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ホスファチジルイノシトールの定量方法及び定量用キット

国内特許コード P200017113
整理番号 (S2017-0751-N0)
掲載日 2020年8月6日
出願番号 特願2019-520312
出願日 平成30年5月24日(2018.5.24)
国際出願番号 JP2018020027
国際公開番号 WO2018216776
国際出願日 平成30年5月24日(2018.5.24)
国際公開日 平成30年11月29日(2018.11.29)
優先権データ
  • 特願2017-103714 (2017.5.25) JP
発明者
  • 森田 真也
出願人
  • 国立大学法人滋賀医科大学
発明の名称 ホスファチジルイノシトールの定量方法及び定量用キット
発明の概要 開示されているのは、以下の工程を有する試料中のホスファチジルイノシトールの定量方法:(1)試料にホスホリパーゼD及びイノシトールデヒドロゲナーゼを作用させる工程、並びにホスホリパーゼD及びイノシトールデヒドロゲナーゼを含むホスファチジルイノシトールの定量用キットである。
従来技術、競合技術の概要

リン脂質の一種であるホスファチジルイノシトール(phosphatidylinositol)(PI)は、グリセロール骨格に2本の脂肪酸とリン酸イノシトールとが結合した構造をしている。PIは、哺乳類細胞において細胞形質膜、並びに小胞体膜及びゴルジ体を含む細胞内膜に存在し、細胞内のリン脂質の5~10%を占めている。PIは、細胞膜を形成する構造的役割に加え、さまざまな膜タンパク質(チャネル、トランスポーター、受容体、酵素等)の活性及び局在を調節し、細胞内シグナル伝達において極めて重要な役割をしていることが、近年次第に明らかとなってきている。

従来、PIの定量は、薄層クロマトグラフィー(TLC)/リン定量法により行われてきたが、検出感度及び定量精度が低く、時間及び手間が必要となる。正確に定量するためには、各種発色法により得られたTLC上のスポットをスパーテルで丁寧に掻き取り、リン定量などを行わなければならないため、熟練の技術を必要とする。

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたPIの定量では、分子内のアシル鎖二重結合の紫外吸収で検出するため、脂肪酸鎖の種類による影響を強く受ける。すなわち、PIであっても、飽和脂肪酸鎖のみを有する分子種は検出されず、多価不飽和アシル鎖を持つ分子種ではピークが大きくなるため、定量性は乏しくなる。

質量分析(MS)では、PIの脂肪酸鎖の種類を区別した分子種ごとに検出するので、PIとしての定量は困難である。例えば、哺乳類細胞内のPIに関して、二本のアシル鎖の組み合わせにより50種類以上の分子種が存在し、質量分析ではそれぞれがイオン化率の異なるピークとして検出される。

PIは生体において多種多様な働きをする重要で欠かすことのできない成分であり、その研究は世界中で非常に活発に行われているにもかかわらず、PIの分析法は現在においても極めて乏しい。そのため、血中のPIの役割及び疾患との関連については全く分かっていない。

本発明者は、これまでに一連のリン脂質(ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、及びカルジオリピン)に対する酵素蛍光定量法を開発している(特許文献1、2、3等)。

特許文献1では、ホスホリパーゼD、L-アミノ酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼを試料に作用させて、生成する化合物の蛍光強度を測定することによるホスファチジルセリンの酵素定量法が報告されている。

また、特許文献2では、スフィンゴミエリナーゼ、アルカリホスファターゼ、コリンオキシダーゼ及びペルオキシダーゼを試料に作用させて、生成する化合物の蛍光強度を測定することによるスフィンゴミエリンの酵素定量法が報告されている。

さらに、特許文献3では、ホスホリパーゼD、グリセロールキナーゼ、グリセロール-3-リン酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼを試料に作用させて、生成する化合物の蛍光強度を測定することによるカルジオリピンの酵素定量法が報告されている。

しかしながら、PIについての酵素蛍光定量法については開発されていないため、PIが抜け落ちることにより、リン脂質全体のプロファイルが分からないことが問題となっている。

産業上の利用分野

本発明は、ホスファチジルイノシトールの定量方法、及びホスファチジルイノシトールの定量用キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程を有する試料中のホスファチジルイノシトールの定量方法:
(1)試料にホスホリパーゼD及びイノシトールデヒドロゲナーゼを作用させる工程。

【請求項2】
前記工程(1)において、NADHオキシダーゼ及びペルオキシダーゼを更に作用させる、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
更に以下の工程を有する、請求項1又は2に記載の方法:
(2)前記工程(1)で生成する化合物の蛍光強度、吸光度又は発光量を測定し、予め求めた検量線からホスファチジルイノシトールを定量する工程。

【請求項4】
前記工程(1)において、ホスホリパーゼDを作用させた後に60℃以上での加熱処理を行い、次いでイノシトールデヒドロゲナーゼを作用させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
一連の酵素処理を中性領域のpHで行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
ホスホリパーゼD及びイノシトールデヒドロゲナーゼを含むホスファチジルイノシトールの定量用キット。

【請求項7】
NADHオキシダーゼ及びペルオキシダーゼを更に含む、請求項6に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2019520312thum.jpg
出願権利状態 公開


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