TOP > 国内特許検索 > 炭素繊維人工藻場および複数種類の炭素繊維人工藻を組み合わせてなる炭素繊維人工藻場システム

炭素繊維人工藻場および複数種類の炭素繊維人工藻を組み合わせてなる炭素繊維人工藻場システム

国内特許コード P020000092
整理番号 U1999P079
掲載日 2003年5月27日
出願番号 特願平11-327248
公開番号 特開2001-136861
登録番号 特許第3331372号
出願日 平成11年11月17日(1999.11.17)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
登録日 平成14年7月26日(2002.7.26)
発明者
  • 小島 昭
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 炭素繊維人工藻場および複数種類の炭素繊維人工藻を組み合わせてなる炭素繊維人工藻場システム
発明の概要 【課題】 微生物膜が急速に付着して、二次的な微生物、小生物群が大量、且つ急速に集合し、稚い水中生物および成長した水中生物を含んだ食物連鎖ができ、産卵床となり、これらによって連続した世代の交代を可能にする人工藻場および人工藻場システムを提供することにある。
【解決手段】 炭素繊維を主材料とした人工藻を具える人工藻場において、前記人工藻として、水底固定具によって水底の所定位置に位置決めするとともに浮体によって水中に立ち上げさせた紐状または3cm未満の巾の帯状の芯材の長手方向に沿う5cmから40cmまでの間隔の複数箇所の片側または両側に1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散して房状に膨らむようにした房状人工藻を具えることを特徴とするものである。
従来技術、競合技術の概要


魚類等の水中生物の生育環境を提供する人工物としては従来、人工藻や、人工漁礁、人工増殖礁、人工着卵材などが知られており、従来の人工藻およびそれを複数有する人工藻場の材料には通常、ポリプロピレンなどの合成樹脂成形品が用いられている。比重が1以下であるポリプロピレンを用いた人工藻は、水底に固定すると自然に立ち上がる。また海用の人工藻場の中には、潮流に耐えるようポリプロピレン製葉状物の幅が広くなった人工海草を用いているものもある。しかしながら、このような構造をもつポリプロピレン製人工海草は、水のわずかな流れや乱れ程度ではほとんど揺動しない。またポリプロピレンでは炭素繊維フィラメントのような極細繊維を作ることは困難である。
また従来の人工魚礁には、コンクリート製、鋼製、プラスチック製など様々な物が使用されている。これらはいずれも大型の構築物で、海中に設置して魚類の増殖を目指すものである。また、沈没船にも同様の効果が見られることから、廃船処理の一法として沈没船を人工魚礁に利用する試みもある。特に昨今はFRP製漁船が多用されていることから、その処分法として炭化後、海中に沈め、人工魚礁として利用する試みもある。
そして人工増殖礁も、従来から多数製作されている。人工増殖礁は、対象生物として回遊性魚類から、磯根資源としての貝類、ウニ、エビ、ナマコあるいはそれらの隠れ場や餌さ場となる海藻にいたるまで幅広く利用されている。人工増殖礁は、素材としては鋼類が主体であり、構造物全体として藻場機能を示すものである。
人工着卵材としては、種々の製品が製造されている。それらは主として合成樹脂成形品であり、ポリプロピレンやビニロンを主原料とする製品が多い。ビニロンからなる人工着卵材(着卵藻)としては、クラレ株式会社が販売している「きんらん(商品名)」がある。この着卵藻は、親水性のグリーン色糸からなり、形態が自由に変えられることから、設置場所の制限が少ない。また、水中では柔軟になることから魚体を痛めることもないなどの特徴を持っており、琵琶湖でのニゴロブナやモロコの産卵、孵化、初期保育に効果が見られている。また、群馬県赤城山大沼では、公魚の着卵材としてきんらんが利用されている。
上述したように、人工藻場や人工魚礁として従来使用されてきた素材は、合成樹脂からなるフィルム、繊維、帯および網などであった。その他、コンクリート構造物、鉄鋼製品、廃棄された船などもあった。また人工着卵材は、天然物であるシュロの木の表皮、ビニロンなどが主であった。しかしながら上述の如き各種素材からなる人工物は、微生物膜が急速に付着する機能や、二次的な微生物、小生物群が大量、且つ急速に集合する機能、そして稚い水中生物および成長した水中生物を含めた食物連鎖ができる機能や、産卵床となる機能などを保持していなかった。

産業上の利用分野


本発明は、魚類等の水中生物の生育環境を提供する人工物に関し、特には、炭素繊維を主材料とした人工藻によって、水中生物の集合場、隠れ場、産卵場、餌場、育成場などを形成した炭素繊維人工藻場および、炭素繊維を主材料とした人工藻を複数種類組み合わせた人工藻場システムに関するものである。かかる炭素繊維人工藻場および炭素繊維人工藻場システムは、淡水、海水いずれの水環境に限られずに、既存の魚等の再生産を促進するので、水中生物に係わる漁業、水産業、養殖業などに広く利用することができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
炭素繊維を主材料とした人工藻を具える人工藻場において、
前記人工藻として、水底固定具によって水底の所定位置に位置決めするとともに浮体によって水中に立ち上げさせかつ水面下の水中にその浮体を維持する長さにした紐状または3cm未満の巾の帯状の芯材の長手方向に沿う5cmから40cmまでの間隔の複数箇所の片側または両側に性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散して房状に膨らむようにした房状人工藻を具えることを特徴とする、炭素繊維人工藻場。

