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MAGE-A4由来ペプチドを認識する抗原結合性タンパク質

国内特許コード P200017128
整理番号 (S2017-0793-N0)
掲載日 2020年8月7日
出願番号 特願2019-523909
出願日 平成30年6月5日(2018.6.5)
国際出願番号 JP2018021561
国際公開番号 WO2018225732
国際出願日 平成30年6月5日(2018.6.5)
国際公開日 平成30年12月13日(2018.12.13)
優先権データ
  • 特願2017-111157 (2017.6.5) JP
発明者
  • 珠玖 洋
  • 赤堀 泰
  • 加藤 裕也
  • 宮原 慶裕
出願人
  • 国立大学法人三重大学
発明の名称 MAGE-A4由来ペプチドを認識する抗原結合性タンパク質
発明の概要 【課題】 がん特異的な細胞内抗原を用いたCAR輸注療法に使用できるCAR-T細胞を提供すること。
【解決手段】 MAGE-A4由来ペプチドとHLA-A2複合体を認識する抗体を備えたがん治療用CAR-T細胞であって、前記抗体は、配列番号36のVHのアミノ酸配列と、配列番号38のVLのアミノ酸配列を有するがん治療用CAR-T細胞によって解決される。このとき、前記抗体は、配列番号32のアミノ酸配列を備えることが好ましい。
【選択図】図20
従来技術、競合技術の概要

現在、悪性腫瘍は死亡原因の30%を超え、先進国の第一位の死因である。医療の進歩により完治するがんも存在するものの、治療困難ながんも多く存在している。がんの新規治療法を開発する事は、緊急の課題である。がんの治療法としては、手術、化学療法、放射線療法が三大治療法であり、主としてこれらを組み合わせて治療を行っている。
近年、免疫療法と呼ばれる第四のがん治療法が進展し、その非侵襲性と効果の高さが注目されている。免疫療法は、主としてワクチン療法、抗体療法、細胞輸注療法の3つに大別される。細胞輸注療法には、がん特異的に反応する細胞傷害性T細胞由来のT細胞受容体(T cell receptor : TCR)の遺伝子を患者のリンパ球に体外で導入した後に輸注するT細胞受容体遺伝子導入リンパ球輸注療法と、抗原認識部位としてのscFvと細胞内シグナル伝達分子としてのCD3ζを結合させたキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor : CAR )を患者末梢血リンパ球に導入して輸注する治療法がある。これらの治療法は、抗原特異性を持つリンパ球を受容体遺伝子導入という方法により短期間に大量に作製できるため多様ながん種の患者に対する特異的T細胞治療を可能とする。

TCR遺伝子輸注療法は、ペプチドMHC複合体(peptide-MHC complex : pMHC)を認識してがんを殺すシステムであるため、安全で効果的な治療法であり、世界で開発が進んでいる。しかし、それに使用できるキラーT細胞クローンを単離することが極めて困難であるという問題がある。
一方、CAR輸注療法の利点として次の3点が挙げられる。(1)単鎖抗体(scFv)とT細胞受容体(TCR)や副刺激分子のシグナル伝達ドメインからなるCARを導入したT細胞は、本来のT細胞とは異なり、MHC非依存性にがん抗原を認識し破壊できることから、広範囲の患者に適応可能となる長所を持つ、(2)CD8陽性T細胞だけでなく、CD4陽性T細胞や非T細胞にも機能を与え得る、(3)抗体の反応性を受け継ぐためTCRと比較して、親和性が高い。実際、CAR治療法は、抗CD19抗体を使用したCAR治療法として白血病及びリンパ腫の患者に対して極めて高い臨床効果が報告されている(非特許文献1:文献については、末尾にまとめて示す)。CD19分子はB細胞にも発現されるが、B細胞の消失は免疫グロブリンの補充等で対処可能である。一般的には、がん細胞でのみ発現する抗原を用いることが理想的である。しかし、そのような細胞表面抗原は、現状では見あたらないという課題がある。

一方、細胞内に存在する分子には、がん精巣抗原や、neoantigen等のがん特異的なものが報告されている。しかし、がん特異的な細胞内抗原を用いたCAR輸注療法については、知られていなかった。
このような状況に鑑み、本発明者は、MHCと細胞内抗原由来ペプチドとの複合体を認識する抗体を単離し、その抗体を用いて、CAR免疫療法に応用する方法を考えた。ペプチドMHC複合体を特異的に認識する抗体は、限られた数の成功例しか報告されていない(非特許文献2)。ペプチドMHC複合体を特異的に認識する抗体を取得し、がん細胞を特異的に殺傷するCAR-T細胞を作製することができれば、画期的な治療法と成り得る。ペプチドMHC複合体を認識するCARは、体内にCAR-T細胞を輸注すると同時にCAR-T細胞が特異的に認識するペプチドを投与することで、抗原提示細胞によるCAR-T細胞の増殖が期待できる。

産業上の利用分野

本発明は、MAGE-A4由来ペプチドを認識する抗原結合性タンパク質等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(A)または(B)のポリペプチドを含み、HLA-A2-MAGE-A4複合体を抗原として認識する抗原結合性タンパク質:
(A)配列番号36のVH(重鎖可変領域)のアミノ酸配列と、配列番号38のVL(軽鎖可変領域)のアミノ酸配列とを含むポリペプチド;
(B)配列番号36のVH(重鎖可変領域)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を持つアミノ酸配列と、配列番号38のVL(軽鎖可変領域)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を持つアミノ酸配列とを含むポリペプチド。

【請求項2】
VHとVLとの間に、以下の(C)または(D)のポリペプチドを含む請求項1に記載の抗原結合性タンパク質:
(C)配列番号37のsc(一本鎖)のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(D)配列番号37のsc(一本鎖)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を持つアミノ酸配列を含むポリペプチド。

【請求項3】
請求項1または2に記載のものであって、配列番号32のアミノ酸配列、または配列番号32のアミノ酸配列と90%以上の相同性を持つアミノ酸配列を含むポリペプチドである抗原結合性タンパク質。

【請求項4】
抗原結合性タンパク質が、Fab、Fab'、F(ab')2、Fvまたは一本鎖Fv(scFv)である請求項1~3のいずれか一つに記載の抗原結合性タンパク質。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載の抗原結合性タンパク質をコードする核酸。

【請求項6】
請求項5に記載の核酸を含むベクター。

【請求項7】
請求項1~4のいずれか一つに記載の抗原結合性タンパク質とシグナル伝達タンパク質の細胞内ドメインを含むキメラ抗原受容体。

【請求項8】
シグナル伝達タンパク質がCD3zeta(CD3ζ)鎖または共刺激分子CD(GITR)のいずれかである請求項7に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項9】
更にCD28の細胞内ドメインまたはGITRの細胞内ドメインのいずれかを含む請求項8に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項10】
請求項7~9のいずれか一つに記載のキメラ抗原受容体をコードする核酸。

【請求項11】
請求項10に記載の核酸を含むベクター。

【請求項12】
請求項7~9のいずれか一つに記載のキメラ抗原受容体を発現する細胞。

【請求項13】
請求項12に記載の細胞を有効成分として含有する医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2019523909thum.jpg
出願権利状態 公開
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