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樹状細胞の成熟抑制剤及び成熟抑制方法、並びに医薬組成物

国内特許コード P200017062
整理番号 S2019-0026-N0
掲載日 2020年7月28日
出願番号 特願2018-194614
公開番号 特開2020-063198
出願日 平成30年10月15日(2018.10.15)
公開日 令和2年4月23日(2020.4.23)
発明者
  • 岩倉 洋一郎
  • 矢部 力朗
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 樹状細胞の成熟抑制剤及び成熟抑制方法、並びに医薬組成物
発明の概要 【課題】樹状細胞の成熟を抑制することが可能な新規な樹状細胞の成熟抑制剤、その成熟抑制剤を用いた樹状細胞の成熟抑制方法、その成熟抑制剤を有効成分として含有する医薬組成物、樹状細胞の成熟抑制剤のスクリーニング方法、及び樹状細胞が仲介する疾患の治療成分のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る樹状細胞の成熟抑制剤は、TARM1タンパク質とコラーゲンタンパク質との結合を阻害することにより、樹状細胞の成熟を抑制する。樹状細胞の成熟抑制剤としては、例えば、TARM1タンパク質のコラーゲン結合ドメインに結合することにより、TARM1タンパク質とコラーゲンタンパク質との結合を阻害する分子;コラーゲンタンパク質に結合することにより、TARM1タンパク質とコラーゲンタンパク質との結合を阻害する分子;等が挙げられる。
【選択図】図5A
従来技術、競合技術の概要

樹状細胞やマクロファージ等の抗原提示細胞は、様々な共刺激受容体を発現している。共刺激受容体は、MHCクラスI分子及びMHCクラスII分子とT細胞受容体との相互作用と協同的にT細胞に活性化シグナルを伝達し、獲得免疫応答を活性化する。また、共刺激受容体は、T細胞の不応答を誘導する抑制シグナルも伝達する。この正及び負のシグナルは、受容体とリガンドとの相互作用によって精緻にコントロールされている。このため、抗原提示細胞の受容体-リガンド軸によって適切なシグナルが伝達されることは、T細胞を介した免疫応答の制御にとって極めて重要である。例えば、関節リウマチ等の自己免疫疾患には、共刺激シグナルの低下が密接に関係している。

白血球免疫グロブリン様受容体(LILR)ファミリーには、数多くの免疫グロブリン様受容体が含まれる。一部の免疫グロブリン様受容体は、樹状細胞やマクロファージ等の骨髄系細胞に発現しており、免疫細胞への共刺激を仲介している。過去の幾つかの報告では、LILRファミリーの遺伝子が自己免疫疾患に密接に関与していることが示唆されている。

最近になり、LILRファミリーの白血球受容体複合体の領域にコードされる免疫グロブリン様受容体として、TARM1(T cell-interacting, activating receptor on myeloid cells-1)が同定された(非特許文献1参照)。TARM1は、2つの細胞外免疫グロブリン様ドメイン、膜貫通ドメイン、及び典型的なシグナルモチーフを持たない短い細胞質ドメインから構成され、ITAM(Immunoreceptor tyrosine-based activation motif)を有するアダプター分子であるFcRγ鎖と特異的に会合する。アミノ酸配列解析の結果、TARM1は、ヒト単球由来樹状細胞やマウス破骨細胞の共刺激を仲介するOSCAR(Osteoclast-associated receptor)との相同性が高いことが判明している。TARM1は、Toll様受容体(TLR)リガンドの存在下、抗TARM1モノクローナル抗体で架橋することにより、マクロファージ及び好中球からのTNF-α及びIL-6の産生を促進する。また、TARM1遺伝子の発現は、LPS(lipopolysaccharide)等の炎症刺激により亢進する。

特許文献1には、樹状細胞にTARM(TARM1等)が発現していること、炎症刺激によりTARMの発現が亢進すること、TARMを介して樹状細胞とT細胞とが接着すること、抗TARM抗体により樹状細胞とT細胞との接着が抑制されること、抗TARM抗体がコラーゲン誘導性関節炎(CIA)に対する治療効果を有すること等が記載されている。しかし、TARM1と樹状細胞の成熟との関係については従来知られていない。

