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磁気メモリ素子及び該磁気メモリ素子に用いる磁性材料 UPDATE

国内特許コード P200016785
整理番号 5801
掲載日 2020年4月13日
出願番号 特願2017-132264
公開番号 特開2019-016673
出願日 平成29年7月5日(2017.7.5)
公開日 平成31年1月31日(2019.1.31)
発明者
  • 森山 貴広
  • 小野 輝男
  • 関 剛斎
  • 周 偉男
  • 高梨 弘毅
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 磁気メモリ素子及び該磁気メモリ素子に用いる磁性材料 UPDATE
発明の概要 【課題】情報の書き込み速度が速く、且つ消費電力が小さい磁気メモリ素子を提供する。
【解決手段】磁気メモリ素子10は、第1方向と第2方向の少なくとも2方向において反強磁性となり得る反強磁性体から成る記録部(記録層11)と、前記記録部に接して、又は該記録部との間に導電性部材を介して設けられた、スピンホール効果を有する物質から成るスピン流生成部(第1スピン流生成部121、第2スピン流生成部122)と、前記スピン流生成部に、前記第1方向に垂直な電流を流す第1電流導入部131と、前記スピン流生成部に、前記第2方向に垂直な電流を流す第2電流導入部132とを備える。第1電流導入部又は第2電流導入部からスピン流生成部に電流を流すだけで記録部に情報を記録することができるため、情報の書き込み速度が速く、且つ消費電力が小さい。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要

近年、情報爆発と呼ばれる情報量の飛躍的な増加に伴って、高密度・低消費電力の記憶装置(メモリ)が必要とされている。現在、高密度・低消費電力のメモリとしてフラッシュメモリが広く用いられている。しかし、フラッシュメモリは、動作原理上、電子が酸化膜を貫通するため、酸化膜の劣化により書き込み可能回数が限られるうえに、情報の書き込み速度も遅くなる、という物理的限界がある。

このようなフラッシュメモリを置き換えることが期待される次世代のメモリとして、書き換え可能な磁気メモリ(MRAM、以下では「磁気メモリ」とする)素子が提案されている。磁気メモリ素子では一般に、磁性体を特定の方向に磁化させることによりデータを書き込み、磁性体に電流を流した際に磁化の方向によって電気抵抗の大きさが異なること(磁気抵抗効果)を利用してデータを読み出す。磁気メモリ素子は、このような動作原理によってフラッシュメモリよりも劣化が生じ難いため、書き込み可能回数を多くすることができる。

従来より開発が進められている磁気メモリ素子では、多くの場合、強磁性体が用いられている。強磁性体は、それを構成する各原子が有するスピンが同じ方向に揃うことにより、全体として一方向に磁気モーメントを有する。このような強磁性体を用いた磁気メモリ素子では、記録ビット毎に磁気モーメントを特定の一方向に揃えることにより、各記録ビットにデータを記録してゆく。しかしながら、強磁性体では一方向に揃った磁気モーメントによって磁界が生成されるため、記録ビットを近づけすぎると、隣接する記録ビットからの磁界の影響を受けて磁気モーメントの向きが変化してしまうおそれがある。そのため、強磁性体を用いた磁気メモリ素子は記録ビットを高密度化することが難しい。

それに対して特許文献1には、反強磁性体から成る材料を記録ビットに用いた磁気メモリ素子が記載されている。反強磁性体は、ネール温度TNと呼ばれる相転移温度よりも低温において、それを構成する各原子が有するスピンが、隣接する原子のスピンと互いに逆方向を向くという磁気的特性(反強磁性)を有し、ネール温度TNよりも高温では常磁性である。特許文献1に記載の磁気メモリ素子では、記録ビット毎にスピンを90°異なる2つの方向のいずれかに向けることにより、「0」及び「1」の2値のいずれかを書き込む。反強磁性体では全体としては磁気モーメントを有しないため、反強磁性体を用いた磁気メモリ素子は隣接する記録ビット同士で悪影響を及ぼすことがなく、記録ビット間の距離を小さくすることができるため、記録ビットを高密度化することができるという特長を有する。

産業上の利用分野

本発明は、磁気的状態によって情報を記録する磁気メモリ素子、及び該磁気メモリ素子に用いる磁性材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
a) 第1方向と第2方向の少なくとも2方向において反強磁性となり得る反強磁性体から成る記録部と、
b) 前記記録部に接して、又は該記録部との間に導電性部材を介して設けられた、スピンホール効果を有する物質から成るスピン流生成部と、
c) 前記スピン流生成部に、前記第1方向に垂直な電流を流す第1電流導入部と、
d) 前記スピン流生成部に、前記第2方向に垂直な電流を流す第2電流導入部と
を備えることを特徴とする磁気メモリ素子。

【請求項2】
前記スピン流生成部が前記記録部を挟んで2個設けられ、
前記第1電流導入部が該2個の前記スピン流生成部にそれぞれ、前記第1方向に垂直な電流を流すように設けられ、
前記第2電流導入部が該2個の前記スピン流生成部にそれぞれ、前記第2方向に垂直な電流を流すように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ素子。

【請求項3】
前記反強磁性体がNiOであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気メモリ素子。

【請求項4】
a) 第1方向と第2方向の少なくとも2方向を取り得る第1磁気モーメントを有する第1磁性体層と、前記第1磁気モーメントに平行且つ逆向きの第2磁気モーメントを有する第2磁性体層を積層した積層体から成る記録部と、
b) 前記記録部に接して、又は該記録部との間に導電性部材を介して設けられた、電流が流れることでスピンホール効果によるスピン流が形成されるスピン流生成部と、
c) 前記スピン流生成部に前記第1方向に垂直な方向の電流を流す第1電流導入部と、
d) 前記スピン流生成部に前記第2方向に垂直な方向の電流を流す第2電流導入部と
を備えることを特徴とする磁気メモリ素子。

【請求項5】
前記スピン流生成部が前記記録部を挟んで2個設けられ、
前記第1電流導入部が該2個の前記スピン流生成部にそれぞれ、前記第1方向に垂直な電流を流すように設けられ、
前記第2電流導入部が該2個の前記スピン流生成部にそれぞれ、前記第2方向に垂直な電流を流すように設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の磁気メモリ素子。

【請求項6】
前記積層体が、
Co及びGdから成るCoGd合金であって、Coの原子含有率が80%以上である第1磁性体層と、
CoGd合金であって、Coの原子含有率が72%以下である第2磁性体層と
を積層したものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の磁気メモリ素子。

【請求項7】
前記第1磁性体層のCoの原子含有率が80~90%であり、前記第2磁性体層のCoの原子含有率が55~72%であることを特徴とする請求項6に記載の磁気メモリ素子。

【請求項8】
a) Co及びGdから成るCoGd合金であって、Coの原子含有率が80%以上である第1磁性体層と、
b) CoGd合金であって、Coの原子含有率が72%以下である第2磁性体層と
を積層したものであることを特徴とする磁性材料。

【請求項9】
前記第1磁性体層のCoの原子含有率が80~90%であり、前記第2磁性体層のCoの原子含有率が55~72%であることを特徴とする請求項8に記載の磁性材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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