TOP > 国内特許検索 > 核酸鎖の四重螺旋構造の形成を可能にするデオキシヌクレオシド誘導体

核酸鎖の四重螺旋構造の形成を可能にするデオキシヌクレオシド誘導体

国内特許コード P200016794
整理番号 2015-1
掲載日 2020年4月24日
出願番号 特願2015-095059
公開番号 特開2016-210719
出願日 平成27年5月7日(2015.5.7)
公開日 平成28年12月15日(2016.12.15)
発明者
  • 杉本 直己
  • 建石 寿枝
  • 金原 数
  • 村岡 貴博
出願人
  • 学校法人甲南学園
発明の名称 核酸鎖の四重螺旋構造の形成を可能にするデオキシヌクレオシド誘導体
発明の概要 【課題】本発明は、重螺旋構造に対しては安定化させずに、四重螺旋構造を選択的に安定化させる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】チミジンのピリジン環の5位の炭素に結合しているメチル基を、アルキレンオキサイドを含む基に置換したデオキシヌクレオシドは、二重螺旋構造を形成させても安定化せずに、四重螺旋構造を形成させると安定化できる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

RNAやDNA等の核酸鎖において、グアニンに富む塩基配列部分がグアニン四量体(G-quartet)を形成して四重螺旋構造を形成することが知られている。四重螺旋構造を形成できる塩基配列は、DNAでは30万種類以上、RNAでは3千種類以上存在すると考えられており(非特許文献1参照)、特に、ガン関連遺伝子(例えば、C-MYC、NRAS、BCL2等)、細胞分化関連遺伝子(例えば、HCK等)、血管新生関連遺伝子(例えば、VEGF等)、翻訳因子(例えば、FOS等)のmRNAには、四重螺旋構造を形成できる配列が局在化していることも知られている。

核酸鎖の四重螺旋構造は、転写、逆転写、複製、翻訳、テロメア伸長反応等を抑制し、様々な遺伝子の発現や機能を制御することが知られている。そのため、ガン関連遺伝子等の疾患遺伝子において四重螺旋構造を安定に形成すると、当該遺伝子の発現を抑制できるため、当該遺伝子における四重螺旋構造の形成及び安定化は、疾患の予防及び治療にも有効になると考えられている。更に、HIVウイルス等の病原ウイルスの核酸鎖に四重螺旋構造を安定に形成すると、当該病原ウイルスの逆転写や複製を抑制し、当該病原ウイルスの感染予防にも有効であると考えられている。

従来、核酸鎖の四重螺旋構造を安定化させる手法として、四重螺旋構造に結合する低分子化合物を使用する方法が知られている(非特許文献2)。しかしながら、非特許文献2に開示されている低分子化合物では、四重螺旋構造のみならず、二重螺旋構造にも結合するという欠点がある。細胞内での多くの核酸は二重螺旋構造を形成するため、四重螺旋構に対して選択的に安定化できなければ、正常な生体機能に悪影響を及ぼすことが懸念される。

また、四重螺旋構造をとり得る塩基配列が種々報告されているが、非特許文献2に開示されている低分子化合物では、塩基配列の選択性が無いため、配列特異的に四重螺旋構造を安定化させることができないという欠点もある。

このように、従来技術では、核酸鎖の四重螺旋構造を安定化させる技術については知られているものの、二重螺旋構造に対しては安定化させずに、しかも配列特異的に四重螺旋構造を安定化させる技術は開発されていないのが現状である。

産業上の利用分野

本発明は、核酸鎖の四重螺旋構造を安定に形成できるデオキシヌクレオシド誘導体に関する。更に、本発明は、当該デオキシヌクレオシド誘導体を含むポリヌクレオチド、及び当該ポリヌクレオチドを利用して標的核酸と四重螺旋構造を形成する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
【化1】
(省略)
[一般式(1)中、R1は、水素原子、又は水酸基の保護基を示す。
2は、水素原子、又は水酸基の保護基を示す。
AOはアルキレンオキサイドを示す。
mは1~8の整数を示す。
nは1~10の整数を示す。
1は、ピリジン環の5位の炭素とL2とを連結するリンカー基を示す。
2は、nが1の場合には単結合、nが2~10の場合にはL1に対して1価の結合と基-(AO)n-R2に対してn価の結合を持つ分岐リンカー基を示す。]

