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MHCクラスII拘束性エピトープペプチドを含有する免疫増強剤 新技術説明会

国内特許コード P200016982
整理番号 P18-023
掲載日 2020年6月25日
出願番号 特願2019-048878
公開番号 特開2020-147551
出願日 平成31年3月15日(2019.3.15)
公開日 令和2年9月17日(2020.9.17)
発明者
  • 玉井 利克
  • 水腰 英四郎
  • 金子 周一
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 MHCクラスII拘束性エピトープペプチドを含有する免疫増強剤 新技術説明会
発明の概要 【課題】癌の免疫療法として期待されるペプチドワクチン療法において、従来のMHC クラスI分子を介した細胞傷害性T細胞(CTL)による免疫機構のみでは、腫瘍特異的免疫応答による抗腫瘍効果が不十分であり得るため、新たな治療方法として、MHC クラスII分子を標的とする手段を提供する。
【解決手段】HLA-DRB1*0405、HLA-DRB1*0901、及び/又はHLA-DRB1*1502から選択されるクラスII HLA分子を発現する癌患者の治療において使用するための免疫増強剤であって、配列番号1、2又は10で示されるアミノ酸配列において19個又は20個の連続アミノ酸からなるペプチドの1種以上を有効成分として含有する、免疫増強剤を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

近年、癌の治療として、外科療法、化学療法、放射線療法に次ぐ第4の治療法として、腫瘍抗原に対する免疫反応を利用した免疫療法が試みられている。癌の免疫療法には、サイトカイン療法、抗体療法、細胞療法、ペプチドワクチン療法、遺伝子療法など様々な方法があるが、安全性や効果の問題から臨床応用に至っているものは少ない。

このうち、ペプチドワクチン療法は、腫瘍抗原やそのエピトープ部分をアジュバントとともに投与することにより、細胞性免疫と体液性免疫の両方を誘導するもので、簡便さと安全性から多くの国で臨床応用が進められている。また、腫瘍抗原又はそのエピトープで活性化された樹状細胞を用いる樹状細胞ワクチンの開発も進められている。

免疫系による抗腫瘍作用には、主要組織適合遺伝子複合体(Major Histocompatibility Complex、MHC)分子を介した、腫瘍抗原の提示が不可欠である。ヒトにおけるMHCはヒト白血球型抗原(Human Leukocyte Antigen、HLA)と呼ばれている。

MHCは細胞表面に存在し、大きくクラスIとクラスIIに分類される。クラスI分子はほとんど全ての細胞表面に存在し、CD8陽性T細胞に抗原を提示して細胞障害性T細胞へと活性化させることが知られている。一方、クラスII分子はマクロファージ、単球、樹状細胞等の細胞表面に存在し、CD4陽性T細胞に抗原を提示してヘルパーT細胞へと活性化させる。MHCは遺伝的多型に富み、その個体差が免疫応答の個体差を規定する。

内在性の腫瘍細胞は、抗原提示細胞に捕食された後、断片化された腫瘍抗原ペプチドがMHC分子と複合体を形成してT細胞に提示される。一方、外来性の腫瘍抗原ペプチドは細胞内プロセシングを受けることなくMHC分子に直接結合し、T細胞に提示される。

一方、腫瘍において高発現され、従って腫瘍マーカーとして用いられると共に、治療標的としても考えられるタンパク質の一つとして、肝細胞癌特異抗原であるα-フェトタンパク質(α-fetoprotein、AFP)が知られている。AFPは、特に肝細胞癌(Hepatocellular carcinoma、HCC)での発現が知られている。

本発明者等のグループはこれまでに、MHCクラスI A24(HLA-A24)分子を発現する個体において特に有効なMHCクラスI拘束性の腫瘍抗原ペプチドを見出し、該ペプチド又は該ペプチドを提示する樹状細胞等の抗原提示細胞をHLA-A24陽性癌患者の免疫療法に利用することができることを報告している(特許文献1、非特許文献1)。
一方、CD4陽性T細胞の応答性を高めるAFP由来ペプチドについても報告されている(非特許文献2及び3)。

産業上の利用分野

本発明は、MHCクラスII拘束性エピトープペプチドを用いた免疫療法に関し、より具体的には、特定のクラスII HLA分子を発現する癌患者の治療におけるMHCクラスII拘束性エピトープペプチドの使用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
HLA-DRB1*0405、HLA-DRB1*0901、及び/又はHLA-DRB1*1502から選択されるクラスII HLA分子を発現する癌患者の治療において使用するための免疫増強剤であって、配列番号1、2又は10で示されるアミノ酸配列において19個又は20個の連続アミノ酸からなるペプチドの1種以上を有効成分として含有する、免疫増強剤。

【請求項2】
ペプチドが、配列番号1、2又は10に示すアミノ酸配列からなるペプチドから選択される、請求項1記載の免疫増強剤。

【請求項3】
HLA-DRB1*0405、HLA-DRB1*0901、及び/又はHLA-DRB1*1502から選択されるクラスII HLA分子を発現する癌患者由来の樹状細胞をex vivoで刺激するための、請求項1又は2記載の免疫増強剤。

【請求項4】
HLA-DRB1*0405、HLA-DRB1*0901、及び/又はHLA-DRB1*1502から選択されるクラスII HLA分子を発現する癌患者由来の樹状細胞のex vivoにおける活性化方法であって、該樹状細胞を、配列番号1、2又は10で示されるアミノ酸配列において19個又は20個の連続アミノ酸からなるペプチドの1種以上と共に培養することを含む、上記方法。

【請求項5】
請求項4記載の方法によって得られる、ex vivoにおいて活性化された樹状細胞。

【請求項6】
配列番号1、2又は10で示されるアミノ酸配列において19個又は20個の連続アミノ酸からなるペプチドに特異的に結合し得る抗体。

【請求項7】
1種以上のHLA-A24拘束性の腫瘍抗原ペプチドと組み合わせて投与される、請求項1若しくは2記載の免疫増強剤又は請求項5記載の樹状細胞。

【請求項8】
HLA-A24拘束性の腫瘍抗原ペプチドが、配列番号16、19又は29のいずれかで示されるペプチドから選択される、請求項7記載の免疫増強剤又は樹状細胞。

【請求項9】
HLA-A24拘束性の腫瘍抗原ペプチドを提示する樹状細胞と組み合わせて投与される、請求項1~3のいずれか1項記載の免疫増強剤。

【請求項10】
HLA-A24拘束性の腫瘍抗原ペプチドが、配列番号16、19又は29のいずれかで示されるペプチドから選択される、請求項9記載の免疫増強剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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