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光変調器

国内特許コード P200017092
整理番号 (S2017-0561-N0)
掲載日 2020年8月4日
出願番号 特願2019-506980
出願日 平成30年3月22日(2018.3.22)
国際出願番号 JP2018011467
国際公開番号 WO2018174179
国際出願日 平成30年3月22日(2018.3.22)
国際公開日 平成30年9月27日(2018.9.27)
優先権データ
  • 特願2017-057994 (2017.3.23) JP
発明者
  • 榎原 晃
出願人
  • 公立大学法人兵庫県立大学
発明の名称 光変調器
発明の概要 本発明に係る光変調器は、少なくとも一部分が電気光学効果を有する導波路基板に形成され、2つの分岐光導波路を有する光導波路と、前記2つの分岐光導波路を挟設するように対向して配置された第1の線路と、第2及び第3の線路であって、互いに電磁的に結合しかつ入力される光変調用高周波信号に対して実質的に共振する線路長を有する第1~第3の線路導体を備える変調電極とを備える。当該光変調器は、前記変調電極は、前記光変調用高周波信号に基づいて、前記第2の線路と、前記第3の線路とが互いに異なる符号の電圧が誘起されて前記変調電極が励振されるように配置された。
従来技術、競合技術の概要

電波不感地帯の解消、マンションやオフィス内への無線信号配信を目的として、光ファイバ無線システムと呼ばれる無線信号で直接光変調を行い、光ファイバで遠方に伝送し無線信号に戻して放射させるシステムが注目されている。

光変調器は、このようなシステムではキーデバイスである。近年、無線信号の高周波化に伴い、光変調器はミリ波帯等の高い周波数での動作が要求されているが、一般的に周波数が高くなると損失の増加や構造上の問題で変調効率が低下する。そのため、ミリ波帯などの高周波帯でも高効率な光変調器が期待されている。従来、例えばミリ波帯などの高周波信号による高品質な光変調では、電気光学効果を利用した光変調器が用いられてきている。

図8Aは従来例1に係る一般的な光変調器の構成を示す平面図である。また、図8Bは図8Aの光変調器のE-E’線に沿った縦断面図である。

図8A及び図8Bにおいて、従来例1に係る光変調器は、基板51、光導波路52、バッファ層53、変調電極54、接地電極(グランド電極)55,56を備えている。ここで、基板51は、電気光学効果のあるニオブ酸リチウムのzカット基板からなる。光導波路52は、基板51の表面に金属チタンの熱拡散などにより形成され、入力光導波路52aと、そこから二股に分岐した一対の位相変調導波路52b,52cと、それらが合流した出力光導波路52dからなり、マッハツェンダー干渉計を構成している。z方向の電界による屈折率の変化を利用するため、変調電極54は一方の位相変調導波路(ここでは位相変調導波路52b)の真上に配置されている。バッファ層53は、光導波路52を伝搬する光の一部が変調電極54及び接地電極55,56により吸収されることを防止するための薄膜である。

以上のように構成された従来例1に係る光変調器において、変調電極54に変調波59を印加すると、電気力線151,152で示すように、位相変調導波路52bと52cには、垂直方向に互いに逆向きの電界が印加されるため、位相変調導波路52b,52cにおける電気光学効果による屈折率変化の方向が互いに逆向きとなる。このため、入力光導波路52aへの入力光57は、二分されて位相変調導波路52b,52cを伝搬しているときに互いに逆向きの位相変調を受け、この伝搬光が出力光導波路52dへの合流時に干渉して光強度が変調され、出力光58となる。

図9は、特許文献1に開示された従来例2に係る光変調器の構成を示す平面図である。

図9において、従来例2に係る光変調器は、電気光学効果特性を持つ光路(光導波路)68と、光路68に沿って形成された、光路に電界を印加するための変調電極61と、変調電極61に対向して形成された共通電極(接地電極)66,67と、変調電極61のほぼ中心に斜めに接続されたスタブ64,65とを備え、その接続部に配線62及びテーパ状変成器63を含む給電線が接続されている。そして、変調電極61の終端を開放させることで共振動作を行わせ、変調効率を高めている。スタブ64,65は、変調波が反射せずに効率的に変調電極61に入力されるように、インピーダンス整合を取るため機能を持つ。

図10は、特許文献2に開示された従来例3に係る光変調器の構成を示す縦断面図である。

図10において、従来例3に係る光変調器は、厚さ10μm程度の薄板71に電気光学効果を有する光導波路72が形成され、上記薄板71を挟み込むように変調電極が配置されている。変調電極としては、薄板71の上面の第1電極と、上記薄板の下面の第2電極からなり、第1電極は信号電極74と接地電極75aからなり、第2電極は接地電極75bとなっている。バッファ層73a,73bは光導波路72を伝搬する光の一部が変調電極により吸収されることを防止するための薄膜である。薄板71は接着層76を介して支持基板77に接着されている。本構成の光変調器の特徴は、図8Aに示した一般的な光変調器に比べて、信号電極74と薄板71の裏面に形成された接地電極73bとの間の電圧によって生じる電界も光変調に利用できる点にある。これによって、変調効率を向上させている。

図11Aは、特許文献3において開示された従来例4に係る光変調器の構成を示す平面図である。また、図11Bは図11Aの平行結合線路33で伝搬モードM11が励振されたときのF-F’線に沿った縦断面図であり、図11Cは図11Aの平行結合線路33で伝搬モードM12が励振されたときのF-F’線に沿った縦断面図である。

図11Aにおいて、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶などの電気光学効果を有する基板31の表面部に、安息香酸を用いたプロトン交換法などを用いて形成された光導波路32が設けられている。光導波路32は、2箇所の分岐点38a,38bで2つの分岐光導波路32a,32bに分岐しており、入口側光導波路32xから入力された入力光が一方の分岐点38aで分岐して2つの分岐光導波路32a,32bを通過した後、他方の分岐点38bで共通の出口側光導波路32yを進むように構成されている。

