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キナーゼ基質

国内特許コード P200016911
整理番号 5732
掲載日 2020年5月14日
出願番号 特願2019-517627
出願日 平成30年5月8日(2018.5.8)
国際出願番号 JP2018017726
国際公開番号 WO2018207760
国際出願日 平成30年5月8日(2018.5.8)
国際公開日 平成30年11月15日(2018.11.15)
優先権データ
  • 特願2017-093250 (2017.5.9) JP
発明者
  • 石濱 泰
  • 杉山 直幸
  • 坂本 大
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 キナーゼ基質
発明の概要 各キナーゼに対して特異的且つ高感度にリン酸化されるポリペプチドを提供すること、及びキノームをより高い精度で解析可能な、キナーゼ基質のセットを提供することを課題とし、(a)又は(b)のアミノ酸配列:(a)配列番号1~187及び249~251のいずれかに示されるアミノ酸配列、又は(b)配列番号1~187及び249~251のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、付加又は挿入されたアミノ酸配列、を含み、且つ対象キナーゼに対する反応性が他のキナーゼに対する反応性の2倍以上であるポリペプチド。
従来技術、競合技術の概要

細胞内では様々な機能を発現するために情報を伝達する分子機構が存在し、タンパク質の翻訳後修飾、特にタンパク質のリン酸化はそのシグナル伝達において重要な役割を果たしている。細胞内シグナル伝達機構は多数の分子が連携する複雑なネットワークを形成しており、多くの疾患ではタンパク質リン酸化酵素であるプロテインキナーゼの変異や過剰発現による活性化によるシグナル伝達異常が関与している。

疾患の進行度や細胞種などにより多様に変化するシグナル伝達系全体を把握し、創薬研究や個別化治療を推進するためには、518種存在するとされるヒトキノーム(ヒトキナーゼ総体)の活性を包括的に捉えることが重要である。このような背景から、シグナル伝達に関与するキナーゼ群の活性を計測する手法が開発され使用されている。キナーゼの活性を計測する一般的な方法として、基質となるタンパク質あるいはペプチドを試料中のキナーゼと反応させ、リン酸化された基質を測定することでキナーゼ活性を計測する方法が用いられている(例えば、特許文献1-4)。リン酸化ペプチド又はタンパク質を検出する手段としては、抗リン酸化抗体を用いたELISA、mobility shift assay、ペプチドアレイ、プロテインアレイ、LC-MSなどがある。

しかしながら、これらの方法では細胞抽出物のようなキナーゼ混合試料を使用する場合、基質ペプチドのキナーゼ特異性の低さが問題となり、個々のキナーゼ活性を正確に評価するのは困難である。同様にリン酸化モチーフをターゲットとした抗体も、キナーゼのリン酸化モチーフ自体の特異性が高くないことなら、区別した活性計測が難しいという問題がある。一方、LC-MSを用いたリン酸化プロテオミクスでは一度の分析によって細胞内で起こる大量のリン酸化部位を定量的に解析できるが、どのキナーゼが活性化されたかが不明なため、キナーゼ活性を高精度且つ網羅的に予測するには至っていない。

例えば、特許文献2では、セリンスレオニンキナーゼの一種である分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ(MAPK)類に属するErk2、JNK1、p38αの活性測定用の基質ポリペプチドが報告されているが、同一の配列を有するペプチドがErk2、JNK1、p38αの基質となり得る。そのため、これらのペプチドを用いても、Erk2、JNK1、p38のいずれかの活性を測定しているのか判別できない。

産業上の利用分野

本発明は、キナーゼ基質として利用できるポリペプチド等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記(a)又は(b)のアミノ酸配列:
(a)配列番号1~187及び249~251のいずれかに示されるアミノ酸配列、又は
(b)配列番号1~187及び249~251のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、付加又は挿入されたアミノ酸配列、
を含み、且つ対象キナーゼに対する反応性が他のキナーゼに対する反応性の2倍以上であるポリペプチド。

