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QD法電磁ホーン型ESR装置及びこの装置を使用したESRスペクトルの取得方法 NEW

国内特許コード P200016931
整理番号 OU-0324
掲載日 2020年6月11日
出願番号 特願2016-124885
公開番号 特開2017-227570
出願日 平成28年6月23日(2016.6.23)
公開日 平成29年12月28日(2017.12.28)
発明者
  • 小林 正
  • 小野澤 晃
出願人
  • 国立大学法人大分大学
発明の名称 QD法電磁ホーン型ESR装置及びこの装置を使用したESRスペクトルの取得方法 NEW
発明の概要 【課題】周波数掃引電磁ホーンESR装置によって、ESR吸収、分散スペクトルを同時に得る。
【解決手段】QD法電磁ホーン型ESR装置は、周波数掃引が可能なYIGマイクロ波発生器と、YIGマイクロ波発生器から分配されるマイクロ波によって駆動され、内部に試料を収納可能な反射型電磁ホーンと、反射型電磁ホーンに磁場を印加する電磁石と、反射型電磁ホーンから出力されるマイクロ波信号と、マイクロ波発生器からリファレンスアームに分配されたマイクロ波信号とを入力し、互いに90°位相がずれたESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号を生成するQIFM素子と、QIFM素子から出力され適宜増幅されたESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号が導入される情報処理部と、を備え、情報処理部は、ESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号の周波数掃引時の位相のズレを補正するための整合位相角の周波数依存性を記憶している。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 発明者等は、ホモダイン方式電磁ホーン型及び共振器型ESR装置を長年にわたって研究してきた(非特許文献1、特許文献1-4参照)。これらの装置では、導波管長可変方式の位相器によって、一回のESR測定で、試料のESR吸収スペクトルまたはESR分散スペクトル、あるいは位相の揃わない中間的なESRスペクトルをただ一つだけ計測することができるが、ESR吸収及び分散スペクトルを同時に得ることはできない。測定対象によっては、ESR測定中にその物性に変化が生じるものもありえるので、経時的な吸収及び分散スペクトルの測定では、正しいESRスペクトルを得ることができない場合がある。従って、一回のESR測定で、測定対象のESR吸収及び分散スペクトルを同時に得ることが可能なESR装置が求められてきた。

非特許文献2に、QIFM(Quadrature Intermediate Frequency Mixer)素子を用いた共振器型のESR装置によって、吸収・分散スペクトルの同時測定が可能であることが示唆されている。QIFM素子を用いたパルスESR装置としては、特許文献5にも開示がある。しかしながら、非特許文献2および特許文献5に記載されたESR装置はいずれも空洞共振器を用いた共振器型ESR装置であり、従って広い範囲の周波数に対して共鳴周波数を求める周波数掃引ESRスペクトル測定が困難であった。
産業上の利用分野 本発明は、新規なQD法電磁ホーン型ESR(電子スピン共鳴)装置、及びこの装置を使用した新規なESRスペクトルの取得方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
周波数掃引が可能なYIGマイクロ波発生器と、
前記YIGマイクロ波発生器から分配されメインアームを通して入力されるマイクロ波によって駆動され、かつ、内部に試料を収納可能な反射型電磁ホーンと、
前記反射型電磁ホーンに磁場を印加する電磁石と、
前記マイクロ波と前記磁場の印加によって、前記反射型電磁ホーンにおいて発生した前記試料のESR共鳴による電子スピンの反転によりわずかにエネルギーを失って前記反射型電磁ホーンから出力される第1のマイクロ波信号と、前記マイクロ波発生器からリファレンスアームに分配された第2のマイクロ波信号とを入力し、この2つの入力信号から互いに90°位相がずれたESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号を生成するQIFM素子と、
前記QIFM素子から出力され適宜増幅された前記ESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号が導入される情報処理部と、を備え、
前記情報処理部は、前記ESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号の周波数掃引時の位相のズレを補正するための整合位相角の周波数依存性を記憶しており、前記ESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号に前記整合位相角の周波数依存性を適用して、位相の揃った周波数掃引ESR吸収スペクトル及びESR分散スペクトルを生成し出力する機能を備える、QD法電磁ホーン型ESR装置。