また、基板31の上には、光導波路32の各分岐光導波路32a,32bに沿うように延びる3つの線路33a,33b,33cからなる平行結合線路33が設けられている。各線路33a,33bの各内側端は、各分岐光導波路32a,32bのほぼ中央部の直上に位置するように形成されている。また、線路33cは、2つの線路33a,33bの中間に位置している。各線路33a,33b,33cの両端部は、接続線路36a,36bを介して互いにつながっている。さらに、基板31の上には、平行結合線路33の1つの線路33bに接続され平行結合線路33に共振を起こさせる入力信号を印加するための入力線路35が設けられている。平行結合線路33の各線路33a~33c、接続線路36a,36b及び入力線路35は、真空蒸着法、フォトリソグラフィ及びエッチングなどのプロセスを用いて形成されたアルミニウムや金などの金属膜によってそれぞれ構成されている。また、基板31の裏面には、金属膜の蒸着法などを用いて形成されたグランドプレーン34が設けられている。

入力光は、入口側光導波路32xから導入され、各分岐光導波路32a,32bを通過する際に、以下のように、光変調作用を受ける。入力線路35から高周波信号が入力されて、平行結合線路33の各線路33a,33b,33cに共振が生じると、各間隙部37a,37bには図11Bに点線で示すような電気力線で表される電界が生じる。そして、電気光学的効果により、分岐光導波路32a,32bを構成する材料の屈折率が電界強度に応じて変化する。従って、出口側光導波路32yでは、分岐光導波路32a,32bを通過した2つの光の干渉が生じ、この干渉によって出力光の強度が変化することにより、光強度変調器として動作する。

ここで、3本の線路33a~33cを有する平行結合線路33においては、通常、3種類の伝搬モードが存在し、このうちの2つの伝搬モードM11,M12について図11B及び図11Cを参照して以下に説明する。

図11Bの伝搬モードM11において、2本の分岐光導波路32a,32bには上下逆方向の電界131,132が印加されるので、光波に位相差が生じ出口側光導波路32yで干渉を生じるので、本実施形態の光変調素子は、光強度変調器として機能する。一方、図11Cの伝搬モードM12においては、分岐光導波路32b,32bに形成される電界131,133の向きが相互に反対になるように、分岐光導波路32bの位置がシフトしている。

図11Bで構成された光変調器の伝搬モードM11では、3本の線路33a,33b,33cによる結合線路を変調電極に利用することで、3本の線路33a,33b,33cによる結合線路の中央の線路33cが0で両側の線路の電圧が互いに逆符号となる伝搬モードを使って高効率な光変調を行う。図11Cで構成された光変調器の伝搬モードM12では、3本の線路33a,33b,33cによる結合線路を変調電極に利用することで、3本の線路33a,33b,33cによる結合線路の中央の線路33cと、両側の線路33a、33bとの間の電圧が互いに逆符号となる伝搬モードを使って高効率な光変調を行う。この場合、光導波路32a、32bと、3本の線路33a、33b、33cとの配置関係は、図11a、図11bとは少し異なっている。より具体的には、分岐光導波路32bの位置を線路33cの下側に架かるように移動した配置としている。

産業上の利用分野

本発明は、光ファイバによる大容量の情報伝送や無線信号の光ファイバ伝送の際に電気信号で光を変調するために用いられる光変調器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも一部分が電気光学効果を有する導波路基板に形成され、2つの分岐光導波路を有する光導波路と、
前記2つの分岐光導波路を挟設するように対向して配置された第1の線路と、第2及び第3の線路であって、互いに電磁的に結合しかつ入力される光変調用高周波信号に対して実質的に共振する線路長を有する第1~第3の線路導体を備える変調電極とを備えた光変調器であって、
前記変調電極は、前記光変調用高周波信号に基づいて、前記第2の線路と、前記第3の線路とが互いに異なる符号の電圧が誘起されて前記変調電極が励振されるように配置されたことを特徴とする光変調器。

【請求項2】
前記導波路基板は第1及び第2の面を有し、
前記第1の線路は前記導波路基板の第1の面上に形成され、
前記第2及び第3の線路は前記導波路基板の第2の面上に形成されたことを特徴とする請求項1記載の光変調器。

【請求項3】
前記導波路基板及び前記変調電極を支持する支持基板をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の光変調器。

【請求項4】
前記支持基板の、前記第1~第3の線路と対向する面とは反対側の面に接地導体を形成し、
前記第1~第3の線路をマイクロストリップ線路として構成したことを特徴とする請求項3記載の光変調器。

【請求項5】
前記支持基板は前記導波路基板の第2の面上に配置されたことを特徴とする請求項3又は4記載の光変調器。

【請求項6】
前記導波路基板の第2の面を含むように、前記支持基板に形成された空洞部分をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の光変調器。

【請求項7】
前記空洞部分の一部分において、前記第2及び第3の線路に対向するように形成された導体膜をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の光変調器。

【請求項8】
前記光変調用高周波信号を入力するための給電線路であって、前記第1~第3の線路のいずれかに電磁的に、容量的に又は直接に結合するように形成された給電線路をさらに備えたことを特徴とする請求項1~7のうちのいずれか1つに記載の光変調器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2K102AA22
  • 2K102BA02
  • 2K102BB01
  • 2K102BB04
  • 2K102BC04
  • 2K102BD01
  • 2K102CA00
  • 2K102DA04
  • 2K102DB04
  • 2K102DC04
  • 2K102DD05
  • 2K102EA02
  • 2K102EA07
画像

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出願権利状態 公開
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