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細胞質送達ペプチド 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P200016913
整理番号 5685
掲載日 2020年5月14日
出願番号 特願2019-506969
出願日 平成30年3月22日(2018.3.22)
国際出願番号 JP2018011406
国際公開番号 WO2018174158
国際出願日 平成30年3月22日(2018.3.22)
国際公開日 平成30年9月27日(2018.9.27)
優先権データ
  • 特願2017-055508 (2017.3.22) JP
発明者
  • 二木 史朗
  • 坂本 健太郎
  • 秋柴 美沙穂
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 細胞質送達ペプチド 実績あり 外国出願あり
発明の概要 本発明は、下記式(I):
R-IWLTALXFLGXXAAXXXAXQXLSXL-R(I)
(式中、X、X、X、X、X、X、X、X、X、R、Rは、明細書に定義されるとおりである。)
で表されるペプチドを提供するものである。
従来技術、競合技術の概要

タンパク質、核酸の生細胞内への導入は細胞機能の計測・解析や細胞機能の調節に非常に有用なアプローチである。例えば、現在、蛍光タンパク質との融合により、種々の細胞内タンパク質の局在や挙動の観察が行われている。しかし、蛍光タンパク質の融合による細胞内局在や挙動への影響やタンパク質活性への影響は捨てきれず、また、融合タンパク質の細胞内発現量の調節も難しい。従って、これらの厳密な評価においては、複数の方法での検証が望ましい。融合する蛍光タンパク質の蛍光特性にも制約があり、適切な蛍光団で化学標識したタンパク質を細胞内に導入できればこの問題の解決に資する。また、近年、天然タンパク質の認識能を活用した種々のバイオセンサーが開発されてきており(非特許文献1)、細胞内計測への応用が期待されている。しかし、このような化学修飾されたタンパク質を細胞外から細胞内へと導入しようとする際に、細胞外から加えたタンパク質の少なからぬ量がエンドソームに保持され、細胞質へと放出・拡散しないために、これらのタンパク質の細胞内可視化や計測の所望の機能を発揮できない場合が多い。

一方、近年、種々のバイオ高分子医薬品の開発が急速に進んでいる。中でも抗体は非常に高い標的特異性を持つため、低分子医薬品に代わる分子標的薬として世界中で開発が進められている。しかし、一般に抗体は細胞質内に移行しないため、その標的は細胞膜上の受容体もしくは細胞外の疾患関連因子に限られているのが現状である。細胞質中には細胞骨格関連タンパク質や、キナーゼ関連因子など種々の疾病治療に際して標的となりうるものが多い。そのため、高分子の効率的細胞内導入法が確立すれば、抗体医薬の適用範囲は大幅に拡大する。さらにsiRNAなどの核酸(DNA、RNA)、医薬も細胞内導入の目的物質である。

以上により、抗体を始めとする生理活性タンパク質、核酸、医薬を生細胞の細胞質へ効果的に導入する方法の確立が求められている。

エンドソームに内包されたタンパク質や薬物を細胞質に放出する代表的なエンドソーム不安定化ペプチドとして、GALA(非特許文献2)、インフルエンザ・ヘマグルチニンHA2タンパク質由来ペプチド(非特許文献3)などが挙げられる。これらは、pH依存的膜融合ペプチドであり、エンドソーム内のpHが5程度になると膜融合性を発揮し、エンドソーム膜を傷害し、内包物を細胞質に放出するとされる。また、膜透過ペプチドとして知られるHIV-1 TatペプチドとHA2ペプチドの連結体(非特許文献4)なども報告されており、CreとTatの融合タンパク質等の生理活性タンパク質の細胞内導入に用いられた例が報告されている。

また、高い膜傷害性を有するハチ毒メリチンにおいて、塩基性アミノ酸のリジンをpH感受性のマレイン酸誘導体で保護し、エンドソーム内でのpH低下により保護基が脱離することにより、エンドソーム膜を選択的に損傷させ、エンドソーム内包物を細胞質に放出される試みも報告されている(非特許文献5)。

さらに、ポリエチレンイミンなどのポリカチオン性ポリマーのプロトン化の程度がpHの低下に伴い上昇することにより、エンドソームの膨潤を誘起し、内容物(核酸など)を細胞質に放出することが報告されている(プロトンスポンジ効果:非特許文献6)。また種々のpH感受性ポリマーが遺伝子導入に用いられている(特許文献1)。

特許文献2は、抗体をはじめとするタンパク質を生細胞に導入することができるペプチドを開示しているが、その導入効率に改善の余地があった。

産業上の利用分野

本発明は、目的物質を細胞質に送達するためのペプチド、細胞質送達剤及び物質導入剤に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I):
R-IWLTALXFLGXXAAXXXAXQXLSXL-R(I)
(式中、X及びXは、同一又は異なってH又はAを示す。XはE、L-2-aminoadipic acid (Aad) 、2-アミノピメリン酸又は2-アミノスベリン酸を示す。XはQ、L-2-aminoadipic acid (Aad)、2-アミノピメリン酸、2-アミノスベリン酸又はEを示す。X~Xは、同一又は異なって、Lys(K)、Arg(R)、ホモアルギニン、オルニチン、ホモリジン又は2-amino-7-guanidinoheptanoic acidを示す。
但しX=H、X=H、X=E 、X=Q、かつ、X~X=Kの場合を除く、並びに、
=E、かつ、X~X=Kのとき、XとXの一方または両方がAである。 Rは水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。Rは水酸基(OH)、アミノ基(NH2)、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、モノシクロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。)
で表されるペプチド。

