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タンパク質および核酸の超高感度測定法およびキット、並びに新規な酵素基質 UPDATE

国内特許コード P200016789
掲載日 2020年4月14日
出願番号 特願2012-533408
登録番号 特許第5265816号
出願日 平成24年3月23日(2012.3.23)
登録日 平成25年5月10日(2013.5.10)
国際出願番号 JP2012057422
国際公開番号 WO2012128338
国際出願日 平成24年3月23日(2012.3.23)
国際公開日 平成24年9月27日(2012.9.27)
優先権データ
  • 特願2011-063559 (2011.3.23) JP
発明者
  • 伊藤 悦朗
出願人
  • 伊藤 悦朗
  • 渡部 聡
  • 三浦敏明
  • 吉村昭毅
発明の名称 タンパク質および核酸の超高感度測定法およびキット、並びに新規な酵素基質 UPDATE
発明の概要 吸光光度計やプレートリーダー等の汎用測定機器や目視で測定可能な超高感度測定法を提供する。チオNAD(P)を補酵素とする酵素サイクリング法と標識酵素およびその基質の最適な組合わせにより、シグナル物質であるチオNAD(P)Hを幾何級数的に増幅し、そのチオNAD(P)Hを比色定量することにより、汎用測定機器や目視で測定可能な高感度測定法を提供することができる。
従来技術、競合技術の概要

タンパク質や核酸の高感度測定法としてラジオイムノアッセイ(RIA)法が技術的に確立されているが、検出装置の感度を上げる以外に、現状では10-16mole程度以上の高感度化は技術的に不可能である。しかも、RIA法では測定の場がアイソトープ実験施設に限定されるだけではなく、短寿命の核種を使用すれば試薬の使用期限が極端に短くなる上に、測定感度も急激に低下する。さらに、放射能測定法に特有の放射性廃棄物の問題も抱えている。特に長寿命の核種を使用する場合の廃棄の問題は大きい。したがって、近年、タンパク質や核酸の高感度測定法の開発研究は「非放射性」をキーワードとして展開されてきた。それゆえ、RIA法に関する研究開発や技術的改良はほとんど行われていない現状である。

RIA法に代わる高感度測定法として、タンパク質の測定には酵素免疫測定法(ELISA法)[図1]が、核酸の測定にはPCR法がある。酵素免疫測定法は開発当初の比色法(10-13mole)から蛍光法、発光法へと高感度化(10-15mole)が進められ、専用測定装置の開発・改良も進んでいる。しかし、測定操作が簡便になっただけで感度的には限界に達している。

また、核酸の高感度測定法としてのPCR法では、ターゲット特異的なシグナル検出の問題、増幅効率の問題、PCR産物がプラトーに達する条件等を考え合わせると、核酸の定量は厳密には難しい。

WO2008/117816(特許文献1)には、チオNADサイクリング法を利用する抗体酵素複合体を用いる酵素測定方法及び酵素標識核酸プローブを用いる核酸プローブ測定方法が記載されている。

産業上の利用分野

本発明は、酵素免疫測定法および核酸プローブ測定法を利用するタンパク質と核酸の高感度測定法およびキットに関する。特に本発明は、抗体または核酸プローブに標識する酵素に対して特定の酵素基質を用いることで、これらの酵素の活性測定に用いるチオNADサイクリング法における阻害を回避して、標的タンパク質および核酸の超高感度測定を可能にする方法に関する。さらに本発明は、上記タンパク質と核酸の高感度測定法およびキットに用いることができる新規な酵素基質も提供する。

特許請求の範囲 【請求項1】
抗体酵素複合体を用いる酵素活性測定方法であって、抗体酵素複合体の酵素としてアルカリホスファターゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フルクトシダーゼ、マンノシダーゼまたはペルオキシダーゼを用い、
上記酵素の基質として下記一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体を用い、
【化1】
(省略)
(i) 一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、アルカリホスファターゼの基質として用いる場合には、
式中、Xはリン酸基、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基であり、
(ii) 一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フルクトシダーゼまたはマンノシダーゼの基質として用いる場合は、
式中、Xは糖残基であり、糖残基はグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから成る群から選ばれる1種であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基であり、
(iii) 一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、ペルオキシダーゼの基質として用いる場合は、
式中、Xは-O-CO-R(但し、R は炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基である)であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基であり、
前記酵素反応の生成物の定量は、NADHおよび/またはNADPH、チオNADおよび/またはチオNADP、並びにヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)を用いて、酵素サイクリング反応によりチオNADHおよび/またはチオNADPHを生成させ、生成したチオNADHおよび/またはチオNADPHの量を測定するか、または生成したチオNADHおよび/またはチオNADPHによる色の変化を計測することで行う、前記方法。

