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神経変性疾患治療剤

国内特許コード P200017101
整理番号 (S2017-0671-N0)
掲載日 2020年8月4日
出願番号 特願2019-514545
出願日 平成30年4月24日(2018.4.24)
国際出願番号 JP2018016668
国際公開番号 WO2018199109
国際出願日 平成30年4月24日(2018.4.24)
国際公開日 平成30年11月1日(2018.11.1)
優先権データ
  • 特願2017-085253 (2017.4.24) JP
発明者
  • 足立 弘明
  • ▲黄▼ 哲
出願人
  • 学校法人産業医科大学
発明の名称 神経変性疾患治療剤
発明の概要 以下の一般式(I)で表される化合物を含む、異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤等を提供する:
(式省略)
(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は水酸基を示す(但し、R1及びR2のいずれか一方は水酸基である))。
従来技術、競合技術の概要

アルツハイマー病、パーキンソン病、運動ニューロン病等の神経変性疾患は、特定の神経が変性し脱落することにより、進行性かつ難治性の認知機能障害および運動機能障害を呈する。種々の神経変性疾患に共通した病理学的特徴は、異常なタンパク質の蓄積であり、この蓄積が神経変性の中心的な病態であると考えられている。しかし、ニューロンやその周囲に蓄積した異常なタンパク質が、どのようにニューロンの機能障害や細胞死を誘導するのかについては不明な点が多く、未だに病態そのものを抑止する根本的な治療法は確立されていない。

オートファジーは、ユビキチン-プロテアソーム系(UPS)と並び、細胞内の変異タンパク質を分解する重要なシステムである(非特許文献1)。近年、オートファジーの分子メカニズムの研究が盛んに行われており、特に、オートファジーのマスターレギュレーターである転写因子TFEB(転写因子EB)やオートファジーの活性化に係る化合物に関する研究が盛んに行われている(非特許文献2)。近年、オートファジーの機能低下が、様々な神経変性疾患の病態に関与することが示唆されたことから、オートファジーは神経変性疾患の重要な治療ターゲットとしても注目されている(非特許文献3)。現状、オートファジーの活性化機序として、mTORC経路に関する知見が蓄積されつつあるものの、その全体像は依然として不明な点が数多く残されている。また、オートファジーによる病因タンパク質の選択的な分解機構の全貌は解明されておらず、かかる機構を利用した疾患の治療法は開発段階であるのが現状である。本発明者らは、これまでに生薬の有効成分(芍薬の有効成分であるペオニフロリン、大豆等の植物に多く含まれているゲニステイン)を用いたオートファジーの活性化や、その分子メカニズムに関する研究、並びに該有効成分を用いたオートファジーの活性化が、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)のトランスジェニックモデルマウスにもたらす治療効果に関する研究を行ってきた(非特許文献4、5)。これらの化合物は、治療薬としての有効性を示したものの、複数の経路を介することや、その薬理効果に改善の余地があること等がわかってきた。

ケンペロールは、茶、フルーツ、野菜、及び豆類等をはじめとする多くの植物に含まれる天然フラボノールである。ケンペロールは、抗酸化、抗炎症、抗がん、抗糖尿病、抗骨粗鬆症、及び抗アレルギー活性等の様々な薬理作用を有しており、とりわけ、強い抗酸化作用が注目されている(非特許文献6、7)。また、ケンペロールは、NADPH oxidase (NOX)への結合により、神経変性を予防し得る可能性が示唆されている(非特許文献8)。さらに、ケンペロールを含むフラボノイドが、喫煙者の膵臓癌の発症を抑制し得る可能性などが示唆されている(非特許文献9)。

ルテオリンは、セロリ、緑ピーマン、シソ(perilla)などの多くの植物性食品に含有される天然のフラボンの一種である(非特許文献10)。ルテオリンもまた、様々な薬理作用を有することが示されており、血中コレステロール低下作用(非特許文献11)、抗酸化作用(特許文献12)、抗炎症作用(特許文献12)などが報告されている。

産業上の利用分野

本発明は、異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤等に関し、詳細には、以下に詳述する一般式(I)で表される化合物を含む、神経変性疾患をはじめとする異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の一般式(I)で表される化合物を含む、異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤:
【化1】
(省略)
(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は水酸基を示す(但し、R1及びR2のいずれか一方は水酸基である))。

