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無線通信システムおよび無線通信方法

国内特許コード P200016855
整理番号 6088
掲載日 2020年5月11日
出願番号 特願2018-233794
公開番号 特開2020-017938
出願日 平成30年12月13日(2018.12.13)
公開日 令和2年1月30日(2020.1.30)
優先権データ
  • 特願2018-133473 (2018.7.13) JP
発明者
  • アベセカラ ヒランタ
  • 中平 俊朗
  • 篠原 笑子
  • 村上 友規
  • 石原 浩一
  • 林 崇文
  • 松井 宗大
  • 山本 高至
  • 尹 博
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 無線通信システムおよび無線通信方法
発明の概要 【課題】他セル無線局の受信信号強度を閾値判定するだけではなく、過去データを基に送信を開始する/しないを学習し、効率的に送信を実施してスループットの向上を可能にする。
【解決手段】共用周波数帯上で複数の無線局が送信する無線通信システムにおいて、無線局は、キャリアセンスによりフレームの送信/待機と送信する場合の伝送レートを選択する通信動作選択時に、検出した信号の受信信号強度と帰属セルを含むチャネル状態と、送信しようとするフレームのペイロード長とMAC層再送回数に対する通信特性を予め学習した学習テーブルを参照し、該チャネル状態に対する通信特性が最大となる通信動作を選択する制御手段を備える。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要

近年、ノートパソコンやスマートフォン等の持ち運び可能で高性能な無線端末の普及により企業や公共スペースだけではなく、一般家庭でもIEEE802.11標準規格の無線LANが広く使われるようになっている。IEEE802.11標準規格の無線LANには、 2.4GHz帯を用いるIEEE802.11b/g/n 規格の無線LANと、5GHz帯を用いるIEEE802.11a/n/ac規格の無線LANがある。

IEEE802.11b規格やIEEE802.11g規格の無線LANでは、2400MHzから2483.5MHz間に5MHz間隔で13チャネルが用意されている。ただし、同一場所で複数のチャネルを使用する際は、干渉を避けるためスペクトルが重ならないようにチャネルを使用すると最大で3チャネル、場合によっては4チャネルまで同時に使用できる。

IEEE802.11a規格の無線LANでは、日本の場合は、5170MHzから5330MHz間と、5490MHzから5710MHz間で、それぞれ互いに重ならない8チャネルおよび11チャネルの合計19チャネルが規定されている。なお、IEEE802.11a規格では、チャネル当たりの帯域幅が20MHzに固定されている。

無線LANの最大伝送速度は、IEEE802.11b規格の場合は11Mbps であり、IEEE802.11a規格やIEEE802.11g規格の場合は54Mbps である。ただし、ここでの伝送速度は物理レイヤ上での伝送速度である。実際にはMAC(Medium Access Control )レイヤでの伝送効率が50~70%程度であるため、実際のスループットの上限値はIEEE802.11b規格では5Mbps 程度、IEEE802.11a規格やIEEE802.11g規格では30Mbps 程度である。また、伝送速度は、情報を送信しようとする無線局が増えればさらに低下する。

一方で、有線LANでは、Ethernet(登録商標)の100Base-T インタフェースをはじめ、各家庭にも光ファイバを用いたFTTH(Fiber to the home)の普及から、 100Mbps ~1Gbps 級の高速回線の提供が普及しており、無線LANにおいても更なる伝送速度の高速化が求められている。

そのため、2009年に標準化が完了したIEEE802.11n規格では、これまで20MHzと固定されていたチャネル帯域幅が最大で40MHzに拡大され、また、空間多重送信技術(MIMO:Multiple input multiple output)技術の導入が決定された。IEEE802.11n規格で規定されているすべての機能を適用して送受信を行うと、物理レイヤでは最大で 600Mbps の通信速度を実現可能である。

さらに、2013年に標準化が完了したIEEE802.11ac規格では、チャネル帯域幅を80MHzや最大で 160MHz(または80+80MHz)まで拡大することや、空間分割多元接続(SDMA:Space Division Multiple Access)を適用したマルチユーザMIMO(MU-MIMO)送信方法の導入が決定している。IEEE802.11ac規格で規定されているすべての機能を適用して送受信を行うと、物理レイヤでは最大で約 6.9Gbps の通信速度を実現可能である。

また、現在策定中のIEEE802.11ax規格では、上記の20MHz,40MHz,80MHz, 160MHz,80+80MHzのチャネルを細かいサブチャネルに分け、フレームの送受信ができるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access) が規定される見込みである。OFDMAを用いると、上記チャネルを細かいサブチャネルに分けてリソースユニット単位で複数の無線局による同時送信が可能となる。さらに、IEEE802.11ax規格では、キャリアセンス閾値(CCA閾値)制御により周辺の他セルからの干渉を抑えつつ通信機会を増大する機能が規定される見込みである(非特許文献1)。

IEEE802.11規格の無線LANは、 2.4GHz帯または5GHz帯の免許不要な周波数帯で運用するため、IEEE802.11規格の無線基地局は、無線LANセル(BSS:Basic Service Set )を形成する際に、自無線基地局で対応可能な周波数チャネルの中から1つの周波数チャネルを選択して運用する。

自セルで使用するチャネル、帯域幅およびそれ以外のパラメータの設定値および自無線基地局において対応可能なその他のパラメータは、定期的に送信するBeaconフレームや、無線端末から受信するProbe Request フレームに対するProbe responseフレーム等に記載し、運用が決定された周波数チャネル上でフレームを送信し、配下の無線端末および周辺の他無線局に通知することで、セルの運用を行っている。

