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p210 PH結合ペプチドおよび慢性骨髄性白血病治療薬 NEW

国内特許コード P200017076
整理番号 (S2019-0065-N0)
掲載日 2020年7月29日
出願番号 特願2019-198946
公開番号 特開2020-075917
出願日 令和元年10月31日(2019.10.31)
公開日 令和2年5月21日(2020.5.21)
優先権データ
  • 特願2018-210822 (2018.11.8) JP
発明者
  • 西川 喜代孝
  • ▲高▼橋 美帆
  • 島▲崎▼ 健太朗
  • 長田 雅也
  • 丸 義朗
  • 塚原 富士子
  • 内藤 幹彦
  • 柴田 識人
出願人
  • 学校法人同志社
  • 学校法人東京女子医科大学
発明の名称 p210 PH結合ペプチドおよび慢性骨髄性白血病治療薬 NEW
発明の概要 【課題】p210 PHのCL結合部位に高親和性に結合し、ミトコンドリア障害に伴うBCR-ABLのミトコンドリアへの移行を阻害する分子(p210 PH結合ペプチド)を提供すること。
【解決手段】p210 PH結合ペプチドは、3つのリジン(Lys)が結合して形成された分子核構造の端部に位置する4つのアミノ基の各々に、配列番号1のペプチドモチーフが、直接またはスペーサーを介して結合している4価ペプチドである。
【選択図】図13
従来技術、競合技術の概要

慢性骨髄性白血病(CML)は、造血幹細胞の腫瘍化に伴う白血球の異常増殖を主症状とする骨髄増殖性疾患である。CMLは、9 番染色体と22 番染色体の相互転座により生じる融合染色体、フィラデルフィア染色体、に由来する融合遺伝子産物であるp210型BCR-ABL(以下BCR-ABL)により引き起こされることが知られている。

もともとABL は非受容体型チロシンキナーゼであり、その活性は厳密な制御を受けている。しかしながら、融合遺伝子産物であるBCR-ABLは BCR領域のコイルドコイルドメイン依存的に多量体化(2量体あるいは4量体)しており、ABLが恒常的に活性化している。その結果、BCR-ABLの下流シグナル経路であるPI3K/AKT 経路、JAK/STAT 経路、RAS/MAPK 経路等が過剰に活性化され、CML 細胞の異常増殖が引き起こされる。

既存のCML治療薬として、ABL領域のキナーゼドメインを標的としたチロシンキナーゼ阻害剤 (TKIs: tyrosine kinase inhibitors)が使用されている。

しかしながら、第1世代のイマチニブ、第2世代のニロチニブ、ダサチニブに対しては薬剤耐性の問題が現実化しており、さらには第3世代のポナチニブに対しても薬剤耐性を示す変異が出現している。また、CML 幹細胞はABLのキナーゼ活性非依存的に増殖維持されていることが明らかにされており、TKIによる治療後であってもCML幹細胞による再発が起こることが報告されている。以上のことから、TKIとは異なる作用機構を有する新規治療薬の開発が急務である。

一方、本発明者らは、BCR-ABLのBCR領域に存在し、病理的機能が不明であったPHドメイン(以下「p210 PH」と記載する)に着目し、p210 PHはphosphatidylinositol diphosphate (PIP2)、phosphatidic acid (PA)、cardiolipin(CL) 等の酸性リン脂質に対して強い結合活性を示すこと、特にCLに非常に強く結合するというユニークなリガンド特性を有していることを見出している(非特許文献1)。

さらに、通常ミトコンドリア障害が誘導された場合、オートファジー系による障害ミトコンドリアの分解(マイトファジー)が引き起こされるが、BCR-ABLを高発現させた細胞ではp210 PH依存的にBCR-ABLがミトコンドリアへと局在性を変化させ、その結果マイトファジーが抑制されることを見出している(非特許文献1)。CLは通常ミトコンドリアの内膜に局在しており、ミトコンドリア障害によって外膜の細胞質側へと表出することが知られているが、p210 PHはこの外膜へと表出したCLに結合することにより、BCR-ABLのミトコンドリアへの移行を促進していることが示されている。さらに、マイトファジーが抑制された結果、障害ミトコンドリアが蓄積し、そのため活性酸素種(ROS)の産生亢進が引き起こされること、を見出している(非特許文献1)。

また、これまでに、過剰なROSは細胞死を誘導するが、適度なROSはがん細胞の増殖シグナルを活性化させるシグナル分子として機能すること、さらにCML細胞あるいはCML幹細胞においては、高レベルのROS産生が生じており、このためCMLの悪性化およびTKI耐性体の出現が促進されること、が報告されている(非特許文献2、3)。

一方、これまでに、本発明者らは、多量体形成によって発揮される強い相互作用(クラスター効果)を阻害する分子を同定する技術、多価型ペプチドライブラリー法を開発し、クラスター効果を発揮して機能する様々な分子(細菌毒素やprotein kinase等のシグナル分子)に対する阻害分子の開発に成功している(例えば、特許文献1~5)。

産業上の利用分野

本発明は、p210型BCR-ABLのBCR領域に存在するPHドメイン(p210 PH)に結合するp210 PH結合ペプチドと、これを含有する慢性骨髄性白血病(CML)治療薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
p210型BCR-ABLのBCR領域に存在するPHドメイン(p210 PH)に結合するp210 PH結合ペプチドであって、
3つのリジン(Lys)が結合して形成された分子核構造の端部に位置する4つのアミノ基の各々に、配列番号1のペプチドモチーフが、直接またはスペーサーを介して結合している4価ペプチドであることを特徴とするp210 PH結合ペプチド。

【請求項2】
前記ペプチドモチーフのC末端側の前記スペーサーが膜透過性配列を含むことを特徴とする請求項1のp210 PH結合ペプチド。

【請求項3】
前記膜透過性配列は、1~4つのアルギニン(Arg)からなることを特徴とする請求項2のp210 PH結合ペプチド。

【請求項4】
請求項1から3のいずれかのp210 PH結合ペプチドを含むことを特徴とする慢性骨髄性白血病治療薬。

【請求項5】
さらに、BCR-ABLのABL領域を標的としたチロシンキナーゼ阻害剤を含むことを特徴とする請求項4の慢性骨髄性白血病治療薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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