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物理量分布図の作成方法、及び物理量分布図作成装置 NEW

国内特許コード P200016812
整理番号 5679
掲載日 2020年5月8日
出願番号 特願2017-046496
公開番号 特開2018-151775
出願日 平成29年3月10日(2017.3.10)
公開日 平成30年9月27日(2018.9.27)
発明者
  • 津野 浩一
  • 村木 広和
  • 渡辺 明彦
  • 谷垣 実
  • 松浦 隆弘
出願人
  • 国際航業株式会社
  • 国立大学法人京都大学
  • 株式会社松浦電弘社
発明の名称 物理量分布図の作成方法、及び物理量分布図作成装置 NEW
発明の概要 【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、GNSS測位のように積極的に測位することなく物理量分布図を作成することができる物理量分布図の作成方法、及び物理量分布図作成装置を手供することである。
【解決手段】本願発明の物理量分布図の作成方法は、対象範囲の物理量分布図を作成する方法であり、移動計測工程と、物理量設定工程、正射画像作成工程、分布図作成工程を備えた方法である。物理量設定工程では、移動計測工程で得られた物理量に基づいて、それぞれの地面画像に対して代表物理量を付与する。また正射画像作成工程では、複数の地面画像に基づいて対象範囲の正射画像を作成する。そして分布図作成工程では、正射画像に代表物理量を表示することで物理量分布図を作成する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要

近年、地球温暖化が原因とされる環境破壊が進み、地球環境の保全は世界的な問題となっている。1997年には京都議定書が締結され、温室効果ガスの削減目標を定めるなど、多くの国が積極的にこの問題に取り組んでいる。我が国でも、これまで官民を挙げて温室効果ガスの削減対策が実施されており、そのひとつが原子力発電である。原子力による発電は、その発電力もさることながら、いわゆる化石エネルギーによる発電に比べ温室効果ガスの排出量が極めて少ないため、従前の発電方式からこの方式へ転換が図られてきた。

一方、我が国は地震が頻発する国として知られ、東北地方太平洋沖地震をはじめ、兵庫県南部地震、新潟県中越地震など大きな地震が発生し、そのたびに甚大な被害を被ってきた。先の東日本大震災では、津波によって計り知れない被害を受けたうえ、さらに福島原子力発電所の原子炉が破損したことによって放射性物質が大量に漏れ出すという事故も発生した。

原子力発電所から漏出した放射性物質は、その周辺にとどまらず広い範囲にわたって拡散した。これは、放射性物質がエアロゾル等に付着した結果、このエアロゾル等が輸送体となって放射性物質を遠方まで連行し、雨水等によって地上に降下したものと考えられている。いずれにしろ、原子力発電所の事故による影響は広い範囲に及んでおり、放射性物質汚染対処特別措置法では、事故由来放射性物質の環境汚染状況について重点的に調査測定をすべき「汚染状況重点調査地域」として、100を超える市町村を指定している。

広い範囲に放射性物質が拡散したとしても、場所によって放射線量は異なり、極めて高い放射線量を示す地域もあれば、環境に影響を与えない程度の放射線量を示す地域もある。高い放射線量を示す地域では、当然ながら人体に対する影響を考えなければならない。1年間の放射線量(mSv/年)を指標として各居住区に制限を設けており、50mSv以上が帰宅困難区域、20mSv以上が居住制限区域、1mSv以上が避難指示解除準備区域とされ、いずれも複数の市町村が今なお該当している。このような制限区域に対して適切な除染対策を行い、すべての制限を早期に解除することが喫緊の課題である。

ところで、その地域全体としてはそれほど高い放射線量を示さないものの、局所的に極めて高い放射線量を示すケースがある。あるいは、居住制限区域であっても部分的に低い放射線量を示すケースも考えられる。周辺に比べ局所的に高い放射線量を示す地点(以下、「ホットスポット」という。)を抽出することは、生活安全上極めて重要であり、また、高い放射線量の中にあって部分的に低線量を示す地点を抽出することは、除染作業が軽減されるうえ、除染により発生した汚染土を保管する場所(仮置き場や中間貯蔵施設など)が不足している状況の下、発生する汚染土量を削減する結果となり極めて有益といえる。

このように、局所的な放射線量を把握する場合、航空機等による全体計測ではなく、狭い範囲に区切って部分的に計測する手法が用いられる。実際、福島県では20万戸を超える住宅に対して1戸ずつ調査を行い、結果に応じて除染対策を進めている。なお、住宅の放射線量を計測する際は、「放射性物質による局所的汚染箇所への対処ガイドライン―環境省―」(以下、単に「汚染箇所対処ガイドライン」という。)に従い、局所的に汚染箇所が予測される箇所(以下、「汚染予測箇所」という。)を抽出した上で、当該箇所を中心に計測している。これは現実に汚染されている「局所的汚染箇所」をできる限り早急に発見するためで、建物の雨樋、排水口、側溝・排水路、雨水枡などが汚染予測箇所として例示されている。

しかしながら、汚染予測箇所の抽出は人の判断によって行われるものであり、抽出精度は調査者の知識や経験に依存するところとなる。大量の調査住宅を考えると大勢の調査者が計測に当たることになり、したがって汚染予測箇所の抽出基準が不均一となり、その結果、局所的汚染箇所が正しく発見されないおそれもある。また、計測結果は位置情報とともに記録しなければ適切な除染対策を実施することはできないが、放射線量を計測する一方で同時に位置計測を行い、その上、計測値と位置情報を関連付けて記録することはそれほど容易なことではない。実際は、用意した紙図面に概ねの計測位置を記しているのが現状であり、そのため誤記や記録漏れを生じることもあるが、これを事後的に確かめることはできない。