【請求項2】
酵素標識核酸プローブを用いる核酸プローブ測定方法であって、
酵素標識核酸プローブの酵素としてアルカリホスファターゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フルクトシダーゼ、マンノシダーゼまたはペルオキシダーゼを用い、上記酵素の基質として下記一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体を用い、
【化2】
(省略)
(i) 一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、アルカリホスファターゼの基質として用いる場合には、
式中、Xはリン酸基、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基であり、
(ii) 一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フルクトシダーゼまたはマンノシダーゼの基質として用いる場合は、
式中、Xは糖残基であり、糖残基はグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから成る群から選ばれる1種であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基であり、
(iii) 一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、ペルオキシダーゼの基質として用いる場合は、
式中、Xは-O-CO-R(但し、R は炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基である)であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基であり、
前記酵素反応の反応生成物の定量は、NADHおよび/またはNADPH、チオNADおよび/またはチオNADP、並びにヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)を用いて、酵素サイクリング反応によりチオNADHおよび/またはチオNADPHを生成させ、生成したチオNADHおよび/またはチオNADPHの量を測定するか、または生成したチオNADHおよび/またはチオNADPHによる色の変化を計測することで行う、前記方法。

【請求項3】
前記酵素がアルカリホスファターゼであり、
一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、
式中、Xはリン酸基、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
前記酵素がグルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フルクトシダーゼまたはマンノシダーゼであり、一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、
式中、Xは糖残基であり、糖残基はグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから成る群から選ばれる1種であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である、請求項1または2に記載の方法。

【請求項5】
前記酵素がペルオキシダーゼであり、一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体は、の基質として用いる場合は、
式中、Xは-O-CO-R(但し、R は炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基である)であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である、請求項1または2に記載の方法。

【請求項6】
以下の(1)~(5)の試薬を含む酵素免疫測定用キット。
(1)標的タンパク質抗原に特異的な抗体を標識したアルカリホスファターゼ
(2)上記酵素の基質である一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体
【化3】
(省略)
(式中、Xはリン酸基、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である)、
(3)ヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)
(4)NADHおよび/またはNADPH、
(5)チオNADおよび/またはチオNADP

【請求項7】
以下の(1)~(5)の試薬を含む酵素免疫測定用キット。
(1)標的タンパク質抗原に特異的な抗体を標識したグルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フルクトシダーゼまたはマンノシダーゼ
(2)上記酵素の基質である一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体
【化4】
(省略)
(式中、Xは糖残基であり、糖残基はグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから成る群から選ばれる1種であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である)、
(3)ヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)
(4)NADHおよび/またはNADPH、
(5)チオNADおよび/またはチオNADP

【請求項8】
以下の(1)~(5)の試薬を含む酵素免疫測定用キット。
(1)標的タンパク質抗原に特異的な抗体を標識したペルオキシダーゼ、
(2)上記酵素の基質である一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体
【化5】
(省略)
(式中、Xは-O-CO-R(但し、R は炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基である)であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である)、
(3)ヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)
(4)NADHおよび/またはNADPH、
(5)チオNADおよび/またはチオNADP

【請求項9】
以下の(1)~(5)の試薬を含む核酸プローブ測定用キット。
(1)標的核酸に特異的に結合する核酸プローブで標識したアルカリホスファターゼ、
(2)上記酵素の基質である一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体
【化6】
(省略)
(式中、Xはリン酸基、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である)
(3)ヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)、
(4)NADHおよび/またはNADPH、
(5)チオNADおよび/またはチオNADP

【請求項10】
以下の(1)~(5)の試薬を含む核酸プローブ測定用キット。
(1)標的核酸に特異的に結合する核酸プローブで標識したグルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フルクトシダーゼまたはマンノシダーゼ、
(2)上記酵素の基質である一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体
【化7】
(省略)
(式中、Xは糖残基であり、糖残基はグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから成る群から選ばれる1種であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である)、
(3)ヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)、
(4)NADHおよび/またはNADPH、
(5)チオNADおよび/またはチオNADP

【請求項11】
以下の(1)~(5)の試薬を含む核酸プローブ測定用キット。
(1)標的核酸に特異的に結合する核酸プローブで標識したペルオキシダーゼ、
(2)上記酵素の基質である一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体
【化8】
(省略)
(式中、Xは-O-CO-R(但し、R は炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基である)であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である)、
(3)ヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)、
(4)NADHおよび/またはNADPH、
(5)チオNADおよび/またはチオNADP

【請求項12】
下記一般式(1)で表されるアンドロステロン誘導体。
【化9】
(省略)
(式中、X、Y1およびY2の定義は、以下の(A)、(B)および(C)のいずれかである。
(A)Xはリン酸基であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数1~6のアルキル基である、
(B)Xはグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから成る群から選ばれる1種の糖残基であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である、
(C)Xは-O-CO-Rであり、R は炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基であり、Y1及びY2が共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である。)

【請求項13】
X、Y1およびY2の定義は、(A)Xはリン酸基であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数1~6のアルキル基である、請求項12に記載のアンドロステロン誘導体。

【請求項14】
X、Y1およびY2の定義は、(B)Xはグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから成る群から選ばれる1種の糖残基であり、Y1及びY2は共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である、請求項12に記載のアンドロステロン誘導体。

【請求項15】
X、Y1およびY2の定義は、(C)Xは-O-CO-Rであり、R は炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基であり、Y1及びY2が共同でメチレン基であるか、または、Y1は水素であり、Y2は、炭素数1~6のアルコキシ基、または炭素数1~6のアルキル基である、請求項12に記載のアンドロステロン誘導体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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