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放射性微粒子製造システムおよび放射性微粒子製造方法 新技術説明会

国内特許コード P200017094
整理番号 (S2017-0542-N0)
掲載日 2020年8月4日
出願番号 特願2019-507549
出願日 平成30年3月9日(2018.3.9)
国際出願番号 JP2018009285
国際公開番号 WO2018173811
国際出願日 平成30年3月9日(2018.3.9)
国際公開日 平成30年9月27日(2018.9.27)
優先権データ
  • 特願2017-058121 (2017.3.23) JP
発明者
  • 床次 眞司
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 放射性微粒子製造システムおよび放射性微粒子製造方法 新技術説明会
発明の概要 大掛かりな設備を用いずに物理的に安定した放射性微粒子を製造でき、新規な物理的指標を用いた放射能測定機器の性能評価を可能とし、空気の湿度により放射能濃度を制御する方法を具体的に示すと共に、放射能測定機器全体としての性能評価を実施できる放射性微粒子製造システム等を提供する。
放射性微粒子製造システム(1)は、放射性ガス生成システム(10)、特定粒子径エアロゾル発生システム(20)及び混合槽(30)を備えたシンプルな構成により、天然放射性核種を用いた放射性微粒子を製造する。220Rnを用いることにより、物理的に安定した子孫核種で放射性微粒子を製造する。混合槽(30)では特定の粒子径のエアロゾルのみに子孫核種を付着させ、特定の粒子径の放射性微粒子を生成する。取込んだ空気OAの湿度を制御して放射線源部(12)へ送り出す湿度制御部(100)により、天然放射性希ガスの放射能濃度を制御することができる。
従来技術、競合技術の概要

天然放射性核種の壊変系列の一つであるウラン系列における222Rn(ラドン)を用いた放射性微粒子(放射性エアロゾル)は製造可能であり、放射能測定機器の校正のための設備(ラドンチェンバー)において世界的に広く利用されている(非特許文献1)。しかし、ラドンチェンバーは大掛かりな設備であった。別の壊変系列であるトリウム系列における220Rn(トロン)ガス発生時の制御に関してはガスモニタ用チャンバーの校正に関して論文発表がなされていた(非特許文献2)。しかし、当該論文はガスモニタ用チャンバーの校正に限定された研究であり、その後研究は進んでおらず、放射性微粒子を製造する技術の開発はほとんど行われていない。さらに、222Rnは30~60分間程度の間に次々と放射性壊変が進み(218Po(3.1分)→214Pb(26.8分)→214Bi(19.9分)等)、比較的安定な長寿命核種(半減期約22年の210Pb)に変わってしまう。このため、物理的に安定した放射性微粒子の製造とはならない。

因みに、220Rnのガス濃度を比較的容易に測定する測定方法は、発明者が2002年に発表した論文により世界に広まった(非特許文献3)。当該測定方法は世界的な標準技術となり、市販の放射能測定機器の校正に用いられるようになった(非特許文献4)。非特許文献4には例えば市販の放射能測定機器としてRAD7(登録商標)を用いた校正実験の実施内容が記載されている。
220Rnの放射能濃度測定技術において、ガスを送り込むための空気中の水分量が多い方が線源となる試料からの220Rnの発生量に大きく寄与すること、言い換えれば20Rnの放出量が大きいことが明らかにされた(非特許文献5)。しかし、空気の湿度により放射能濃度を制御する具体的な方法は明らかにされていなかった。

産業上の利用分野

本発明は、天然放射性希ガスを生成する放射性ガス生成装置と、非放射性微粒子を生成する微粒子生成装置と、これらの生成された天然放射性希ガスと非放射性微粒子とを混合して放射性微粒子を生成する混合槽と、生成された放射性微粒子が送られるばく露装置とを備えた放射性微粒子製造システムおよび放射性微粒子製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
天然放射性希ガスを生成する放射性ガス生成装置と、非放射性微粒子を生成する微粒子生成装置と、該放射性ガス生成装置により生成された天然放射性希ガスと該微粒子生成装置により生成された非放射性微粒子とを混合する混合槽とを備えた放射性微粒子製造システムであって、
前記放射性ガス生成装置は、内部に天然放射性源を設置した放射線源部を有し、外部から取り込まれた空気を該放射線源部に送り込み、該空気と該天然放射性源から発生した天然放射性希ガスとを混ぜて前記混合槽へ送るものであり、
前記微粒子生成装置は、
微粒子を発生させる微粒子発生器と、所定の粒子径の微粒子を弁別する粒子弁別器とを有し、該微粒子発生器により発生させた非放射性微粒子から該粒子弁別器により所定の粒子径の非放射性微粒子を弁別して前記混合槽へ送るものであり、
前記混合槽は、
前記微粒子生成装置から送られた所定の粒子径の非放射性微粒子に、前記放射性希ガス生成装置から送られた天然放射性希ガスが放射性壊変によって変換した子孫核種を付着させて所定の粒子径の放射性微粒子を生成することを特徴とする放射性微粒子製造システム。

