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配列選択的遺伝子活性制御剤 NEW 外国出願あり

国内特許コード P200016899
整理番号 6151
掲載日 2020年5月14日
出願番号 特願2019-091307
公開番号 特開2019-199471
出願日 令和元年5月14日(2019.5.14)
公開日 令和元年11月21日(2019.11.21)
優先権データ
  • 特願2018-093273 (2018.5.14) JP
発明者
  • 杉山 弘
  • 芹江 和夫
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 配列選択的遺伝子活性制御剤 NEW 外国出願あり
発明の概要 【課題】DNAやヒストンの特定の領域に特定のエピジェネティック修飾を導入する技術を開発すること。
【解決手段】特定のDNA配列を認識するピロール-イミダゾールポリアミドと、ブロモドメイン阻害剤とを含む複合体を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

真核細胞のゲノムDNAは、ヌクレオソームを最小単位とするクロマチンとして核内に収納されている。ヌクレオソームはDNAとヒストンによって構成されており、該ヌクレオソーム構造の反復によってクロマチンが形成されている。クロマチン構造や遺伝子発現は、ヒストンやDNAのエピジェネティック修飾に調節されていると考えられる。

ヒストンにおける主要な翻訳後修飾(posttranslational modification(PTM))の1つとして、リジン残基のアセチル化があり、転写活性化に強く相関する。ヒストンリジン残基のアセチル基修飾は、ヒストンアセチル基転移酵素(histone acetyltransferase(HAT))により導入され、ヒストン脱アセチル化酵素(histone deacetylase(HDAC))によって消去される。アセチル化ヒストンは、一般的にユークロマチンや活性化遺伝子の領域に見られ、2つのメカニズムを介して機能することが知られている。1つは、ヒストンタンパク質の正電荷を減少させて、ヒストンとDNA間の相互作用を弱化し、次いでクロマチン構造を開けることである。もう1つは、アセチル化リジン残基に選択的に結合するブロモドメインを含有するタンパク質によって仲介されるメカニズムである。ヒストンアセチル化の遺伝子座特異的(すなわち、DNA配列特異的)調節は生物学的プロセスにおいて必須であるが、現在、目的の領域でのヒストンアセチル化を調節する技術は非常に限られている。

一方、N-メチルピロールとN-メチルイミダゾールからなるピロール-イミダゾールポリアミド(以下、「PIポリアミド」または「PIP」ともいう)は、合成オリゴマーであり、ヘアピン連結によって対面するピロール(P)およびイミダゾール(I)対により、DNAの副溝に塩基配列選択的に結合可能な化合物である。PIポリアミドは、P/I対がC・G塩基対を、P/P対がA・TまたはT・A塩基対を、I/P対がG・C塩基対を認識し、これにより任意の二重鎖DNA配列に特異的に結合することができる。したがって、様々な順序のP/I対を設計することにより、所望のゲノム上の標的部位へのPIポリアミドのインビボデリバリーが可能になることから、核内のDNAを標的としてさまざまな応用がされてきた。

近年の研究では、強力なHDAC阻害剤であるスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)とコンジュゲートしたPIポリアミドが合成された(非特許文献1、非特許文献2)。また、HATを活性化する化合物であるN-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-エトキシベンズアミド(CTB)とコンジュゲートしたPIポリアミドが合成された(特許文献1)。該SAHA-PIポリアミドコンジュゲートおよびCTB-PIポリアミドコンジュゲートは、標的遺伝子の発現を特異的にアップレギュレートすることが示された。しかしながら、遺伝子活性化のレベルはいまだ一定ではない。

産業上の利用分野

本開示は、特定のDNA配列を認識するピロール-イミダゾールポリアミドおよびブロモドメイン阻害剤を含む複合体(コンジュゲート)、ならびに該複合体を含む生化学的活性制御用組成物、該複合体を含むヒストン修飾制御用組成物、特にヒストンアセチル化誘導組成物、該複合体を含むブロモドメイン含有タンパク質動員(リクルート)組成物、該複合体を用いるヌクレオソームアセチル化方法、および該複合体を用いるブロモドメイン含有タンパク質動員方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
特定のDNA配列を認識するピロール-イミダゾールポリアミドと、ブロモドメイン阻害剤とを含む複合体。

【請求項2】
ブロモドメイン阻害剤がヒストンアセチル基転移酵素、ヒストンメチル基転移酵素、ATP依存性クロマチンリモデリング複合タンパク質、およびBETタンパク質からなる群から選択されるタンパク質が含有するブロモドメインと相互作用する化合物である、請求項1記載の複合体。

【請求項3】
ブロモドメイン阻害剤が、ヒストンアセチル基転移酵素と相互作用する化合物である、請求項2記載の複合体。

【請求項4】
ブロモドメイン阻害剤が、5-イソキサゾリル-ベンゾイミダゾール化合物である、請求項1~3のいずれか1項記載の複合体。

【請求項5】
5-イソキサゾリル-ベンゾイミダゾール化合物が、下記式:
【化1】
(省略)
[式中、
Rは、NHまたはNHCOCHCHCHCOOHであり、
R’は、H、CH、F、Cl、またはNOであり、
R’’は、下記式:
【化2】
(省略)
で表される基であり、
R’’’は、HまたはCHであり、
R’’’’は、HまたはCHであり、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、CHまたはOであり、
Zは、CHまたはOである]
で表される化合物である、請求項4記載の複合体。

【請求項6】
式I:
【化3】
(省略)
または式II:
【化4】
(省略)
で示される、請求項3記載の複合体。

【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の複合体を含む、生化学的活性制御用組成物。

【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項記載の複合体を含む、ヒストン修飾制御用組成物。

【請求項9】
請求項3~6のいずれか1項記載の複合体をヌクレオソームを含む試料に接触させる工程を含む、DNA配列選択的にヌクレオソームをアセチル化する方法。

【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項記載の複合体を含む、ブロモドメイン含有タンパク質動員組成物。

【請求項11】
請求項1~6のいずれか1項記載の複合体を試料に接触させる工程を含む、DNA配列選択的にブロモドメイン含有タンパク質を動員する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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