【請求項2】
一般式(I)において、R1が水酸基であり、R2が水素である、請求項1記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項3】
一般式(I)において、R1が水素であり、R2が水酸基である、請求項1記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項4】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が神経変性疾患である、請求項2記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項5】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が神経変性疾患である、請求項3記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項6】
神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、多系統萎縮症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、筋萎縮性側索硬化症、球脊髄性筋萎縮症、脊髄性進行性筋萎縮症、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、海馬硬化症、進行性ミオクローヌスてんかん、及び歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症からなる群から選択される、請求項4または5記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項7】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が、クローン病、SENDA病、及びVici症候群から選択される、請求項2記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項8】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が、クローン病、SENDA病、及びVici症候群から選択される、請求項3記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項9】
以下の一般式(I)で表される化合物を含む、オートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防剤:
【化2】
(省略)
(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は水酸基を示す(但し、R1及びR2のいずれか一方は水酸基である))。

【請求項10】
一般式(I)において、R1が水酸基であり、R2が水素である、請求項9記載のオートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項11】
一般式(I)において、R1が水素であり、R2が水酸基である、請求項9記載のオートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項12】
オートファジーにより殺菌される病原体が、A群連鎖球菌、結核菌、黄色ブドウ球菌、及び赤痢菌(Shigella)からなる群から選択される、請求項10記載のオートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項13】
オートファジーにより殺菌される病原体が、A群連鎖球菌、結核菌、黄色ブドウ球菌、及び赤痢菌からなる群から選択される、請求項11記載のオートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防剤。

【請求項14】
以下の一般式(I)で表される化合物を含む、オートファジー活性化剤:
【化3】
(省略)
(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は水酸基を示す(但し、R1及びR2のいずれか一方は水酸基である))。

【請求項15】
一般式(I)において、R1が水酸基であり、R2が水素である、請求項14記載の活性化剤。

【請求項16】
一般式(I)において、R1が水素であり、R2が水酸基である、請求項14記載の活性化剤。

【請求項17】
対象に有効量の以下の一般式(I)で表される化合物を投与することを含む、異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法:
【化4】
(省略)
(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は水酸基を示す(但し、R1及びR2のいずれか一方は水酸基である))。

【請求項18】
一般式(I)において、R1が水酸基であり、R2が水素である、請求項17記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項19】
一般式(I)において、R1が水素であり、R2が水酸基である、請求項17記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項20】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が神経変性疾患である、請求項18記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項21】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が神経変性疾患である、請求項19記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項22】
神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、多系統萎縮症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、筋萎縮性側索硬化症、球脊髄性筋萎縮症、脊髄性進行性筋萎縮症、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、海馬硬化症、進行性ミオクローヌスてんかん、及び歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症からなる群から選択される、請求項20又は21記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項23】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が、クローン病、SENDA病、及びVici症候群から選択される、請求項20記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項24】
異常タンパク質の蓄積に起因する疾患が、クローン病、SENDA病、及びVici症候群から選択される、請求項21記載の異常タンパク質の蓄積に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項25】
対象に有効量の以下の一般式(I)で表される化合物を投与することを含む、オートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防方法:
【化5】
(省略)
(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は水酸基を示す(但し、R1及びR2のいずれか一方は水酸基である))。

【請求項26】
一般式(I)において、R1が水酸基であり、R2が水素である、請求項25記載のオートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項27】
一般式(I)において、R1が水素であり、R2が水酸基である、請求項25記載の治療又は予防方法。

【請求項28】
オートファジーにより殺菌される病原体が、A群連鎖球菌、結核菌、黄色ブドウ球菌、及び赤痢菌からなる群から選択される、請求項26記載のオートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項29】
オートファジーにより殺菌される病原体が、A群連鎖球菌、結核菌、黄色ブドウ球菌、及び赤痢菌からなる群から選択される、請求項27記載のオートファジーにより殺菌される病原体に起因する疾患の治療又は予防方法。

【請求項30】
以下の一般式(I)で表される化合物を投与することを含む、オートファジーを活性化する方法:
【化6】
(省略)
(式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は水酸基を示す(但し、R1及びR2のいずれか一方は水酸基である))。

【請求項31】
一般式(I)において、R1が水酸基であり、R2が水素である、請求項30記載のオートファジーを活性化する方法。

【請求項32】
一般式(I)において、R1が水素であり、R2が水酸基である、請求項30記載のオートファジーを活性化する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2019514545thum.jpg
出願権利状態 公開


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