【請求項2】
請求項1記載の放射性微粒子製造システムにおいて、前記放射性ガス生成装置は、取込んだ空気の湿度を制御して送り出す湿度制御部をさらに備え、外部から取り込まれた空気を該湿度制御部に通した後に前記放射線源部へ送り込むことにより、前記天然放射性源から発生した天然放射性希ガスの放射能濃度を制御することを特徴とする放射性微粒子製造システム。

【請求項3】
請求項1又は2記載の放射性微粒子製造システムにおいて、前記混合槽は生成された所定の粒子径の放射性微粒子を外部へ送り込む配管をさらに備え、該配管は内部に、該所定の粒子径の放射線微粒子を捕集する外部へ取り出し可能なフィルタを1以上直列に並べて設置されたことを特徴とする放射性微粒子製造システム。

【請求項4】
請求項3記載の放射性微粒子製造システムにおいて、前記フィルタは所定のサイズのメッシュから構成されたメタルワイヤスクリーンであることを特徴とする放射性微粒子製造システム。

【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の放射性微粒子製造システムにおいて、前記混合槽で生成された所定の粒子径の放射性微粒子を送り込むばく露装置をさらに備え、
前記ばく露装置は、送り込まれた所定の粒子径の放射性微粒子を捕集する外部へ取出し可能なフィルタを有することを特徴とする放射性微粒子製造システム。

【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の放射性微粒子製造システムにおいて、前記天然放射性源は環境試料から発生する220Rn又は222Rnであることを特徴とする放射性微粒子製造システム。

【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の放射性微粒子製造システムにおいて、前記粒子弁別器は微分型静電分級器であることを特徴とする放射性微粒子製造システム。

【請求項8】
天然放射性希ガスを生成する放射性ガス生成装置と、非放射性微粒子を生成する微粒子生成装置と、該放射性ガス生成装置により生成された天然放射性希ガスと該微粒子生成装置により生成された非放射性微粒子とを混合する混合槽とを用いた放射性微粒子製造方法であって、
前記放射性ガス生成装置において、外部から取り込まれた空気が内部に天然放射性源を設置した該放射線源部に送り込まれ、該空気と該天然放射性源とから天然放射性希ガスが生成されて前記混合槽へ送られる天然放射性希ガス生成工程と、
前記微粒子生成装置において、微粒子を発生させる微粒子発生器により非放射性微粒子が発生され、該非放射性微粒子が所定の粒子径の微粒子を弁別する粒子弁別器により所定の粒子径の非放射性微粒子が弁別されて前記混合槽へ送られる非放射性微粒子生成工程と、
前記混合槽において、前記非放射性微粒子生成工程で前記微粒子生成装置から送られた所定の粒子径の非放射性微粒子に、前記天然放射性希ガス生成工程で前記放射性ガス生成装置から送られた天然放射性希ガスが放射性壊変によって変換した子孫核種を付着させて所定の粒子径の放射性微粒子を生成する放射性微粒子生成工程とを備えたことを特徴とする放射性微粒子製造方法。

【請求項9】
請求項8記載の放射性微粒子製造方法において、前記放射性ガス生成装置は取込んだ空気の湿度を制御して送り出す湿度制御部をさらに備え、
前記天然放射性希ガス生成工程は、外部から取り込まれた空気が前記湿度制御部に通された後に前記放射線源部に送り込まれることにより、生成される前記天然放射性希ガスの放射能濃度を制御することを特徴とする放射性微粒子製造方法。

【請求項10】
請求項8又は9記載の放射性微粒子製造方法において、前記混合槽に接続するばく露装置をさらに備え、
前記放射性微粒子生成工程で生成された前記混合槽の所定の粒子径の放射性微粒子が前記ばく露装置に送り込まれ、該放射性微粒子は該ばく露装置が有する外部へ取出し可能なフィルタにより捕集される放射性微粒子捕集工程をさらに備えたことを特徴とする放射性微粒子製造方法。

【請求項11】
請求項8乃至10のいずれかに記載の放射性微粒子製造方法において、前記天然放射性源は環境試料から発生する220Rn又は222Rnであることを特徴とする放射性微粒子製造方法。

【請求項12】
請求項8乃至11のいずれかに記載の放射性微粒子製造方法において、前記粒子弁別器は微分型静電分級器であることを特徴とする放射性微粒子製造方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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