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含フッ素多環芳香族化合物とその製造方法、並びに前記含フッ素多環芳香族化合物を用いる有機薄膜トランジスタ、太陽電池、電子写真感光体及び有機発光素子の製造方法 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P200017014
整理番号 (S2018-1019-N0)
掲載日 2020年7月8日
出願番号 特願2019-169266
公開番号 特開2020-070289
出願日 令和元年9月18日(2019.9.18)
公開日 令和2年5月7日(2020.5.7)
優先権データ
  • 特願2018-174910 (2018.9.19) JP
発明者
  • 吾郷 友宏
  • 鈴木 晟眞
  • 菅野 康徳
  • 福元 博基
  • 久保田 俊夫
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 含フッ素多環芳香族化合物とその製造方法、並びに前記含フッ素多環芳香族化合物を用いる有機薄膜トランジスタ、太陽電池、電子写真感光体及び有機発光素子の製造方法 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】種々構造式と特性を有する含フッ素のペンタセン及びナフタロシアニンの新規化合物、及びこれらの容易で高収率な製造方法、及びそれを用いる有機薄膜トランジスタ、太陽電池、電子写真感光体及び有機発光素子の製造方法の提供。
【解決手段】3環以上の共役系多環芳香族基で両末端に位置する芳香族基の少なくとも一つがパーフルオロアルキル基核置換の含フッ素多環芳香族化合物、及び反応中間体の下式化合物の使用を特徴とする製造方法。
(式省略)
[式中、X1-2、Y1-2、Z1-2は特定の基。]
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

ナフタセン及びペンタセン等のアセン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアン化合物等の芳香族多環化合物は、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機太陽電池等の有機エレクトロニクス材料、電子写真感光体等の表示材料、又は高分子機能材料といった広い分野に使用することができ、これらの分野において様々な素子又はデバイスへの適用が検討されている。

これら多環芳香族化合物は、分子内にフッ素元素を導入することにより新たな機能や特性を付与することができる。例えば、特許文献1及び2には、n型の有機半導体材料として高い電子移動度を有するフッ素化アセン化合物(テトラデカフルオロペンタセン、テトラデカフルオロナフタセン、又は分子骨格内に導入するフッ素原子の数がテトラデカフルオロペンタセンよりも少ない各種のペンタセン)が提案されている。

また、特許文献3には、溶媒への溶解性の向上を図るため、パーフルオロアルキル基を分子骨格内に導入したペンタセンが提案されている。パーフルオロアルキル基含有ペンタセンの製造方法については非特許文献1にも開示されている。また、ペンタセン化合物はシリルエチニル置換することにより有機溶媒への溶解性の向上を図ることができるため、その例としてフッ素化シリルエチニルペンタセン化合物が開示されている(例えば、特許文献4を参照)。

一方、フタロシアニン化合物又はナフタロシアン化合物は、それぞれ近赤外線領域に最大吸光度を有することから、電子写真感光体の電荷発生層、色素増感型太陽電池、光吸収フィルタ又は熱線遮蔽中間膜等に適用されている。それらの中で、有機溶媒中での調整が容易であるフッ素化フタロシアニン化合物、又は有機溶媒や樹脂に対する溶解性が良好なフッ素化ナフタロシアン化合物が、それぞれ特許文献5又は6に提案されている。前記特許文献6には、フッ素化ナフタロシアン化合物を合成するときに使用する反応中間体として、フッ素原子、又はフッ素原子若しくはフッ素原子を含むアルキル基で核置換されたアリール基を有するナフタレン-2,3-ジカルボニトリル化合物を使用することが記載されている。

