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誘電分光装置 UPDATE

国内特許コード P200016791
整理番号 5779
掲載日 2020年4月14日
出願番号 特願2017-111416
公開番号 特開2018-205156
出願日 平成29年6月6日(2017.6.6)
公開日 平成30年12月27日(2018.12.27)
発明者
  • 田島 卓郎
  • 中村 昌人
  • 味戸 克裕
  • 小川 雄一
  • 白神 慧一郎
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 誘電分光装置 UPDATE
発明の概要 【課題】環境変動による不安定性を低減し、テラヘルツ帯等の高周波数帯での誘電分光測定を高精度に行う。
【解決手段】第1フォトミキサ6aから第2フォトミキサ6bへ放射される2つの光の差周波に対応する周波数のテラヘルツ波が伝搬する伝搬路に配置されたATRプリズム9と、第1フォトミキサ6aとATRプリズム9との間を伝搬するテラヘルツ波の伝搬路に配置されたハーフミラー8と、ハーフミラー8で反射したテラヘルツ波を受信する第3フォトミキサ6cと、第2フォトミキサ6bへ入力されるホモダイン検波用の光を分岐して第3フォトミキサ6cへ入力する第3スプリッタ2cと、第2フォトミキサ6bでホモダイン検波された電気信号の値を第3フォトミキサ6cでホモダイン検波された電気信号の値で補正するロックインアンプ11と、を備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

高齢化が進み、成人病に対する対応が課題になりつつある。成人病であるか否かは患者から採取した血糖値等の血液成分を検査して判断するが、採血行為自体が患者に過度の心的負担を与えるので、非侵襲な血液の成分濃度測定技術が注目されている。

現在、非侵襲な成分濃度測定方法として誘電分光法がある。誘電分光法は、患者の皮膚内に電磁波を照射し、血糖値を示すグルコース分子等と体内の水分との親和性による相互作用により電磁波を体内に吸収させ、患者の体内を通過した電磁波の振幅及び位相を観測することにより、患者の血液成分濃度を測定する手法である。

しかし、血液内の対象成分に対する電磁波の相互作用は小さく、また、人体への影響を考慮すると照射可能な電磁波の強度には限度があるため、適切な測定結果が得られず、生体の血糖値測定においては十分な効果を得ることができない。

一方、マイクロ波等の電磁波を利用した材料分析の分野では、共振法、同軸反射法等の様々な手法を利用して材料の複素誘電率を評価することが行われている。テラヘルツ帯のような高周波では、レンズや放物面鏡を用いた疑似光学系によるフリースペース法により試料の複素誘電率が計測される。上述したグルコース分子等は複素誘電率に相関があるので、その複素誘電率の変化に対応した電気信号の振幅及び位相を測定することにより、試料である人体の血液成分濃度を測定することが可能である。

従来の誘電分光装置として、マイクロ波からミリ波以上の周波数帯では、光電気変換技術を利用した誘電分光装置がある。特許文献1に開示された誘電分光装置の構成を図5に示す。この図5は、特許文献1の図4に対応する。

図5に示す誘電分光装置は、2つの連続波光の差周波に対応する周波数のTHzビームを第1フォトミキサ6aから測定試料100へ照射し、その測定試料100を透過・反射したTHzプローブビームを第2フォトミキサ6bでホモダイン検波して、電気信号の振幅及び位相を測定する方式が採られている。

また、電磁波をホモダイン検波する際には、第2フォトミキサ6bでのミキシング時における2つの光路・空間伝搬長が一致している必要があるため、空間を伝搬する電磁波の伝搬長や光が伝搬する光ファイバ長が調整されている。具体的には、第1カプラ3aから第1フォトミキサ6aを介する第2フォトミキサ6bまでの光ファイバ長及び空間伝搬長と、第2カプラ3bから第2フォトミキサ6bまでの光ファイバ長とを一致させている。

次に、測定試料について説明する。生体内部には水分等が含まれており、疑似的に水溶液や油等の液体試料を評価する際には、溶液セルに液体試料を封入又はフロー供給して測定することが一般的である。サンプルセルのサイズは、例えば、ビームサイズ以上として数ミリ×数ミリ角以上であり、サンプルを固定する窓材料としては、高抵抗Si、Zカット水晶、高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン等、測定周波数に応じて透過率の高い材料が用いられる。サンプルセルは、インレットとアウトレットを備えるフローセル構成とされる場合もある。

また、誘電率測定用セルの場合、テラヘルツ波を透過する窓材が設けられているが、図5に示した連続波電磁波分光測定法では、窓材の厚さに依存するテラヘルツ波の多重反射が生ずることが知られている。2つの窓材の厚さ、セル厚、及び誘電率から多重反射の影響を排除することは容易ではないので、例えば、移動平均をとることによりスペクトル上の干渉リプルを低減する方法が採られている。

また、水は赤外領域で非常に強い吸収を呈するため、図6に示す高抵抗シリコン製のATRプリズム9を用いて液体試料の評価を行うことが知られている。従来では、2つのレンズ30間におけるテラヘルツ波ビームは平行光であるため、その2つのレンズ30間の中央にATRプリズム9を配置して支持台50で固定している。ATRプリズム9は、その断面形状が台形であり、テラヘルツ波のビームサイズに応じて幅及び高さが調整されている。このATRプリズム9の上に誘電率測定用セルを載置し、その誘電率測定用セルで反射したATRプリズム9の透過信号を受信して振幅及び位相を測定する。

以上のように観測される電波の周波数に対応する電気信号の振幅及び位相から誘電緩和スペクトルを算定する。一般的にはCole-Cole式に基づき緩和カーブの線形結合として表現し、複素誘電率を算定する。生体成分の計測では、例えば血液中に含まれるグルコースやコレステロール等の血液成分の量に複素誘電率は相間があるので、その変化に対応した電気信号の振幅及び位相として測定される。複素誘電率変化と成分濃度との相間を予め測定することによって検量モデルを構築し、計測した誘電緩和スペクトルの変化から成分濃度の検量が行われる。

産業上の利用分野

本発明は、誘電分光法を用いた生体の非侵襲な成分濃度測定技術に関する。特に、成分濃度測定を行うために生体に照射した電磁波の振幅及び位相を観測する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1のフォトミキサから第2のフォトミキサへ放射される2つの光の差周波に対応する周波数の電磁波が伝搬する伝搬路に配置されたATRプリズムと、
前記第1のフォトミキサと前記ATRプリズムとの間を伝搬する前記電磁波の伝搬路に配置されたハーフミラーと、
前記ハーフミラーで反射した前記電磁波を受信する第3のフォトミキサと、
前記第2のフォトミキサへ入力されるホモダイン検波用の光を分岐して前記第3のフォトミキサへ入力するスプリッタと、
前記第2のフォトミキサでホモダイン検波された電気信号の値を前記第3のフォトミキサでホモダイン検波された電気信号の値で補正する補正部と、
を備えることを特徴とする誘電分光装置。

【請求項2】
前記2つの光を出力する第1のカプラから前記第1のフォトミキサを介して前記第2のフォトミキサまでの第1の光路長と、前記ホモダイン検波用の光を出力する第2のカプラから前記第2のフォトミキサまでの第2の光路長と、前記第2のカプラから前記第3のフォトミキサまでの第3の光路長とが等しくなるように、前記第1の光路長の光路、前記第2の光路長の光路、前記第3の光路長の光路のうちいずれかに遅延線が挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の誘電分光装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017111416thum.jpg
出願権利状態 公開
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