【請求項2】
炭素繊維を主材料とした人工藻を具える人工藻場において、
前記人工藻として、水底固定具によって水底の所定位置に位置決めするとともに浮体によって水中に立ち上げさせかつ水面下の水中にその浮体を維持する長さにした3cmから8cmまでの巾の帯状の芯材の長手方向に沿う2cmから10cmまでの間隔の複数箇所の両側にそれぞれ弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された合計60K から180Kまでの1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散してなびくようにしたムカデ状人工藻を具えることを特徴とする、炭素繊維人工藻場。

【請求項3】
炭素繊維を主材料とした人工藻を具える人工藻場において、
前記人工藻として、水底固定具によって水底の所定位置に位置決めするとともに浮体によって水中に筒状に立ち上げさせかつ水面下の水中にその浮体を維持する長さにした枡目状の芯材の長手方向および周方向に沿う複数箇所にそれぞれ弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散してなびくようにした筒状人工藻を具えることを特徴とする、炭素繊維人工藻場。

【請求項4】
炭素繊維を主材料とした人工藻を具える人工藻場において、
前記人工藻として、棚状の剛性材料で形成して水底の所定位置に位置決めした囲いを前記水底固定具とした請求項1記載の房状人工藻を具えるとともに、
前記囲いに、紐状または3cm未満の巾の帯状の芯材の長手方向に沿う5cmから40cmまでの間隔の複数箇所の片側または両側に弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散して房状に膨らむようにした房状人工藻および、3cmから8cmまでの巾の帯状の芯材の長手方向に沿う2cmから10cmまでの間隔の複数箇所の両側にそれぞれ弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された合計60K から180Kまでの1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散してなびくようにしたムカデ状人工藻帯のうち少なくとも一方を張り渡して具えることを特徴とする、棚状炭素繊維人工藻場。

【請求項5】
前記芯材を炭素繊維編織品で形成したことを特徴とする、請求項1から4までの何れか記載の炭素繊維人工藻場。

【請求項6】
炭素繊維を主材料とした人工藻を具える人工藻場を複数種類組み合わせてなる人工藻場システムにおいて、
前記人工藻場として、
水底固定具によって水底の所定位置に位置決めするとともに浮体によって水中に立ち上げさせかつ水面下の水中にその浮体を維持する長さにした紐状または3cm未満の巾の帯状の芯材の長手方向に沿う5cmから40cmまでの間隔の複数箇所の片側または両側に弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散して房状に膨らむようにした房状人工藻を具える房状人工藻場と、
水底固定具によって水底の所定位置に位置決めするとともに浮体によって水中に立ち上げさせかつ水面下の水中にその浮体を維持する長さにした3cmから8cmまでの巾の帯状の芯材の長手方向に沿う2cmから10cmまでの間隔の複数箇所の両側にそれぞれ弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された合計60K から180Kまでの1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散してなびくようにしたムカデ状人工藻を具えるムカデ状人工藻場と、
水底固定具によって水底の所定位置に位置決めするとともに浮体によって水中に筒状に立ち上げさせかつ水面下の水中にその浮体を維持する長さにした枡目状の芯材の長手方向および周方向に沿う複数箇所にそれぞれ弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散してなびくようにした筒状人工藻を具える筒状人工藻場と、
棚状の剛性材料で形成して水底の所定位置に位置決めした囲いに、紐状または3cm未満の巾の帯状の芯材の長手方向に沿う5cmから40cmまでの間隔の複数箇所の片側または両側に弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散して房状に膨らむようにした房状人工藻および、3cmから8cmまでの巾の帯状の芯材の長手方向に沿う2cmから10cmまでの間隔の複数箇所の両側にそれぞれ弾性率100GPa~400GPaの炭素繊維フィラメントからなり水溶性のサイジング剤が塗布された合計60K から180Kまでの1本または複数本の炭素繊維ストランドの一端部を固定して水中で前記各箇所の炭素繊維ストランドが多数本の炭素繊維フィラメントに分散してなびくようにしたムカデ状人工藻のうち少なくとも一方を張り渡して具える棚状炭素繊維人工藻場と、
のうち二種類以上の人工藻場を組み合わせてなることを特徴とする、炭素繊維人工藻場システム。

【請求項7】
前記芯材を炭素繊維編織品で形成したことを特徴とする、請求項6記載の炭素繊維人工藻場システム。
国際特許分類(IPC)
  • A01K 61/00    317
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP1999327248thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close