【請求項2】
請求項1に記載のQD法電磁ホーン型ESR装置において、
前記情報処理部は、さらに、周波数掃引時の前記YIGマイクロ波発生器と単向管を通しそれに接続した増幅のためのマイクロ波アンプ部の出力のズレの周波数依存性を記憶しており、前記ESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号に前記整合位相角の周波数依存性と前記出力のズレの周波数依存性とを適用して、位相とESR強度の揃った周波数掃引ESR吸収スペクトル及びESR分散スペクトルを生成し出力する機能を備える、QD法電磁ホーン型ESR装置。

【請求項3】
請求項1または2に記載のQD法電磁ホーン型ESR装置において、前記情報処理部は、さらに、前記ESR実部スペクトル信号及びESR虚部スペクトル信号、あるいは位相整合後の前記ESR吸収スペクトル及びESR分散スペクトルからの実部成分と虚部成分から得られるベクトルの大きさの周波数掃引により、ESRパワースペクトルを生成する機能を備える、QD法電磁ホーン型ESR装置。

【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のQD法電磁ホーン型ESR装置において、前記情報処理部はさらに、前記ESR実部あるいは吸収スペクトルとESR虚部あるいは分散スペクトルにフーリエ変換を行った後Harn窓関数またはサインベル窓関数を適用してノイズ低減を行い、その後逆フーリエ変換して、出力のS/N比を改善する機能を備える、QD法電磁ホーン型ESR装置。

【請求項5】
位相補正された周波数掃引ESRスペクトルを得るために、
a)QD法電磁ホーン型ESR装置により、単結晶方解石:Mn2+イオンの周波数掃引によるESR実部スペクトルとESR虚部スペクトルを測定する段階と、
b)前記段階a)で得られた周波数掃引ESR実部スペクトルとESR虚部スペクトルの波形を位相回転させて吸収スペクトルと分散スペクトルを得るための整合位相角を得る段階と、
c)前記段階b)を、複数の周波数における波形に適用して、整合位相角の周波数依存性を求める段階と、
d)前記段階a)の計測時の設定状態及び測定条件を維持して、前記QD法電磁ホーン型ESR装置により他の測定試料のESR測定を行う段階と、
e)前記段階d)で得られた周波数掃引ESR実部スペクトルとESR虚部スペクトルに、前記段階c)で得られた整合位相角の周波数依存性を適用して、周波数掃引ESR吸収スペクトルとESR分散スペクトルを得る段階と、を備える、周波数掃引ESRスペクトルを取得する方法。

【請求項6】
位相及び強度が補正された周波数掃引ESRを得るために、
a)QD法電磁ホーン型ESR装置により、立方晶系で、故に結晶中に添加されたMn2+イオンの6本の許容遷移スペクトルのESR強度が等しいことを利用するために、単結晶MgO:Mn2+イオンの周波数掃引によるESR実部スペクトルとESR虚部スペクトルを測定する段階と、
b)前記段階a)で得られた周波数掃引ESR実部スペクトルとESR虚部スペクトルの波形を位相回転させて吸収スペクトルと分散スペクトルを得るための整合位相角を得る段階と、
c)前記段階b)を複数の周波数点におけるスペクトル波形に適用して、整合位相角の周波数依存性を求める段階と、
d)前記段階b)における複数の周波数点において、ESR実部スペクトルとESR虚部スペクトルから得られるベクトルのノルムに相当する周波数掃引ESRパワースペクトルを得て、ESR強度比の周波数依存性を求める段階と、
e)前記段階a)の計測時の設定状態及び測定条件を維持して、前記QD法電磁ホーン型ESR装置により他の測定試料のESR測定を行う段階と、
f)前記段階e)で得られた周波数掃引ESR実部スペクトルとESR虚部スペクトルに、前記段階c)及びd)で得られた整合位相角の周波数依存性とESR強度比の周波数依存性を適用して、位相及び強度が補正された周波数掃引ESR吸収スペクトルとESR分散スペクトルを得る段階と、を備える、位相及び強度が補正された周波数掃引ESRスペクトルを取得する方法。
画像

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thum_JPA 429227570_i_000002.jpg
出願権利状態 公開
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