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多能性幹細胞由来腸管オルガノイドの作製法

国内特許コード P200017119
整理番号 (S2017-0618-N0)
掲載日 2020年8月6日
出願番号 特願2019-517600
出願日 平成30年5月2日(2018.5.2)
国際出願番号 JP2018017572
国際公開番号 WO2018207714
国際出願日 平成30年5月2日(2018.5.2)
国際公開日 平成30年11月15日(2018.11.15)
優先権データ
  • 特願2017-093418 (2017.5.9) JP
発明者
  • 松永 民秀
  • 岩尾 岳洋
  • 小野里 太智
  • 小川 勇
出願人
  • 公立大学法人名古屋市立大学
発明の名称 多能性幹細胞由来腸管オルガノイドの作製法
発明の概要 多能性幹細胞から機能的な腸管オルガノイドを作製することを課題とする。(1)多能性幹細胞を内胚葉様細胞へと分化させる工程、(2)工程(1)で得られた内胚葉様細胞を腸管幹細胞様細胞へと分化させる工程、(3)工程(2)で得られた腸管幹細胞様細胞を培養し、スフェロイドを形成させる工程、及び(4)工程(3)で形成されたスフェロイドを分化させ、腸管オルガノイドを形成させる工程であって、上皮成長因子、BMP阻害剤及びWntシグナル活性化剤に加えて、MEK1/2阻害剤、DNAメチル化阻害剤、TGFβ受容体阻害剤及びγ-セクレターゼ阻害剤の存在下での培養を含む工程によって、多能性幹細胞から腸管オルガノイドを作製する。
従来技術、競合技術の概要

小腸は経口投与された医薬品の体内動態を考える上で非常に重要な臓器である。非臨床試験の段階においてヒト小腸における薬物の動態(吸収、排泄、代謝)を総合的に評価するためには初代小腸上皮細胞の利用が望ましいが、これは入手自体が困難である。近年、新規in vitro評価系として、腸管組織を模倣した3次元組織構造体(オルガノイド)が注目されている。しかし、胚性幹細胞(embryonic stem cells:ES細胞)及びES細胞と同様の多分化能とほぼ無限の増殖能を有し、創薬研究への利用も期待されている人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells:iPS細胞)から分化誘導された腸管オルガノイドは未熟であり、薬物動態学的な機能の解析はほとんどされていない。

また、ヒト以外の哺乳動物は疾患モデルや生物医学的研究に有用である。特に、創薬研究において実験動物として用いられるカニクイザルはヒトと非常に類似している点が多く、薬物代謝酵素やトランスポーターのアミノ酸配列は90~95%の相同性が認められ、基質特異性が類似している。そのため非臨床試験の段階において、カニクイザルを用いてin vivo並びにin vitroの相関性を確認することで、より正確にヒトを予測することが可能である。

ES細胞やiPS細胞から2次元(2D)培養で腸管上皮細胞を作製したこと(例えば特許文献1、2を参照)、及びマトリゲル等を利用した3次元(3D)培養で腸管オルガノイドを作製したこと(例えば、特許文献3、4、非特許文献1~4)が報告されている。

産業上の利用分野

本発明は多能性幹細胞由来の腸管オルガノイドを作製する方法及びその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程(1)~(4)を含む、多能性幹細胞から腸管オルガノイドを作製する方法:
(1)多能性幹細胞を内胚葉様細胞へと分化させる工程;
(2)工程(1)で得られた内胚葉様細胞を腸管幹細胞様細胞へと分化させる工程;
(3)工程(2)で得られた腸管幹細胞様細胞を培養し、スフェロイドを形成させる工程;
(4)工程(3)で形成されたスフェロイドを分化させ、腸管オルガノイドを形成させる工程であって、上皮成長因子、BMP阻害剤及びWntシグナル活性化剤に加えて、MEK1/2阻害剤、DNAメチル化阻害剤、TGFβ受容体阻害剤及びγ-セクレターゼ阻害剤の存在下での培養を含む工程。

【請求項2】
前記多能性幹細胞が人工多能性幹細胞又は胚性幹細胞である、請求項1に記載の作製方法。

【請求項3】
前記多能性幹細胞がヒト又は霊長類の細胞である、請求項1又は2に記載の作製方法。

【請求項4】
前記多能性幹細胞がヒト人工多能性幹細胞であり、工程(2)がFGF4とWntアゴニストの存在下での培養を含む、請求項1に記載の作製方法。

【請求項5】
前記ヒト人工多能性幹細胞が、腸疾患の患者由来の人工多能性幹細胞である、請求項4に記載の作製方法。

【請求項6】
前記多能性幹細胞がカニクイザル人工多能性幹細胞であり、工程(2)がFGF2とGSK-3阻害剤の存在下での培養を含む、請求項1に記載の作製方法。

【請求項7】
工程(3)の培養において、均一な形状及び大きさの複数のウェルが細胞低接着性又は細胞非接着性の培養面に形成された培養容器を使用し、複数のスフェロイドをまとめて形成させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項8】
BMP阻害剤がNogginであり、Wntシグナル活性化剤がR-spondin-1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項9】
MEK1/2阻害剤がPD98059であり、DNAメチル化阻害剤が5-アザ-2’-デオキシシチジンであり、TGFβ受容体阻害剤がA-83-01であり、γ-セクレターゼ阻害剤がN-[(3,5-difluorophenyl) acetyl]-L-alanyl-2-phenyl-1,1-dimethylethyl ester-glycineである、請求項1~8のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項10】
水溶液中に3次元的網目構造を形成する材料を添加した液体培地を工程(4)の培養に用い、工程(3)で形成させた複数のスフェロイドがまとめて浮遊培養される、請求項1~9のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項11】
前記材料が高分子ゲル及び多糖からなる群より選択される一以上の材料である、請求項10に記載の作製方法。

【請求項12】
前記材料が脱アシル化ジェランガムを含む、請求項10に記載の作製方法。

【請求項13】
工程(4)の培養期間が12日間~36日間である、請求項1~12のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項14】
工程(4)が、以下の工程(4-1)と工程(4-2)を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の作製方法:
(4-1)上皮成長因子、BMP阻害剤及びWntシグナル活性化剤の存在下で培養する工程;
(4-2)上皮成長因子、BMP阻害剤及びWntシグナル活性化剤に加えて、MEK1/2阻害剤、DNAメチル化阻害剤、TGFβ受容体阻害剤及びγ-セクレターゼ阻害剤の存在下で培養する工程。

【請求項15】
工程(4-1)の培養期間が3日間~15日間であり、工程(4-2)の培養期間が3日間~21日間である、請求項14に記載の作製方法。

【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の作製方法で得られた腸管オルガノイド。

【請求項17】
請求項16に記載の腸管オルガノイドを用いた、被検物質の体内動態又は毒性を評価する方法。

【請求項18】
前記体内動態が、代謝、吸収性、膜透過性、薬物相互作用、薬物代謝酵素の誘導、又は薬物トランスポーターの誘導である、請求項17に記載の評価方法。

【請求項19】
以下の工程(I)及び(II)を含む、請求項18に記載の方法:
(I)請求項16に記載の腸管オルガノイドに被検物質を接触させる工程;
(II)被検物質の代謝、吸収性、膜透過性、薬物相互作用、薬物代謝酵素の誘導、又は薬物トランスポーターの誘導、或いは毒性を測定・評価する工程。

【請求項20】
請求項16に記載の腸管オルガノイドを含む、移植材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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