屋外を対象に放射線量を調査する場合、計測値と位置情報を関連付けて記録するには衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を併用することが考えられる。調査地点の位置座標をGNSSで測位していくことで、計測値と位置情報をセットとして記録できるわけである。しかしながらGNSSによる単独測位では10m程度の誤差が生じることが知られており、さらに屋根や庭木といった障害がある場合は敷地外に大きく外れた点を座標として出力するケースもある。

そこで特許文献1では、GNSSによる測位と自律航法による測位を併用した放射線分布計測技術を提案している。この技術によれば、GNSS測位と自律航法測位の結果を用いて補正することによってその測位精度を高めつつ、計測値と位置情報を関連付けて記録することができる。

産業上の利用分野

本願発明は、対象領域における例えば放射線量率といった物理量の分布図を作成する技術に関するものであり、より具体的には、特段の測位手段を必要とすることなく物理量分布図を作成することができる方法とその装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
対象範囲内で場所ごとに異なる物理量の分布図を作成する方法であって、
前記対象範囲を移動しながら、隣接画像が重複するように地面を撮影して複数の地面画像を取得するとともに、物理量を計測する移動計測工程と、
前記移動計測工程で得られた物理量に基づいて、それぞれの前記地面画像に対して代表物理量を付与する物理量設定工程と、
複数の前記地面画像に基づいて、前記対象範囲の正射画像を作成する正射画像作成工程と、
前記正射画像に前記代表物理量を表示することで、物理量分布図を作成する分布図作成工程と、
を備えたことを特徴とする物理量分布図の作成方法。

【請求項2】
前記移動計測工程では、物理量として放射線量率を計測し、
前記物理量設定工程では、前記地面画像に対して代表放射線量率を付与し、
前記分布図作成工程では、前記正射画像に前記代表放射線量率を表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の物理量分布図の作成方法。

【請求項3】
前記移動計測工程では、前記対象範囲を移動する速度に基づいて、取得された前記地面画像を前記正射画像の作成に使用するか否か判断し、
前記物理量設定工程では、前記移動計測工程で前記正射画像の作成に使用すると判断された前記地面画像に対して代表物理量を付与し、
前記正射画像作成工程では、前記移動計測工程で前記正射画像の作成に使用すると判断された前記地面画像に基づいて、前記対象範囲の前記正射画像を作成する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の物理量分布図の作成方法。

【請求項4】
前記移動計測工程では、前記対象範囲を移動した移動距離を取得するとともに、該移動距離に基づいて隣接画像の重複の程度を求め、該重複の程度に基づいて、取得された前記地面画像を前記正射画像の作成に使用するか否か判断し、
前記物理量設定工程では、前記移動計測工程で前記正射画像の作成に使用すると判断された前記地面画像に対して代表物理量を付与し、
前記正射画像作成工程では、前記移動計測工程で前記正射画像の作成に使用すると判断された前記地面画像に基づいて、前記対象範囲の前記正射画像を作成する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の物理量分布図の作成方法。

【請求項5】
前記移動計測工程では、地面から略一定の高さに固定した画像取得手段で地面を撮影し、
前記正射画像作成工程では、前記画像取得手段と地面との距離に基づいて前記地面画像の縮尺を求め、該縮尺が付与された前記正射画像を用いて前記正射画像を作成する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の物理量分布図の作成方法。

【請求項6】
前記移動計測工程では、支持柱に固定された画像取得手段によって地面を撮影するとともに、該支持柱に固定された計測手段によって物理量を計測する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の物理量分布図の作成方法。

【請求項7】
前記対象範囲内で2以上の地点の平面座標を取得する測位工程を、さらに備え、
前記正射画像作成工程では、前記測位工程で取得された平面座標に基づいて、所定の座標系が設定された前記正射画像を作成する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の物理量分布図の作成方法。

【請求項8】
対象範囲内で場所ごとに異なる物理量の分布図を作成する物理量分布図作成装置であって、
地面から略一定の高さに固定され、前記対象範囲を移動しながら地面を撮影した地面画像を取得しうる画像取得手段と、
前記対象範囲内の物理量を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測された物理量に基づいて、前記画像取得手段で取得した前記地面画像に対して代表物理量を付与する物理量設定手段と、
隣接画像が重複する複数の前記地面画像に基づいて、前記対象範囲の正射画像を作成する正射画像作成手段と、
前記正射画像に前記代表物理量を表示することで、物理量分布図を作成する分布図作成手段と、
を備えたことを特徴とする物理量分布図作成装置。

【請求項9】
前記対象範囲を移動するときの移動速度を取得する速度計測手段と、
前記速度計測手段で取得した移動速度に基づいて、前記画像取得手段で取得された前記地面画像を、使用地面画像又は不使用地面画像のいずれかに選別する画像選別手段と、
前記画像選別手段で選別された前記使用地面画像を、記憶する画像記憶手段と、をさらに備え、
前記正射画像作成手段は、前記画像選別手段で選別された前記使用地面画像に基づいて、前記対象範囲の前記正射画像を作成する、
ことを特徴とする請求項8記載の物理量分布図作成装置。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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