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マグネトロンスパッタガン及びマグネトロンスパッタ薄膜作製装置 NEW

国内特許コード P200017202
整理番号 17T143
掲載日 2020年9月15日
出願番号 特願2018-050765
公開番号 特開2019-163495
出願日 平成30年3月19日(2018.3.19)
公開日 令和元年9月26日(2019.9.26)
発明者
  • 春本高志
  • 史蹟
  • 中村吉男
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
発明の名称 マグネトロンスパッタガン及びマグネトロンスパッタ薄膜作製装置 NEW
発明の概要 【課題】マグネトロンスパッタ薄膜作製装置のカソード部の温度上昇を抑制でき、更に、冷却水による冷却が不要であり設備コストを低減することのできるマグネトロンスパッタガンや、それを用いたマグネトロンスパッタ薄膜作製装置を提供する。
【解決手段】シールドカバー15と、ターゲットtを保持するためのターゲット保持手段11と、ターゲットtの表面上に磁場を発生させるための永久磁石12と、ターゲットt及び永久磁石12を冷却するための冷却手段とを有するマグネトロンスパッタガン10であって、冷却手段が非水冷式の熱バラスト13であることを特徴とするマグネトロンスパッタガン10により上記課題を解決した。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 スパッタ法(スパッタリング)とは、真空槽中に基板とターゲット(スパッタ膜の原材料となる部材)を配置し、プラズマによって生成させたアルゴンイオン(Ar+)等をターゲット表面に高速で衝突させることにより、ターゲット表面から叩き出された原材料の蒸気を基板上に堆積させる手法である。
スパッタ法による薄膜の成膜では、緻密な膜を形成できる、高融点物質にも適用できる、電圧で放電させるだけであり装置を比較的簡単な構成とすることができる、等の利点があり、電子部品、光学薄膜等の多くの製品の生産にスパッタ法が使用されている。

スパッタ法においては、アルゴン等の導入ガスの圧力を、放電を維持できる程度に上げなければならないが、反面、圧力が高過ぎると、ターゲット表面から叩き出された蒸気が基板に到達しにくくなる(成膜速度が小さくなる);該蒸気の持つ運動エネルギーが低下し緻密な膜ができにくくなる;プラズマが作製中の膜の近くに存在し膜質に悪影響を与える;といった課題がある。

マグネトロンスパッタ法(マグネトロンスパッタリング)は、永久磁石を使用することによりプラズマを安定化し、ターゲットの近傍に拘束する方法である。マグネトロンスパッタ法によれば、低圧や低電圧での成膜が可能であり、上記のような課題を解決することができる。
マグネトロンスパッタ法は、近年では、スパッタ法の中で最も一般的な手法となっており、真空槽に組み込んで使用することのできるマグネトロンスパッタガン(「マグネトロンスパッタ源」、「マグネトロンスパッタカソード」等と呼称される場合もある。)が種々市販されている。

マグネトロンスパッタ薄膜作製装置においては、プラズマの発生による温度上昇に起因する永久磁石の磁気特性の変化が問題となる。このため、カソード部(永久磁石やターゲットの近傍)を冷却水により冷却するのが一般的であり、市販のマグネトロンスパッタガンには、冷却水用の配管が付属されている。

マグネトロンスパッタガンにおける冷却水の配置については、様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1には、ターゲットの基板側ではない面に取り付けられたバッキングプレートの外側に冷却手段を設けることで、ターゲットの冷却をターゲットの外周部から行う構造となっており、ターゲットを適切に冷却することのできるマグネトロンスパッタ薄膜作製装置が記載されている。
また、特許文献2には、磁界形成部を1つの磁石によって構成し、磁界形成部と冷却部とを分離したマグネトロンスパッタ薄膜作製装置が記載されている。

マグネトロンスパッタガンの種類によっては、永久磁石が直接冷却水によって冷却される(永久磁石が冷却水に接触する)場合があり、このような場合、永久磁石の腐食による機能低下も問題となる。
特許文献3に記載のマグネトロンスパッタ薄膜作製装置では、希土類磁石の水と接触する側の面にエポキシ樹脂被膜を設けることにより、耐食性を改善している。

特許文献1~3に記載のものを含め、従来のマグネトロンスパッタ薄膜作製装置においては、ターゲット付近の狭い部分に、真空部と冷却部という2つの部分(場合によっては、大気圧部を加えた3つの部分)が混在することとなる。例えば、直径1インチのターゲット用のマグネトロンスパッタガンでは、直径30mm、高さ10mm程の円柱状の空間に、これらの2つ(又は3つ)の部分が混在することになる。
このため、マグネトロンスパッタガンの製造には、高度な真空技術が必要であり、それ故に、コストを下げることは困難となっている。また、冷却部(冷却水の流路)と真空部が近接していることにより、高度な真空技術をもってしても、真空槽内への水の侵入によるガス放出を防止することは困難であり、真空度の悪化につながっている。

更に、近年、研究開発用のマグネトロンスパッタ薄膜作製装置においては、ターゲットの小型化が進行しており、また、nmオーダーの極薄膜が研究の対象となっている。
すなわち、研究開発におけるマグネトロンスパッタ法では、短時間で、小さな投入電力で成膜を行うことが多くなってきており、結果、カソード部で消費されるエネルギーは激減している。例えば、333V、15mA(5W)で、1時間プラズマを点灯した場合(後述の実施例1)の消費エネルギーは、わずか18kJ(1Lの水の温度を4.3℃上昇させる熱量)に過ぎない。

現在市販されているマグネトロンスパッタガンでは、1~2L/min程度の冷却水を流した状態で使用することが推奨されているが、上記のようなわずかな熱量の発生を抑えるために、絶えず冷却水を循環させるのは、過剰設備といえる。

このため、特に、研究開発用として、ガス放出を防止でき、また、設備コストを低減することのできるマグネトロンスパッタ薄膜作製装置の開発が望まれている。
産業上の利用分野 本発明は、マグネトロンスパッタガン及びマグネトロンスパッタ薄膜作製装置に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
シールドカバーと、ターゲットを保持するためのターゲット保持手段と、該ターゲットの表面上に磁場を発生させるための永久磁石と、該ターゲット及び該永久磁石を冷却するための冷却手段とを有するマグネトロンスパッタガンであって、該冷却手段が非水冷式の熱バラストであることを特徴とするマグネトロンスパッタガン。

【請求項2】
上記熱バラストの体積が、20cm以上500cm以下である請求項1に記載のマグネトロンスパッタガン。

【請求項3】
ターゲット径が2インチ以下のターゲット用である請求項1又は請求項2に記載のマグネトロンスパッタガン。

【請求項4】
上記永久磁石が、耐熱ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石又はアルニコ磁石である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のマグネトロンスパッタガン。

【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載のマグネトロンスパッタガン、及び、ターゲットを、真空槽に設置したことを特徴とするマグネトロンスパッタ薄膜作製装置。

【請求項6】
上記マグネトロンスパッタガンが真空槽中の可動部に設置されている請求項5に記載のマグネトロンスパッタ薄膜作製装置。

【請求項7】
上記熱バラストの主要部が、上記真空槽の壁面より離れて位置している請求項5又は請求項6に記載のマグネトロンスパッタ薄膜作製装置。
画像

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thum_JPA 501163495_i_000002.jpg
出願権利状態 公開
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