また、非特許文献2には、複数のトリフルオロメチル基を骨格内に導入した含フッ素フタロシアンの製造方法が開示されている。

産業上の利用分野

本発明は、含フッ素ペンタセン化合物及び含フッ素ナフタロシアニン化合物として新規な化学構造を有し、様々な物性と特性を向上することができる含フッ素多環芳香族化合物、及び少ない工数で容易に合成することができる含フッ素多環芳香族化合物の製造方法、並びに該含フッ素多環芳香族化合物を用いる有機薄膜トランジスタ、太陽電池、電子写真感光体及び有機発光素子の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
3環以上の共役系多環芳香族基を有し、前記共役系多環芳香族基の両末端に位置する芳香族基の少なくとも一つがパーフルオロアルキル基で核置換された含フッ素多環芳香族化合物であって、
下記(1)式、下記(2)式、下記(3)式、及び下記(4)式のいずれかで表される含フッ素多環芳香族化合物。
【化1】
(省略)
【化2】
(省略)
【化3】
(省略)
【化4】
(省略)
[式中、Mは2個の水素原子、2価の金属、又は3価若しくは4価の金属若しくは半金属の誘導体を示し、X及びXは、それぞれ独立にパーフルオロアルキル基であり、X及びXは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、フッ素化若しくはパーフルオロ化されてもよいアルキル基、フッ素化されないアルキル基、又はフッ素化されないフェニル基である。Y及びYは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、含フッ素アルキル基、下記(1a)式で表される置換基、下記(1b)式で表されるフェニル基、置換若しくは無置換の縮合多環芳香族基、又は置換若しくは無置換の芳香族複素環基である。Z及びZは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、含フッ素アルキル基、下記(1a)式で表される置換基、下記(1b)で表されるフェニル基、置換若しくは無置換の縮合多環芳香族基、又は置換若しくは無置換の芳香族複素環基である。R、R、Rは、それぞれ独立に水素、フッ素、塩素、フッ素化されていない直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、フッ素化又はパーフルオロ化されてもよい直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、フッ素化又はパーフルオロ化されてもよいアリール基である。]
【化5】
(省略)
[式中、A、A及びAは、アルキル基、フェニル基、又は含フッ素アルキル基である。]
【化6】
(省略)
[式中、B、B、B、B及びBは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、第3級アルキル基、含フッ素第3級アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、エステル置換基、アミド置換基、又はフェニル基である。]

【請求項2】
請求項1に記載の含フッ素多環芳香族化合物が、前記一般式(1)又は前記一般式(2)で表される化合物であり、且つ、前記X及びXが、それぞれ独立に、-CF、-C、-C13、-C17、及び-C1021の群から選ばれるいずれか1つのパーフルオロアルキル基であることを特徴とする含フッ素多環芳香族化合物。

【請求項3】
請求項1に記載の含フッ素多環芳香族化合物が、前記一般式(3)又は前記一般式(4)で表される化合物であり、且つ、前記X及びXが、それぞれ独立に、-CF、-C、-C13、-C17、及び-C1021のいずれかのパーフルオロアルキル基であり、前記X及びXが、それぞれ独立に水素原子又は-CF、-C、-C13、-C17、及び-C1021の群から選ばれるいずれか1つのパーフルオロアルキル基であることを特徴とする含フッ素多環芳香族化合物。

【請求項4】
含フッ素ペンタセン化合物及び含フッ素ナフタロシアニン化合物の合成において、反応中間体として下記(5)式で表される含フッ素単環芳香族化合物を使用することを特徴とする含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。
【化7】
(省略)
[式中、X及びXは、それぞれ独立にフッ素原子又は含フッ素アルキル基であり、Y及びYは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、含フッ素アルキル基、下記(5a)式で表される置換基、下記(5b)式で示すフェニル基、置換若しくは無置換の縮合多環芳香族基、又は置換若しくは無置換の芳香族複素環基である。Z及びZは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、含フッ素アルキル基、下記(1a)式で表される置換基、下記(5b)で表されるフェニル基、置換若しくは無置換の縮合多環芳香族基、又は置換若しくは無置換の芳香族複素環基である。]
【化8】
(省略)
[式中、A、A及びAは、それぞれ独立にアルキル基、フェニル基、又は含フッ素アルキル基である。]
【化9】
(省略)
[式中、B、B、B、B及びBは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、第3級アルキル基、含フッ素第3級アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、エステル置換基、アミド置換基、又はフェニル基である。]