【請求項2】
一般式(1)中、AOがエチレンオキサイドである、請求項1に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。

【請求項3】
一般式(1)中、nが1である、請求項1又は2に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。

【請求項4】
一般式(1)中、nが2~10であり、
2が、下記一般式(2)に示すリンカー基である請求項1又は2に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
【化2】
(省略)
[一般式(2)中、L21はL1と結合するリンカー基であり、L22及びL23は、それぞれp個及びq個の基-(AO)m-R2と結合するリンカー基である。
p及びqは0~10の整数であり、且つp+q=nの関係を満たす。]

【請求項5】
一般式(1)中、nが2であり、
2が、下記一般式(21)に示すリンカー基である請求項1、2又は4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシド。
【化3】
(省略)

【請求項6】
請求項1~5に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドが他のデオキシヌクレオシドとリン酸ジエステル結合によって連結しているポリヌクレオチド。

【請求項7】
下記塩基配列(i)を含む、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【化4】
(省略)
[塩基配列(i)において、左側が5’末端側、右側が3’末端側を示す。
1、A2、A3、及びA4は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1~5個の塩基からなるループ配列を示す。
1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(i)の5’末端側又は3’末端側に請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]

【請求項8】
下記塩基配列(ii)~(iv)のいずれかを含み、GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列を含む標的核酸鎖と四重螺旋構造を形成する、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【化5】
(省略)
[塩基配列(ii)において、左側が5’末端側、右側が3’末端側を示す。
1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
1、及びB2は、それぞれ同一又は異なって、1~5個の塩基からなるループ配列を示す。
1、及びB2のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(ii)の5’末端側又は3’末端側に請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
【化6】
(省略)
[塩基配列(iii)において、左側が5’末端側、右側が3’末端側を示す。
1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1~5個の塩基からなるループ配列を示す。
1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(iii)の5’末端側又は3’末端側に請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]
【化7】
(省略)
[塩基配列(iv)において、左側が5’末端側、右側が3’末端側を示す。
1、A2、及びA3は、それぞれ同一又は異なって、GG、GGG、又はGGGGからなるグアニン四量体形成配列を示す。
1、B2、及びB3は、それぞれ同一又は異なって、1~5個の塩基からなるループ配列を示す。
1、B2、及びB3のループ配列に含まれる少なくとも1つの塩基が、請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基に置換されている;或いは塩基配列(iv)の5’末端側又は3’末端側に請求項1~4に記載のアルキレンオキサイド化デオキシヌクレオシドの塩基が付加されている。]

【請求項9】
前記配列(ii)~(iv)の5’末端側又は3’末端側に、標的核酸鎖の一部の塩基配列に対する相補的な塩基配列が付加されている、請求項8に記載のポリヌクレオチド。

【請求項10】
前記相補的な塩基配列が、
前記標的核酸鎖中の前記GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列の5’末端から5’末端側に数えて1~55番目までの塩基の領域内の塩基配列、或いは
前記標的核酸鎖中の前記GG、GGG、又はGGGGからなる塩基配列の3’末端から3’末端側に数えて1~55番目までの塩基の領域内の塩基配列
に対して相補的な塩基配列である、請求項9に記載のポリヌクレオチド。

【請求項11】
前記標的核酸鎖がDNA鎖又はRNA鎖である、請求項8~10のいずれかに記載のポリヌクレオチド。

【請求項12】
GG又はGGGからなる塩基配列を含む標的核酸鎖と、請求項8~11のいずれかに記載のポリヌクレオチドとを共存させる工程を含む、核酸鎖の四重螺旋構造の形成方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close