【請求項2】
下記の(Ia)~(Ie)のいずれかで表される請求項1に記載のペプチド。
R-IWLTALXFLGXAAAXAEAXQELSXL-R (Ia)
R-IWLTALXFLGXHAAXHXAXQQLSXL-R (Ib)
R-IWLTALXFLGXAAAXAXAXQXLSXL-R (Ic)
R-IWLTALXFLGXAAAXAEAXQQLSXL-R (Id)
R-IWLTALXFLGXHAAXHXAXQXLSXL-R (Ie)
(XはL-2-aminoadipic acid (Aad)、2-アミノピメリン酸又は2-アミノスベリン酸を示し、Rは水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又は目的物質を示す。Rは水酸基(OH)、アミノ基(NH2)、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、モノシクロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。X~Xは、同一又は異なって、Lys(K)、Arg(R)、ホモアルギニン、オルニチン、ホモリジン又は2-amino-7-guanidinoheptanoic acidを示す。)

【請求項3】
下記の(Ia)~(Ic)のいずれかで表される請求項2に記載のペプチド。
R-IWLTALXFLGXAAAXAEAXQELSXL-R (Ia)
R-IWLTALXFLGXHAAXHXAXQQLSXL-R (Ib)
R-IWLTALXFLGXAAAXAXAXQXLSXL-R (Ic)
(XはL-2-aminoadipic acid (Aad)、2-アミノピメリン酸又は2-アミノスベリン酸を示し、Rは水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又は目的物質を示す。Rは水酸基(OH)、アミノ基(NH2)、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、モノシクロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。X~Xは、同一又は異なって、Lys(K)、Arg(R)、ホモアルギニン、オルニチン、ホモリジン又は2-amino-7-guanidinoheptanoic acidを示す。)

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドからなる細胞質送達剤。

【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドをベクターに含む、細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドと目的物質が直接あるいはスペーサーを介して共有結合されてなる、細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドと目的物質が直接、あるいは目的物質と相互作用する他分子を介して非共有結合的な複合体を形成してなる、細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項8】
目的物質をベクターに内包する、請求項5に記載の細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項9】
前記ペプチドがベクターの構成成分に直接又はスペーサーを介して結合されている、請求項5に記載の物質導入剤。

【請求項10】
前記ペプチドと前記ペプチドの標的細胞へ親和性を高める分子とのコンジュゲートを含む、請求項4,5,6又は7に記載の物質導入剤。

【請求項11】
前記ペプチドが目的物質とともにベクターに内包されている、請求項5、8又は9に記載の物質導入剤。

【請求項12】
前記ベクターが、リポソーム、リピッドマイクロスフェア、高分子ミセル、高分子中空キャリア、ナノゲル、高密度リポタンパク質(HDL)、合成ポリマー、自己集合型核酸由来ベクター、ウイルス外殻タンパク質由来ベクター又はナノ粒子である、請求項5、8又は9に記載の物質導入剤。

【請求項13】
ベクターの構成成分がコレステロールあるいはリン脂質であり、前記ベクターがコレステロールあるいはリン脂質と請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドを含む複合体を含む、請求項9に記載の物質導入剤。

【請求項14】
下記式(IA)
R1-(IWLTALXFLGXX1AAXX2X3AXQX4LSXL-Y)n-R2 (IA)
(式中、X及びXは、同一又は異なってH又はAを示す。XはE、L-2-aminoadipic acid (Aad) 、2-アミノピメリン酸又は2-アミノスベリン酸を示す。XはQ、L-2-aminoadipic acid (Aad)、2-アミノピメリン酸、2-アミノスベリン酸又はEを示す。X~Xは、同一又は異なって、Lys(K)、Arg(R)、ホモアルギニン、オルニチン、ホモリジン又は2-amino-7-guanidinoheptanoic acidを示す。
但しX=H、X=H、X=E 、X=Q、かつ、X~X=Kの場合を除く、並びに、
=E、かつ、X~X=Kのとき、XとXの一方または両方がAである。 Rは水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。Rは水酸基(OH)、アミノ基(NH2)、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、モノシクロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。Yは単結合またはスペーサーを示す。nは2,3,4,5,6,7,8,9または10である。)
で表されるペプチド。

【請求項15】
下記式(IB):
Z-(R (IB)
(式中、Zは分岐型の多価リンカーを示し、Rは、同一または異なって、R1-IWLTALX5FLGX6X1AAX7X2X3AX8QX4LSX9L-Y-を示すか、Y-IWLTALX5FLGX6X1AAX7X2X3AX8QX4LSX9L-R2を示す。X及びXは、同一又は異なってH又はAを示す。XはE、L-2-aminoadipic acid (Aad) 、2-アミノピメリン酸又は2-アミノスベリン酸を示す。XはQ、L-2-aminoadipic acid (Aad)、2-アミノピメリン酸、2-アミノスベリン酸又はEを示す。X~Xは、同一又は異なって、Lys(K)、Arg(R)、ホモアルギニン、オルニチン、ホモリジン又は2-amino-7-guanidinoheptanoic acidを示す。
但しX=H、X=H、X=E、X=Q、かつ、X~X=Kの場合を除く、並びに、
=E、かつ、X~X=Kのとき、XとXの一方または両方がAである。 Rは水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。Rは水酸基(OH)、アミノ基(NH2)、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、モノシクロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又は目的物質を示す。Yは単結合またはスペーサーを示す。mは2~8の整数である。)
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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