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脂質二重膜基板におけるリンカー層の制御方法、並びに、脂質二重膜基板及びその製造方法

国内特許コード P200016840
整理番号 6163
掲載日 2020年5月11日
出願番号 特願2018-117219
公開番号 特開2019-216660
出願日 平成30年6月20日(2018.6.20)
公開日 令和元年12月26日(2019.12.26)
発明者
  • 上野 祐子
  • 樫村 吉晃
  • 大嶋 梓
  • 山本 暁久
  • 田中 求
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 脂質二重膜基板におけるリンカー層の制御方法、並びに、脂質二重膜基板及びその製造方法
発明の概要 【課題】リンカー層の厚さをナノメートルスケールで精密に制御可能な脂質二重膜基板におけるリンカー層の制御方法を提供する。膜タンパク質と基板とが接触せず、且つ、バイオセンサとしたときの感度が良好な脂質二重膜基板を提供する。
【解決手段】リンカー層の制御方法は、基板と、リンカー層と、脂質二重膜と、がこの順に積層された脂質二重膜基板における前記リンカー層の厚さを制御する方法であって、前記リンカー層は、前記脂質二重膜を前記基板上に固定化するリンカー分子からなり、前記リンカー分子として、少なくとも一部に二本鎖構造を有する核酸分子を用いる方法である。脂質二重膜基板は、基板と、リンカー層と、脂質二重膜と、がこの順に積層された脂質二重膜基板であって、リンカー層は、脂質二重膜を基板上に固定化するリンカー分子からなり、リンカー分子が少なくとも一部に二本鎖構造を有する核酸分子である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

微小なマイクロチップの表面で、人工生体膜中における膜タンパク質の動作を調べるセンサデバイスや、膜タンパク質の機能を利用するためのバイオデバイスの研究が、従来より精力的に行われている。このようなマイクロデバイスの作製には、マイクロチップの基板表面に、自然界において効率よく特異的反応場として用いられている生体膜又は脂質膜等の人工生体膜を配置し、この生体膜中に膜タンパク質を、その機能を維持した状態で担持することが必要となる。このように基板表面に支持された生体膜(以下、「支持膜」と称する場合がある)は、基板表面に吸着していると共に、生体膜が有する最も重要な性質である流動性を維持しているため、膜タンパク質の機能する場として最適な環境を与える。非特許文献1には、支持膜を用いた生体分子検出チップが記載されている。この生体分子検出チップは、プラスチック、ガラス、シリコン等の材料からなる基板の表面に、脂質分子等からなる支持膜を配置し、これら支持膜を隔壁で分離したものである。支持膜の流動性は、基板表面の支持膜に平行な電場を印加することにより、ゲルに担持されたタンパク質の電気泳動と同様に、支持膜に担持した生体分子を動かすことで証明されている(例えば、非特許文献2及び3等参照)。

基板の表面に支持された支持膜は、膜関連生体分子の機能する場として、以下の問題を有する。基板と支持膜との間の層の厚さは、通常、支持膜に担持する膜関連生体分子(膜貫通タンパク質)と基板表面との接触を避けられるほど、十分に大きくない。この問題は、機能を発現する部位が、生体膜から外側に数十nm程度張り出した構造を有する膜関連生体分子(例えば、細胞接着受容体等)を支持膜に担持する場合においては、特に深刻な問題となる。具体的には、例えば、機能部位が基板表面に接触してしまい、基板との間で生じる摩擦や、基板表面への吸着により、機能部位が損傷したり、機能の維持が困難になったり、又は、膜関連生体分子そのものが変性してしまう虞がある。
このような問題に対し、従来においては、基板と生体膜との間に、膜を支持可能且つ生体親和性を有する高分子材料からなる層(以下、「リンカー層」と称する場合がある)を形成させて、生体膜と基板とを分離し、膜関連生体分子と基板との接触を回避する等の手法が検討されている(例えば、非特許文献4等参照)。

産業上の利用分野

本発明は、脂質二重膜基板におけるリンカー層の制御方法、並びに、脂質二重膜基板及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板と、リンカー層と、脂質二重膜と、がこの順に積層された脂質二重膜基板における前記リンカー層の厚さを制御する方法であって、
前記リンカー層は、前記脂質二重膜を前記基板上に固定化するリンカー分子からなり、
前記リンカー分子として、少なくとも一部に二本鎖構造を有する核酸分子を用いる方法。

【請求項2】
基板と、リンカー層と、脂質二重膜と、がこの順に積層された脂質二重膜基板であって、
前記リンカー層は、前記脂質二重膜を前記基板上に固定化するリンカー分子からなり、
前記リンカー分子が少なくとも一部に二本鎖構造を有する核酸分子である脂質二重膜基板。

【請求項3】
前記脂質二重膜は、膜タンパク質を備える請求項2に記載の脂質二重膜基板。

【請求項4】
前記リンカー層の厚さが3nm以上20nm以下である請求項2又は3に記載の脂質二重膜基板。

【請求項5】
前記基板及び前記リンカー層の間に、グラフェン膜を更に備え、
前記グラフェン膜は、前記基板上に固定化されており、
前記リンカー分子は前記グラフェン膜上に固定化されている請求項2~4のいずれか一項に記載の脂質二重膜基板。

【請求項6】
前記グラフェン膜上に接着分子を含む接着層を更に備え、
前記接着層は、前記グラフェン膜上に固定化されており、
前記リンカー分子は前記接着層を介して前記グラフェン膜上に固定化されている請求項5に記載の脂質二重膜基板。

【請求項7】
前記グラフェン膜をセンサとして用いる請求項5又は6に記載の脂質二重膜基板。

【請求項8】
請求項2~7のいずれか一項に記載の脂質二重膜基板の製造方法であって、
前記基板上に第1の一本鎖核酸分子を固定化する工程Aと、
前記第1の一本鎖核酸分子が固定化された前記基板上に、前記第1の一本鎖核酸分子の塩基配列と相補的な塩基配列からなる核酸を少なくとも一部に含む第2の一本鎖核酸分子が結合した第1の脂質分子、及び、前記第2の一本鎖核酸分子が結合していない第2の脂質分子を添加して、前記第1の一本鎖核酸分子及び前記第2の一本鎖核酸分子からなる前記少なくとも一部に二本鎖構造を有する核酸分子、並びに、前記第1の脂質分子及び前記第2の脂質分子からなる前記脂質二重膜を形成させる工程Bと、
を備える製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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