無線基地局において、周波数チャネルや帯域幅およびその他のパラメータの選択および設定方法には、次の4つの方法がある。
(1) 無線基地局の製造メーカで設定されたデフォルトのパラメータ値をそのまま使用する方法
(2) 無線基地局を運用するユーザが手動で設定した値を使用する方法
(3) 各無線基地局が起動時に自局において検知する無線環境情報に基づいて自律的にパラメータ値を選択して設定する方法
(4) 無線LANコントローラなどの集中制御局で決定されたパラメータ値を設定する方法

また、同一場所で同時に使えるチャネル数は、通信に用いるチャネル帯域幅によって、 2.4GHz帯の無線LANでは3つ、5GHz帯の無線LANでは2つ,4つ,9つ,または19のチャネルになるので、実際に無線LANを導入する際には無線基地局が自BSS内で使用するチャネルを選択する必要がある(非特許文献2)。

チャネル帯域幅を40MHz、80MHz、 160MHzまたは80+80MHzと広くする場合、5GHz帯において同一場所で同時に使えるチャネル数は、チャネル帯域幅が20MHzで19チャネルだったものが、9チャネル、4チャネル、2チャネルと少なくなる。すなわち、チャネル帯域幅が増加するにつれて、使えるチャネル数が低減することになる。

使用可能なチャネル数よりもBSS数が多い無線LANの稠密環境では、複数のBSSが同一チャネルを使うことになる(OBSS:Overlapping BSS )。そのため無線LANでは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を用いて、キャリアセンスによりチャネルが空いているときにのみデータの送信を行う自律分散的なアクセス制御が使われている。

具体的には、送信要求が発生した無線局は、まず所定のセンシング期間(DIFS:Distributed Inter-Frame Space )だけキャリアセンスを行って無線媒体の状態を監視し、この間に他の無線局による送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行う。無線局は、引き続きランダム・バックオフ期間中もキャリアセンスを行うが、この間にも他の無線局による送信信号が存在しない場合に、チャネルの利用権を得る。なお、他の無線局による送受信は、予め設定されたキャリアセンス閾値よりも大きな信号を受信するか否かで判断される。チャネルの利用権を得た無線局は、同一BSS内の他の無線局にデータを送信し、またそれらの無線局からデータを受信できる。このようなCSMA/CA制御を行う場合、同一チャネルを使用する無線LANの稠密環境では、キャリアセンスによりチャネルがビジーになる頻度が高くなるためスループットが低下する。したがって、周辺環境をモニタリングし、使用するチャネル、送信電力値、キャリアセンス閾値、減衰値、OFDMAリソースユニット、収容トラヒック量や、環境情報に応じて同時送信の選定などを適切に実施することが重要になる。

無線基地局におけるチャネルの選択などの上記パラメータの選択方法は、IEEE802.11標準規格で定まっていないため、各ベンダーが独自の方法を採用している。

産業上の利用分野

本発明は、無線LAN(Local Area Network)の稠密環境において、各無線局のCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)制御に起因するスループットの低下を改善する無線通信システムおよび無線通信方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
共用周波数帯上で複数の無線局が送信する無線通信システムにおいて、
前記無線局は、キャリアセンスによりフレームの送信/待機を選択する通信動作選択時に、検出した信号の受信信号強度と帰属セルを含むチャネル状態に対する通信特性を予め学習した学習テーブルを参照し、該チャネル状態に対する通信特性が最大となる通信動作を選択する制御手段を備えた
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項2】
共用周波数帯上で複数の無線局が送信する無線通信システムにおいて、
前記無線局は、キャリアセンスによりフレームの送信/待機と送信する場合の伝送レートを選択する通信動作選択時に、検出した信号の受信信号強度と帰属セルを含むチャネル状態と、送信しようとするフレームのペイロード長とMAC層再送回数に対する通信特性を予め学習した学習テーブルを参照し、該チャネル状態に対する通信特性が最大となる通信動作を選択する制御手段を備えた
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記通信特性は、フレーム送信を開始するまでに待機した待機時間またはスループットに相当する
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記学習テーブルは、前記チャネル状態に対して前記通信動作としてフレームを送信したときの送信結果に基づいて、前記チャネル状態と前記通信動作と前記通信特性との関係を更新する
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項5】
共用周波数帯上で複数の無線局が送信する無線通信方法において、
前記無線局は、キャリアセンスによりフレームの送信/待機を選択する通信動作選択時に、検出した信号の受信信号強度と帰属セルを含むチャネル状態に対する通信特性を予め学習した学習テーブルを参照し、該チャネル状態に対する通信特性が最大となる通信動作を選択する処理を行う
ことを特徴とする無線通信方法。

【請求項6】
共用周波数帯上で複数の無線局が送信する無線通信方法において、
前記無線局は、キャリアセンスによりフレームの送信/待機と送信する場合の伝送レートを選択する通信動作選択時に、検出した信号の受信信号強度と帰属セルを含むチャネル状態と、送信しようとするフレームのペイロード長とMAC層再送回数に対する通信特性を予め学習した学習テーブルを参照し、該チャネル状態に対する通信特性が最大となる通信動作を選択する処理を行う
ことを特徴とする無線通信方法。

【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の無線通信方法において、
前記通信特性は、フレーム送信を開始するまでに待機した待機時間またはスループットに相当する
ことを特徴とする無線通信方法。

【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の無線通信方法において、
前記学習テーブルは、前記チャネル状態に対して前記通信動作としてフレームを送信したときの送信結果に基づいて、前記チャネル状態と前記通信動作と前記通信特性との関係を更新する
ことを特徴とする無線通信方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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