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SPR測定用基板及びその製造方法

国内特許コード P200016925
整理番号 (S2018-0908-N0)
掲載日 2020年6月3日
出願番号 特願2019-124341
公開番号 特開2020-034543
出願日 令和元年7月3日(2019.7.3)
公開日 令和2年3月5日(2020.3.5)
優先権データ
  • 特願2018-159185 (2018.8.28) JP
発明者
  • 山中 淳平
  • 平嶋 尚英
  • 豊玉 彰子
  • 奥薗 透
  • 青山 柚里奈
  • 内田 文生
  • 瀧口 義浩
出願人
  • 公立大学法人名古屋市立大学
発明の名称 SPR測定用基板及びその製造方法
発明の概要 【課題】金属粒子の配置を制御するための複雑なパターン形成技術を必要とせず、製造が容易であり、且つ、検出感度の高い局在型の表面プラズモンセンサーを構築することのできるSPR測定用基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のSPR測定用基板4の製造方法は、表面が正又は負の電荷を有する絶縁部材1を用意する絶縁部材準備工程(S11)と、絶縁部材の表面電荷と反対符号の電荷を有する金属コロイド粒子からなるコロイド結晶が分散媒に分散した荷電コロイド結晶分散液2を調製するコロイド結晶分散液調製工程(S12)と、絶縁部材に荷電コロイド結晶分散液を接触させて、絶縁部材上に金属コロイド結晶の単層構造を形成させる表面形成工程(S13)を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要

近年、抗原抗体反応を利用した医療用のセンサー等、表面吸着を利用した様々なセンサーが開発されている。これらのセンサーには、表面吸着量を高感度で他の信号に変換するトランスデューサーとしての材料が必要となる。この様なセンサー用材料として、金・銀・白金などの金属に光を照射したとき発現する、金属内の自由電子の集団的振動、すなわち、表面プラズモン共鳴(SPR: Surface Plasmon Resonance)を利用した分光分析が注目されている。この技術の原理は次の通りである。

一般に、光は電子波(plasmon)とはカップリングしないが、金属表面においては表面固有の境界条件により光とカップリングを起こす電子波のモードが生じる。これを表面プラズモン(surface plasmon)と呼ぶ。表面プラズモンを励起する方法としては、金属表面に回折格子を形成して光とプラズモンを結合させる方法や、エバネッセント波を利用する方法がある。表面プラズモン共鳴を利用したセンサーとしては、例えば、全反射型プリズムと、当該プリズムの表面に形成された標的物質に接触する金属膜とからなるセンサーが挙げられる。このような構成により、抗原抗体反応における抗原の微量な吸着量によって表面の誘電率が変化し、これによって表面プラズモン共鳴の波長が変化するため、共鳴波長の変化から抗原の微量な吸着量のセンシングを行うことができる。

ところで、表面プラズモンを生じる共鳴金属表面には伝搬型の表面プラズモンが存在するが、金属粒子において表面プラズモンは粒子の外へ伝搬できず、内部に局在するため、「局在型の表面プラズモン」と呼ばれている。局在型の表面プラズモンが励起された場合には、著しく増強された電場が誘起される場合があることが知られており、これを利用した高感度な局在型プラズモン共鳴センサーが提案されている(特許文献1)。

更には、図1左側の模式斜視図に示すように、金属皮膜上に絶縁性のスペーサーを介在させ、そのスペーサー上に金属粒子を載せたMIM(metal-insulator-metal)型のSPR測定用基板も知られている(非特許文献1)。このMIM型のSPR測定用基板によれば、金属皮膜の伝搬型プラズモンと金属粒子の局在プラズモンの間に「ファノ共鳴」と呼ばれる共鳴現象が生じ(図1右側グラフ参照)、これによって吸収スペクトルピークの形状が、波長変化によって強度が鋭敏に変化するような形状(鋸歯状)になることから、さらに高感度なセンサーを構築することができる。

産業上の利用分野

本発明は、2次元荷電金属コロイド結晶を利用した表面プラズモン共鳴(SPR: Surface Plasmon Resonance)測定用基板、及びその製造方法に関する。ここで、2次元荷電金属コロイド結晶とは、金属粒子が粒子間に働く電気的な反発力によって、粒子間に距離を隔てて平面上に配列した単層の規則配列構造(コロイド結晶)をいう。

特許請求の範囲 【請求項1】
表面が正又は負の電荷を有する絶縁部材を用意する絶縁部材準備工程と、
前記絶縁部材の表面電荷と反対符号の電荷を有する金属コロイド粒子からなるコロイド結晶が分散媒に分散した荷電コロイド結晶分散液を調製するコロイド結晶分散液調製工程と、
前記絶縁部材に前記荷電コロイド結晶分散液を接触させて、前記絶縁部材上に金属コロイド結晶の単層構造を形成させる表面形成工程と、
を備えることを特徴とするSPR測定用基板の製造方法。

【請求項2】
絶縁部材を用意する絶縁部材準備工程と、
前記絶縁部材上に金属コロイド粒子からなるコロイド結晶が分散媒に分散した荷電コロイド結晶分散液からなる液層を形成させる液層形成工程と、
前記液層形成工程後、前記液層の一端側から前記絶縁部材の表面電荷を前記金属コロイド粒子の電荷と反対符号とすることが可能な電荷調製液を拡散させ、前記絶縁部材上に前記金属コロイド結晶の単層構造を成長させる単層構造成長工程と、
を備えることを特徴とするSPR測定用基板の製造方法。

【請求項3】
前記絶縁部材はイオン濃度によって表面電荷が変化する材料からなり、
前記電荷調製液は前記絶縁部材の表面電荷を前記金属コロイド粒子の電荷と反対符号とすることが可能な酸又は塩基であることを特徴とする請求項3に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項4】
前記液層形成工程は、
金属コロイド粒子が分散媒に分散した荷電コロイド分散液を調製する第1液層形成工程と、
前記絶縁部材上に荷電コロイド分散液からなる液層を形成する第2液層形成工程と、
前記第2工程後、前記液層の一端側から前記荷電コロイド分散液をコロイド結晶化することが可能なコロイド結晶化調製液を拡散させる第3液層形成工程と、
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項5】
前記絶縁部材は金属皮膜上に絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載するSPR測定用基板の製造方法。

【請求項6】
前記絶縁部材は高分子からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項7】
前記高分子はポリエチレンイミン及びポリ(2-ビニルピリジン)より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項8】
前記金属コロイド粒子は、解離基を表面に有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項9】
前記金属皮膜は、絶縁基板上に製膜された金属皮膜であることを特徴とする請求項5に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項10】
前記金属皮膜は、膜厚が1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項5又は9に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項11】
前記金属粒子の粒子径の変動係数は20%以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のSPR測定用材料の製造方法。

【請求項12】
前記金属粒子は、平均粒子径が50nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項13】
前記表面形成工程を行う前に、前記絶縁部材をアルカリ処理することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のSPR測定用基板の製造方法。

【請求項14】
絶縁性基板上に金属層と絶縁層とがこの順で構成されており、前記絶縁層上に金属粒子からなる単層の金属コロイド結晶が形成されており、
前記金属粒子の平均粒子径が50nm以上500nm以下であり、前記金属粒子の間隔が50nm以上1000nm以下であることを特徴とするSPR測定用基板。

【請求項15】
前記金属粒子の粒子径の変動係数は20%以下であることを特徴とする請求項14に記載のSPR測定用基板。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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