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電子スピン測定用ホルダおよび電子スピン測定装置 NEW 新技術説明会

国内特許コード P200017154
掲載日 2020年8月26日
出願番号 特願2018-006469
公開番号 特開2019-124628
出願日 平成30年1月18日(2018.1.18)
公開日 令和元年7月25日(2019.7.25)
発明者
  • 丸本 一弘
出願人
  • 国立大学法人筑波大学
発明の名称 電子スピン測定用ホルダおよび電子スピン測定装置 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】電子スピン測定を行う際に試料の試料管への挿入作業の作業性を向上させること。
【解決手段】電子スピン測定装置(1)の試料管(100)の長手方向に延びる基板部(131)と、測定用素子(120)の第1の電極部(54)に電気的に接続される第1の素子接続部(134)と、測定用素子(120)の第2の電極部(58)に電気的に接続される第2の素子接続部(135)と、基板部(131)上に配置され第1の素子接続部(134)から延びる第1の配線部(132)と、基板部(131)上に配置され第2の素子接続部(135)から延びる第2の配線部(133)と、第1の配線部(132)の他端側に設けられた第1の外部接続部(136)と、第2の配線部(133)の他端側に設けられた第2の外部接続部(137)と、を備えた電子スピン測定用ホルダ(130)。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要 有機薄膜素子のエレクトロニクスへの応用を目指した研究が盛んに行われており、有機薄膜素子として電界効果トランジスタ(FET;Field Effect Transistor)、有機エレクトロルミネッセンス素子(EL;Electro Luminesence 以下有機EL素子ともいう。)、太陽電池などの有機デバイスの開発研究が進められている。有機FETはアモルファスシリコンFETを凌ぐ特性を示して注目されている。有機EL素子は、自発光で高輝度なディスプレイとして本質的に液晶を凌駕する特性を有することから注目され、すでに一部実用化に移されている。

従来行われていた一般的な有機薄膜素子の評価手法は、電気伝導特性評価や、X線を用いて結晶構造を評価する手法である。X線を用いた評価手法としては、X線が結晶格子により回折される現象を利用したX線回折が代表的な例である。X線は、波長の短い電磁波であり、回折の結果を解析して、結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法である。しかしながら、マクロな大きさの試料に対してX線を当てる場合、X線はその表面の数百μmまでしか侵入しない。そのためX線回折法は物質表面に限定して結晶構造を調べる目的に限られた評価手法である。このように、従来から用いられているマクロな評価手法では有機界面層の電荷キャリアの状態や電気的な伝導機構を解明することはできなかった。

これに対して、ミクロな現象の評価手法として、物質中に存在する不対電子に注目してそのスピン状態を観測して電気的な伝導機構を直接評価する方法がある。電子にはスピンと呼ばれる性質があり、それ自身が角運動量と磁気モーメントをもっているため、磁場を加えると、その中の不対電子のスピンのエネルギー状態は2つの準位に分裂する。この現象を利用して物質中にある不対電子を含む試料を数千ガウスの磁場中において不対電子のスピンの遷移に伴うマイクロ波の吸収による共鳴現象を観測するものがある。

このため、物質中の電荷キャリアをなるべく多量に蓄積することにより不対電子の電子スピン状態が観測可能となる。このような理由から、電荷キャリアが蓄積可能な絶縁層が用いられている有機電界効果デバイスでの測定結果については報告されている。例えば、MIS(Metal Insulator Semiconductor)界面、TFT(Thin Film Transistor)やFET界面における電子スピン状態の観測によるミクロ評価により、デバイス中の分子集合体構造や、その中に電界注入された電荷キャリアの電子状態が明らかにされてきている。

電子スピンを直接評価する方法として、下記の特許文献1に記載の技術が従来公知である。
特許文献1(特許第5578436号公報)に記載の電子スピン測定装置(1)では、試料を測定用素子(120)に設置して、測定用素子(120)を細長い試料管(100)に挿入する。そして、試料管(100)を空洞共振器(200)に挿入して、強い磁場を当てると共に、マイクロ波を照射して、磁気波の吸収を位相検出器(250)で検出し、信号解析器(260)で解析する。このとき、測定用素子(120)には、配線(130)を通じて電気特性測定装置(310)に接続されており、電気特性測定装置(310)で測定用素子(120)を駆動しながら電気特性の測定も行っている。
産業上の利用分野 本発明は、電子スピンを測定する対象の試料を保持する電子スピン測定用ホルダおよび電子スピン測定用ホルダを使用する電子スピン測定装置に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
電子スピン測定装置の試料管に収容される測定用素子を支持可能な電子スピン測定用ホルダであって、
前記試料管の長手方向に延びる基板部と、
前記基板部の一端部に配置され且つ前記測定用素子の第1の電極部に電気的に接続される第1の素子接続部と、
前記基板部の一端部に配置され且つ前記測定用素子の第2の電極部に電気的に接続される第2の素子接続部と、
前記基板部上に配置され、前記第1の素子接続部から前記基板部の他端部に向けて延びる第1の配線部と、
前記基板部上に配置され、前記第2の素子接続部から前記基板部の他端部に向けて延びる第2の配線部と、
前記第1の配線部の他端側に設けられ、電気特性測定装置に電気的に接続可能な第1の外部接続部と、
前記第2の配線部の他端側に設けられ、電気特性測定装置に電気的に接続可能な第2の外部接続部と、
を備えたことを特徴とする電子スピン測定用ホルダ。

【請求項2】
前記試料管の長手方向に対して周期的に交差する波状に形成された前記各配線部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子スピン測定用ホルダ。

【請求項3】
前記第1の素子接続部と前記第1の配線部と前記第1の外部接続部とが配置された第1の基板部と、前記第2の素子接続部と前記第2の配線部と前記第2の外部接続部とが配置された第2の基板部と、を有する前記基板部、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子スピン測定用ホルダ。

【請求項4】
前記試料管の長手方向に対して、前記第2の素子接続部よりも前記基板部の一端側に配置された前記第1の素子接続部と、
前記試料管の長手方向に対して、前記第2の素子接続部よりも一端側の配線部分が、前記第2の素子接続部よりも他端側の配線部分に比べて細線状に形成されると共に、前記試料管の長手方向に対して交差する前記基板部の幅方向に対して、中央部に配置された前記第1の配線部と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子スピン測定用ホルダ。

【請求項5】
電子スピンを測定する対象の試料を支持し、前記試料に接触する第1の電極部および第2の電極部とを有する測定用素子と、
前記測定用素子が底部に収容される細長い試料管と、
前記試料管が挿入される空洞共振器と、
前記試料管の長手方向に延びる基板部と、前記基板部の一端部に配置され且つ前記第1の電極部に電気的に接続される第1の素子接続部と、前記基板部の一端部に配置され且つ前記第2の電極部に電気的に接続される第2の素子接続部と、前記第1の素子接続部から前記基板部の他端部に向けて延びる第1の配線部と、前記第2の素子接続部から前記基板部の他端部に向けて延びる第2の配線部と、前記第1の配線部の他端側に設けられた第1の外部接続部と、前記第2の配線部の他端側に設けられた第2の外部接続部と、を有し、前記測定用素子を支持可能なホルダと、
前記各外部接続部に電気的に接続され、前記試料の電気的な特性を測定する電気特性測定装置と、
前記試料からの電子スピン共鳴信号を測定するスピン測定部と、
を備えたことを特徴とする電子スピン測定装置。
画像

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thum_JPA 501124628_i_000002.jpg
出願権利状態 公開
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