産業上の利用分野

本発明は、樹状細胞の成熟抑制剤及び成熟抑制方法、医薬組成物、並びに樹状細胞の成熟抑制剤又は樹状細胞が仲介する疾患の治療成分のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
TARM1タンパク質とコラーゲンタンパク質との結合を阻害することにより、樹状細胞の成熟を抑制する樹状細胞の成熟抑制剤。

【請求項2】
TARM1タンパク質のコラーゲン結合ドメイン又はコラーゲンタンパク質に結合する請求項1に記載の樹状細胞の成熟抑制剤。

【請求項3】
TARM1タンパク質のコラーゲン結合ドメイン若しくはコラーゲンタンパク質に結合する抗体又はその機能的断片である請求項2に記載の樹状細胞の成熟抑制剤。

【請求項4】
TARM1タンパク質若しくはコラーゲンタンパク質又はそれらの機能的等価物である請求項2に記載の樹状細胞の成熟抑制剤。

【請求項5】
下記(a)~(d)のいずれかのポリペプチド、又は該ポリペプチドとIgGのFc領域との融合タンパク質である請求項4に記載の樹状細胞の成熟抑制剤。
(a)配列番号2に示すアミノ酸配列において、N末端から27番目~120番目又は124番目~219番目のアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド。
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列において、N末端から27番目~120番目又は124番目~218番目のアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド。
(c)前記(a)又は(b)のポリペプチドのアミノ酸配列において、1個又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、コラーゲンタンパク質への結合能を有するポリペプチド。
(d)前記(a)又は(b)のポリペプチドのアミノ酸配列に対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、コラーゲンタンパク質への結合能を有するポリペプチド。

【請求項6】
コラーゲンポリペプチド、コラーゲン様ドメインを含むポリペプチド、又はコラーゲンポリペプチド若しくはコラーゲン様ドメインを含むポリペプチドとIgGのFc領域との融合タンパク質である請求項4に記載の樹状細胞の成熟抑制剤。

【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の樹状細胞の成熟抑制剤を未成熟樹状細胞に接触させることを含む樹状細胞の成熟抑制方法。

【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の樹状細胞の成熟抑制剤を有効成分として含有し、樹状細胞が仲介する疾患の治療に用いられる医薬組成物。

【請求項9】
関節リウマチの治療に用いられる請求項8に記載の医薬組成物。

【請求項10】
被験物質の存在下及び非存在下において、下記(a)~(d)のいずれかのポリペプチドとコラーゲンタンパク質との結合活性を測定する工程と、
前記被験物質の存在下における前記結合活性が前記被験物質の非存在下における前記結合活性よりも低い場合に、該被験物質を樹状細胞の成熟抑制剤の候補として選択する工程と、
を含むスクリーニング方法。
(a)配列番号2に示すアミノ酸配列のうち、N末端から27番目~120番目又は124番目~219番目のアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド。
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列のうち、N末端から27番目~120番目又は124番目~218番目のアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド。
(c)前記(a)又は(b)のポリペプチドのアミノ酸配列のうち、1個又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、コラーゲンタンパク質への結合能を有するポリペプチド。
(d)前記(a)又は(b)のポリペプチドのアミノ酸配列に対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、コラーゲンタンパク質への結合能を有するポリペプチド。

【請求項11】
被験物質の存在下及び非存在下において、下記(a)~(d)のいずれかのポリペプチドとコラーゲンタンパク質との結合活性を測定する工程と、
前記被験物質の存在下における前記結合活性が前記被験物質の非存在下における前記結合活性よりも低い場合に、該被験物質を樹状細胞が仲介する疾患の治療成分の候補として選択する工程と、
を含むスクリーニング方法。
(a)配列番号2に示すアミノ酸配列のうち、N末端から27番目~120番目又は124番目~219番目のアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド。
(b)配列番号4に示すアミノ酸配列のうち、N末端から27番目~120番目又は124番目~218番目のアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド。
(c)前記(a)又は(b)のポリペプチドのアミノ酸配列のうち、1個又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、コラーゲンタンパク質への結合能を有するポリペプチド。
(d)前記(a)又は(b)のポリペプチドのアミノ酸配列に対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、コラーゲンタンパク質への結合能を有するポリペプチド。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018194614thum.jpg
出願権利状態 公開
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