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節足動物の給餌装置及び給餌方法 NEW 新技術説明会

国内特許コード P200017063
整理番号 (S2019-0040-N0,180057JP01)
掲載日 2020年7月28日
出願番号 特願2019-190196
公開番号 特開2020-065548
出願日 令和元年10月17日(2019.10.17)
公開日 令和2年4月30日(2020.4.30)
優先権データ
  • 特願2018-197157 (2018.10.19) JP
発明者
  • 鈴木 丈詞
  • ガジイ ノルエディン アブルハドル
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 節足動物の給餌装置及び給餌方法 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】吸汁型の口器を有する節足動物に適用することができ、液体を経口摂取させる領域を任意の形状とすることができ、且つ、多くの個体に対して液体を経口摂取させる。
【解決手段】液体を含浸させた保水部材と、上記保水部材に密着させた薄膜フィルムとを含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

例えば、節足動物のナミハダニ(Tetranychus urticae)は、吸汁型の口器を有し、口器を植物の葉肉細胞に刺入して、葉肉細胞の内容物を吸汁する。
このような吸汁型口器を有する節足動物を飼育する際、例えば、濾紙に浸潤させた人工餌を吸汁させる方法が古くから試されている。しかしながら、このような方法では、濾紙にカビが生えて使用できなくなるといった問題があった(非特許文献1:Carter W (1927) A technique for use with homopterous vectors of plant disease, with special reference to the sugar-beet leafhopper, Eutettix tenellus (Baker). J Agric Res 34:449-451)。この問題を解決するために、薄膜フィルムを用いた給餌方法が考案された。初めての報告は、テンサイヨコバイ(Circulifer tenellus)を対象とした給餌システムである(非特許文献1)。具体的には、魚の皮膜を小袋の形状とし、その中に人工餌を入れて飼育容器内に吊るすシステムである。この給餌システムは,ネギアザミウマ(Thrips tabaci)の飼育にも適用されている(非特許文献2;Sakimura K, Carter W (1934) The artificial feeding of Thysanoptera. Ann Entomol Soc Am 27:341-342)。

その後、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)を対象とし、伸展性と防湿性を備えるパラフィン製のフィルムを用いた給餌方法が報告された(非特許文献3:Mittler TE, Dadd RH (1962) Artificial feeding and rearing of the aphid, Myzus persicae (Sulzer), on a completely defined synthetic diet. Nature 195:404)。この報告が基盤となり、同様の或いは改変したシステムを用いて、アブラムシ類、ダニ類、ウンカ類、ヨコバイ類、カイガラムシ類、アザミウマ類、トコジラミ類、コナジラミ類及びカ類において広範な栄養学的および薬理学的研究が展開された(非特許文献4~23)。

なお、ダニ類を対象とした最初の報告である非特許文献5では、伸展性フィルムButvar B-76(Monsanto社)が用いられていた。その後、例えば、非特許文献10、16、18、22及び23では、パラフィルムMが用いられている。

ところで、パラフィルムMを使用したシステムでは、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、マダラヨコバイ(Psammotettix striatus)、ヒメフタテンヨコバイ(Macrosteles horvathi)及びヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)に対する給餌だけでなく、採卵(人工餌内に産卵)にも利用できることが報告されている(非特許文献24、13及び15)。

また、吸汁型口器を有する節足動物の多くは、中空針状の口器(口針)を食物の吸汁だけでなく、唾液の注入にも用いている。唾液には、消化酵素の他、宿主の防御応答を誘導或いは抑制する成分等が含まれている。これら唾液成分は、宿主と寄生体の相互作用機構を解く鍵として、基礎研究だけでなく、耐虫性品種の作出を目的とした応用研究でも注目されている。例えば、ナミハダニでは、パラフィルムMを半球状に伸展させた給餌システムを唾液の回収にも利用できることが報告されている(非特許文献25)。

産業上の利用分野

本発明は、吸汁型の口器を有する節足動物に対して適用できる給餌装置及び給餌方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
液体を含浸させた保水部材と、
上記保水部材に密着させた薄膜フィルムと
を含む、吸汁型節足動物に対する給餌装置。

【請求項2】
上記保水部材を一主面上に載置する基材を更に含み、
上記薄膜フィルムは、上記基材の一主面に載置された上記保水部材の全体を覆うことを特徴とする請求項1記載の給餌装置。

【請求項3】
上記薄膜フィルムは、上記保水部材を挟み込む1組の薄膜フィルムであることを特徴とする請求項1記載の給餌装置。

【請求項4】
上記保水部材は、不織布又は樹脂製メッシュであることを特徴とする請求項1記載の給餌装置。

【請求項5】
上記保水部材は、目開き100~5000μmのメッシュ構造を有する樹脂製メッシュであることを特徴とする請求項1記載の給餌装置。

【請求項6】
上記薄膜フィルムは、伸展性及び防湿性を有するフィルムであることを特徴とする請求項1記載の給餌装置。

【請求項7】
上記薄膜フィルムは、プラスチックパラフィンフィルムであることを特徴とする請求項1記載の給餌装置。

【請求項8】
上記液体は、給餌させる成分を含む溶液又は分散液であることを特徴とする請求項1記載の給餌装置。

【請求項9】
吸汁型節足動物を飼育する空間部に、請求項1から7いずれか一項記載の給餌装置を配設し、上記吸汁型節足動物が口器を上記給餌装置における薄膜フィルムに刺入することで、上記給餌装置における保水部材に含浸させた液体を給餌させることを特徴とする吸汁型節足動物に対する給餌方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2019190196thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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