【請求項2】
前記アミノ酸配列が前記(a)のアミノ酸配列である、請求項1に記載のポリペプチド。

【請求項3】
前記(a)のアミノ酸配列が、下記(a1)のアミノ酸配列:
(a1)配列番号1、13、18、21、23、32、33、78、149、169、171、172、176、及び182のいずれかに示されるアミノ酸配列、
であり、且つ
前記(b)のアミノ酸配列が、下記(b1)のアミノ酸配列:
(b1)配列番号1、13、18、21、23、32、33、78、149、169、171、172、176、及び182のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、付加又は挿入されたアミノ酸配列、
である、請求項1又は2に記載のポリペプチド。

【請求項4】
前記(a)のアミノ酸配列が、下記(a2)のアミノ酸配列:
(a2)配列番号1、12、15、32、39、50、62、63、64、73、77、78、82、83、95、100、103、105、108、130、131、137、142、146、149、161、176、及び187のいずれかに示されるアミノ酸配列、
であり、且つ
前記(b)のアミノ酸配列が、下記(b2)のアミノ酸配列:
(b2)配列番号1、12、15、32、39、50、62、63、64、73、77、78、82、83、95、100、103、105、108、130、131、137、142、146、149、161、176、及び187のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、付加又は挿入されたアミノ酸配列、
である、請求項1又は2に記載のポリペプチド。

【請求項5】
前記(a)のアミノ酸配列が、下記(a3)のアミノ酸配列:
(a3)配列番号249~251のいずれかに示されるアミノ酸配列、
であり、且つ
前記(b)のアミノ酸配列が、下記(b3)のアミノ酸配列:
(b3)配列番号249~251のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、付加又は挿入されたアミノ酸配列、
である、請求項1又は2に記載のポリペプチド。

【請求項6】
前記(b)、(b1)、(b2)、又は(b3)のアミノ酸配列におけるアミノ酸変異が、アミノ酸の置換である、請求項1~5のいずれかに記載のポリペプチド。

【請求項7】
前記(b)、(b1)、(b2)、又は(b3)のアミノ酸配列における置換対象のアミノ酸が、対象キナーゼのコンセンサス配列で特定されるアミノ酸以外のアミノ酸である、請求項6に記載のポリペプチド。

【請求項8】
前記(b)、(b1)、(b2)、又は(b3)のアミノ酸配列における置換後のアミノ酸が、対象キナーゼのPosition Weight Matrixに基づいて決定されたアミノ酸である、請求項6又は7に記載のポリペプチド。

【請求項9】
前記(b)、(b1)、(b2)、又は(b3)のアミノ酸配列における置換後のアミノ酸が、セリン、スレオニン、チロシン、メチオニン、及びシステイン以外のアミノ酸である、請求項6~8のいずれかに記載のポリペプチド。

【請求項10】
構成するアミノ酸数が20以下である、請求項1~9のいずれかに記載のポリペプチド。

【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載のポリペプチドからなる、キナーゼ基質。

【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載のポリペプチド及び固相を含み、且つ前記ポリペプチドが固相に固定されている、キナーゼ基質アレイ。

【請求項13】
請求項11に記載のキナーゼ基質を含有する、キナーゼ活性測定用試薬。

【請求項14】
請求項11に記載のキナーゼ基質及び請求項12に記載のキナーゼ基質アレイからなる群より選択される少なくとも1種を含む、キナーゼ活性測定用キット。

【請求項15】
請求項1~10のいずれかに記載のポリペプチドと被検試料とを接触させる工程を含む、キナーゼ活性測定方法。

【請求項16】
請求項1~10のいずれかに記載のポリペプチドと被検試料とを接触させる工程を含む、被検試料のキノーム解析方法。

【請求項17】
請求項1~10のいずれかに記載のポリペプチドと被検試料とを被検物質の存在下で接触させる工程を含む、被検物質のキナーゼ活性調節能を評価する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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