【請求項5】
前記X及びXは、それぞれ独立にフッ素原子又は含フッ素アルキル基であり、
前記Y及びYは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、パーフルオロアルキル基、前記A、A及びAがそれぞれ独立にアルキル基若しくはパーフルオロアルキルアルキル基である前記(5a)で示す置換基、又は前記B、B、B、B、及びBがそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、若しくはパーフルオロアルキル基である前記(5b)で示すフェニル基であり、
前記Z及びZは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、第3級アルキル基、パーフルオロアルキル基、前記A、A及びAがそれぞれ独立にアルキル基、若しくはパーフルオロアルキルアルキル基である前記(5a)式で示す置換基、又は前記B、B、B、B、及びBがそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、若しくはパーフルオロアルキル基である前記(5b)式で示すフェニル基であることを特徴とする請求項4に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項6】
前記含フッ素単環芳香族化合物が、下記(6)式又は式(7)で表される化合物を用いて、臭素(Br)又はヨウ素(I)が核置換された位置に前記X及びXの置換基を導入することにより下記(8)式で表される化合物を合成する工程、及び下記(8)式で表される化合物のW及びWの置換基において単環芳香環と化学結合する炭素に結合する2つの水素原子を臭素化する工程、を有する合成方法によって製造されることを特徴する請求項4又は5に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。
【化10】
(省略)
【化11】
(省略)
【化12】
(省略)
[式中、Y、Y、X及びXは、前記と同じ置換基であり、W、Wは、それぞれ独立にメチル基、又はメチル基の1つの水素原子が前記Z,Zで置換される基である。]

【請求項7】
前記含フッ素単環芳香族化合物が、前記(6)式で表される化合物を用いて、臭素(Br)が核置換された位置に前記X及びXの置換基を導入することにより前記(8)式で表される化合物を合成する工程、及び前記(8)式で表される化合物のW及びWの置換基において単環芳香環と化学結合する炭素に結合する2つの水素原子を臭素化する工程、を有する合成方法によって製造されることを特徴する請求項6に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項8】
前記X及びXが、それぞれ独立にフッ素原子又はパーフルオロアルキル基であることを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項9】
前記Y及びYが、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基であることを特徴とする請求項8に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項10】
前記Z及びZが、水素原子であることを特徴とする請求項9に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項11】
前記含フッ素単環芳香族化合物と、フマロニトリルまたはマレオニトリルとのディールス・アルダー環化付加反応を行い、引き続いて環化四量化又は環化三量化の反応を行うことで含フッ素ナフタロシアニン化合物を製造することを特徴とする請求項4~10のいずれか一項に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項12】
前記含フッ素単環芳香族化合物と、パラ-ベンゾキノンとのディールス・アルダー環化付加反応によって酸素原子が含まれる含フッ素多環芳香族化合物を合成する工程、及び前記酸素原子が含まれる含フッ素多環芳香族化合物をシリルエチニル化した後、還元することによって含フッ素シリルエチニルペンタセン化合物を合成する工程、を有することを特徴とする請求項4~10のいずれか一項に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項13】
前記含フッ素単環芳香族化合物と、パラ-ベンゾキノンとのディールス・アルダー環化付加反応によって酸素原子が含まれる含フッ素多環芳香族化合物を合成する工程、及び前記酸素原子が含まれる含フッ素多環芳香族化合物を還元することによって含フッ素ペンタセン化合物を合成する工程、を有することを特徴とする請求項4~10のいずれか一項に記載の含フッ素多環芳香族化合物の製造方法。

【請求項14】
請求項11~13のいずれか一項に記載の製造方法によって製造される含フッ素多環芳香族化合物を、有機半導体材料として用いることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。

【請求項15】
請求項11~13のいずれか一項に記載の製造方法によって製造される含フッ素多環芳香族化合物を、電子輸送層、陰極側バッファ層、又は中間電極に接するバッファ層に含まれる電子移動材料として用いることを特徴とする太陽電池の製造方法。

【請求項16】
請求項11に記載の製造方法によって製造される含フッ素多環芳香族化合物を、電荷発生層に含まれる電荷発生材料として用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

【請求項17】
請求項11に記載の製造方法によって製造される含フッ素多環芳香族化合物を、発光層に含まれる発光材料として用いることを特徴とする有機発光素子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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