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ウシプロカルシトニンを特異的に認識する抗体、その抗原結合断片、および、その使用 UPDATE

国内特許コード P200016957
整理番号 H29-048
掲載日 2020年6月17日
出願番号 特願2018-104153
公開番号 特開2019-210211
出願日 平成30年5月30日(2018.5.30)
公開日 令和元年12月12日(2019.12.12)
発明者
  • 岩田 祐之
  • 渋谷 周作
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 ウシプロカルシトニンを特異的に認識する抗体、その抗原結合断片、および、その使用 UPDATE
発明の概要 【課題】 本発明はウシプロカルシトニン濃度を測定可能な抗体およびそれを用いたウシプロカルシトニンの検出方法の提供を課題とする。
【解決手段】 ウシプロカルシトニンを特異的に認識する抗体またはその抗原結合断片であって、(I)配列番号1に示されるアミノ酸配列における26~96番目のアミノ酸配列内に含まれるエピトープを認識する抗体またはその抗原結合断片、または、(II)配列番号1に示されるアミノ酸配列における87~143番目のアミノ酸配列内に含まれるエピトープを認識する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

敗血症は重篤な全身症状を引き起こす病態であり、迅速な診断が必要とされる。しかし、敗血症の検査所見は非感染性の炎症性疾患(自己免疫疾患、がんなど)と重複する検査所見が多く判別が難しい。そこで敗血症の特異的マーカーの開発が望まれていた。近年、敗血症の特異的マーカーとしてカルシトニン(CT)の前駆タンパク質であるプロカルシトニン(PCT)が注目されている。
通常時においては、PCTは甲状腺のC細胞で産生されるが、細胞内で速やかに切断を受け、N末端のアミノプロカルシトニン、中央部のカルシトニン、C末端側のカタカルシンへと分解され、主に中央部のカルシトニンが血中に放出される。一方、敗血症時には細菌のリゾホスファチジルコリン(LPS)や、炎症時に増加するIL-1β、TNF-αなどのサイトカインの働きにより、PCTは全身の細胞において産生され、切断を受けずにPCTの全長の形を留めたまま血中に分泌される。
このように敗血症時にはPCTの血中濃度が急激に上昇し、長期間にわたってPCTの血中濃度が維持される。また、非感染性の炎症疾患やウイルス感染時にはPCTの血中濃度に変化が生じないため、敗血症に対して特異性が高いという利点を有する(非特許文献1)。

ハムスターやブタを用いた動物実験において、敗血症罹患時に抗PCT血清を投与することで死亡率が低下したことから(非特許文献2~4)、敗血症時に産生されたPCTが敗血症を悪化させると考えられる。このことから、PCT濃度の測定は敗血症の罹患の診断および予後判定の指標として有用である可能性がある。

血中のPCTを特異的に検出するためには、通常時には血中に分泌されないPCTのN末端領域とC末端領域とに特異的な抗体を用いて検出すれば良いと考えられる。しかし、N末端領域またはC末端領域のどちらか片方に当たる抗体を用いて検出することは不十分である。なぜならこの場合には、全長PCTだけでなく、N末端のアミノプロカルシトニンまたはC末端のカタカルシンも認識してしまうことになり、正しいPCT濃度が得られないためである。

これまでにPCTを検出するための抗体がいくつか報告されている。例えば、特許文献1には、ヒトPCT(シグナル配列を除く116残基)のN末端側にある25~37番目アミノ酸領域と、C末端側にある53~116番目アミノ酸領域に対して結合するモノクローナル抗体を用いて、サンドイッチ法によりヒトPCTを検出する方法を開示する。また、例えば非特許文献5は、N末端側にある3~21番目のアミノ酸領域と、C末端側にある99~109番目のアミノ酸領域に結合するモノクローナル抗体を用いて、サンドイッチ法によりヒトPCTを検出する方法を開示する。

産業上の利用分野

本発明は、ウシプロカルシトニンを特異的に認識する抗体、その抗原結合断片、および、その使用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ウシプロカルシトニンを特異的に認識する抗体またはその抗原結合断片であって、
(I)配列番号1に示されるアミノ酸配列における26~96番目のアミノ酸配列内に含まれるエピトープを認識する抗体またはその抗原結合断片、または、
(II)配列番号1に示されるアミノ酸配列における87~143番目のアミノ酸配列内に含まれるエピトープを認識する抗体またはその抗原結合断片。

【請求項2】
請求項1に記載の抗体またはその抗原結合断片であって、
前記(I)の抗体またはその抗原結合断片が、受領番号NITE AP-02715として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片であり、
前記(II)の抗体またはその抗原結合断片が、以下(i)~(iv)のいずれかである抗体またはその抗原結合断片:
(i)受領番号NITE AP-02711として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片、
(ii)受領番号NITE AP-02712として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片、
(iii)受領番号NITE AP-02713として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片、または、
(iv)受領番号NITE AP-02714として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片。

【請求項3】
ウシプロカルシトニンを特異的に認識する抗体またはその抗原結合断片の組み合わせであって、
請求項1または2に記載の(I)の抗体またはその抗原結合断片と(II)の抗体またはその抗原結合断片とを含む、抗体またはその抗原結合断片の組み合わせ。

【請求項4】
ウシプロカルシトニン検出用キットであって、請求項3に記載の抗体またはその抗原結合断片の組み合わせを含む、キット。

【請求項5】
敗血症の罹患の可能性または予後の状態の診断を補助するための、請求項4に記載のキット。

【請求項6】
受領番号NITE AP-02715、受領番号NITE AP-02711、受領番号NITE AP-02712、受領番号NITE AP-02713、または、受領番号NITE AP-02714として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマ。

【請求項7】
試料に含まれるウシプロカルシトニンを検出する方法であって、
(ア)前記試料に含まれるウシプロカルシトニンと下記(I)および(II)の抗体またはその抗原結合断片とを接触させる工程と:
(I)配列番号1に示されるアミノ酸配列における26~96番目のアミノ酸配列内に含まれるエピトープを認識する抗体またはその抗原結合断片、
(II)配列番号1に示されるアミノ酸配列における87~143番目のアミノ酸配列内に含まれるエピトープを認識する抗体またはその抗原結合断片、
(イ)前記試料に含まれるウシプロカルシトニンへの抗体またはその抗原結合断片の結合を検出する工程と
を含む検出方法。

【請求項8】
請求項7に記載の検出方法であって、
前記(I)の抗体またはその抗原結合断片が、受領番号NITE AP-02715として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片であり、
前記(II)の抗体またはその抗原結合断片が、以下(i)~(iv)のいずれかである検出方法:
(i)受領番号NITE AP-02711として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片、
(ii)受領番号NITE AP-02712として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片、
(iii)受領番号NITE AP-02713として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片、または、
(iv)受領番号NITE AP-02714として独立行政法人製品評価技術基盤機構に平成30年5月16日付けで寄託されたハイブリドーマにより産生される抗体またはその抗原結合断片。

【請求項9】
請求項7または8に記載の検出方法であって、
サンドイッチELISA法により前記ウシプロカルシトニンを検出する、検出方法。

【請求項10】
被験体における敗血症の罹患の可能性または予後の状態の診断を補助する方法であって、
請求項7~9のいずれか一項の検出方法を用いて、被験体の体液由来の試料に含まれるプロカルシトニン濃度を定量的に測定する工程と
測定したプロカルシトニン濃度値に基づき敗血症の罹患の可能性または予後の状態の診断を補助する工程と、を含む方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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