元素A及び元素Bのそれぞれの原子層が交互に積層することが確認できる結晶構造を有する。

【請求項2】
さらに、下記(4)を満たす、請求項1に記載の可視光プラズモニック材料;
(4)当該合金ナノ粒子が、フェルミエネルギーを0eVとした場合、-1.5eV以下の領域に、主にd軌道からなるバンド(dバンド)を有し、-1.5eV~2.0eVの領域に、d軌道を殆ど含まない主にsとp軌道からなるバンド(spバンド)を有する。

【請求項3】
当該合金ナノ粒子の結晶構造が、B2型の結晶構造である、請求項1又は2に記載の可視光プラズモニック合金ナノ粒子。

【請求項4】
元素Aが、周期表の第8~11族且つ第4~6周期からなる群より選ばれる1種以上の元素であり、元素Bが、周期表の第12~14族且つ第2~6周期からなる群より選ばれる1種以上の元素である、請求項1~3のいずれかに記載の可視光プラズモニック合金ナノ粒子。

【請求項5】
元素Aが、周期表の第10~11族且つ第4~5周期からなる群より選ばれる1種以上の元素であり、元素Bが、周期表の第12~13族且つ第3~5周期からなる群より選ばれる1種以上の元素である、請求項4に記載の可視光プラズモニック合金ナノ粒子。

【請求項6】
元素Aがパラジウム及びニッケルからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、元素Bがインジウム及びカドミウムからなる群より選ばれる1種以上の元素である、請求項1~5のいずれかに記載の可視光プラズモニック合金ナノ粒子。

【請求項7】
元素Aがパラジウムであり、元素Bがインジウムである、請求項6に記載の可視光プラズモニック合金ナノ粒子。

【請求項8】
前記請求項1~7のいずれかに記載の可視光プラズモニック合金ナノ粒子を含む可視光プラズモニック材料。

【請求項9】
顔料、染料、プラズモンセンシングデバイス、プラズモン増強デバイス、プラズモン光電変換デバイス、イメージングデバイス、プラズモン光学デバイス、ドラックデリバリーシステム、温熱療法からなる群から選ばれる1種以上の用途に用いられる、前記請求項8に記載の可視光プラズモニック材料。

【請求項10】
前記請求項1~7のいずれかに記載の可視光プラズモニック合金ナノ粒子の製造方法であって、前記元素A又はそのリン化合物と、元素B又はその化合物と、有機配位子とを反応させる工程を含む、製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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