化合物半導体、コンタクト構造、半導体素子、透明電極、化合物半導体の製造方法及びスパッタガン
国内特許コード | P200017226 |
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整理番号 | AE06-02WO |
掲載日 | 2020年9月30日 |
出願番号 | 特願2019-521337 |
登録番号 | 特許第6788302号 |
出願日 | 平成30年6月1日(2018.6.1) |
登録日 | 令和2年11月4日(2020.11.4) |
国際出願番号 | JP2018021122 |
国際公開番号 | WO2018221711 |
国際出願日 | 平成30年6月1日(2018.6.1) |
国際公開日 | 平成30年12月6日(2018.12.6) |
優先権データ |
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発明者 |
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出願人 |
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発明の名称 |
化合物半導体、コンタクト構造、半導体素子、透明電極、化合物半導体の製造方法及びスパッタガン
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発明の概要 | 従来、製造が困難であった低抵抗性の窒化物化合物半導体を提供する。さらに、高い電子移動度を示すので、高性能の半導体デバイスを構成することができる。本発明により、室温~700℃のプロセス雰囲気下のパルススパッタリング法によって、大面積の基板上に成膜し得て、移動度が70~140cm2/(V・S)であるn型導電型の13族窒化物半導体を良好な生産性で提供することができる。 |
従来技術、競合技術の概要 |
GaNやInNといった13族窒化物半導体を利用したデバイスが広く実用化されてきている。従来、このような13族窒化物半導体の結晶成長には、MOCVD法やMBE法が用いられている。しかし、MOCVD法では1000℃を超えるプロセス温度が必要となる。MBE法は低温で化合物半導体の成膜することができるが、成膜面積に限度があることや生産コストが高く量産に向いてはいない。 また、MBE法においては、高濃度にドナーを添加すると、結晶構造の伝導帯近傍の禁制帯中に生じた高濃度ドナー準位による吸収が発生する。そのため、成膜した化合物半導体の透明度が低下するという問題がある。このようなことから、化合物半導体の生産、主として窒化物半導体の実用的な生産には、MOCVD法が用いられている(非特許文献1)。 現在、高耐圧で低オン抵抗の特性を合わせ持つ次世代の電子デバイスが求められている。そのためには、2元系、3元系または4元系の化合物半導体、より具体的には、13族窒化物半導体を用いた化合物半導体素子の実現が求められている。そのためには、化合物半導体の結晶のさらなる高品質化と、ドーピング技術の精緻化が求められる。特に、GaN基板上に形成される縦型パワーデバイスにおいては、n型ドリフト層の炭素濃度の低減と、電子移動度の向上が急務である。先行技術として以下の文献をあげることができる。 特許文献1には、銅基板上に金属窒化物からなるバッファ層、半導体層が備えられた半導体素子が開示されている。 特許文献2には、厚みが10~100μmで、焼結されたポリマーを含み、耐熱性を有する可撓性を有するグラファイト基板上に設けられたHfNをバッファ層とし、バッファ層上に設けられたGaNからなる半導体層とを備えた半導体基板の実施例が開示されている。また、特許文献3には、ZnO基板上にIII-V族の化合物半導体をエピタキシャル成長させる製造方法が開示されている。 特許文献4と特許文献5は窒化物半導体に関するものであるが本明細書の段落0167以降において説明を行う。 次に、上記した非特許文献1には、MOCVDを用いて形成したn型GaN半導体層の物性に関する研究成果が開示されている。非特許文献2にはp型のGaN半導体層の接触抵抗に関する研究成果が開示されている。非特許文献3には、InGaNをベースとしたLED素子のp型GaNをPSD法で低温成長で製造する研究成果が開示されている。非特許文献4には、シリコンにおける電子の移動度とドーピング濃度についての研究成果が開示されている。 非特許文献5には、GaNにおけるキャリア移動度のモデルについての研究成果が開示されている。非特許文献6には、PSD法で形成したp型のGaNに対する接触抵抗の評価に関する研究成果が開示されている。非特許文献7には、LEDをガラス上に作成した実験例が開示されている。非特許文献8には、PSD法を用いて成長させた窒化物単結晶に関する研究成果が開示されている。非特許文献9には、オン抵抗が極めて低いノーマリーオフ型のGeドープGaNトランジスタが開示されている。 非特許文献10には、低抵抗でキャリア濃度が高いSiドープAlGaNの研究成果が開示されている。非特許文献11には、Si濃度を2×1016cm-3で移動度が1034cm2/(V・s)の実験例が開示されている。非特許文献12には、PSD法でGeをドープしたGaNのエピタキシャル成長膜について開示されている。 |
産業上の利用分野 |
本発明は化合物半導体とその製造方法に関する。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】 窒素と13族元素であるB、Al、GaまたはInからなる群より選ばれる一つの元素を含有する2元系、3元系または4元系の化合物半導体であって、 電子濃度と比抵抗の二つの物性値の組み合わせについて、 (a)電子濃度が1.8×1020cm-3、且つ、比抵抗が0.25×10-3Ω・cm、 (b)電子濃度が3.6×1020cm-3、且つ、比抵抗が0.25×10-3Ω・cm、 (c)電子濃度が6×1020cm-3、且つ、比抵抗が0.15×10-3Ω・cm、 及び、 (d)電子濃度が3×1020cm-3、且つ、比抵抗が0.15×10-3Ω・cm、 の4点で囲まれた数値条件を満たす化合物半導体。 【請求項2】 比抵抗が0.190×10-3Ω・cm以下である請求項1に記載の化合物半導体。 【請求項3】 Siを含有する請求項1に記載の化合物半導体。 【請求項4】 AFMによる表面粗さ測定で得られるRMS値が1.5nm以下である請求項1、2または3に記載の化合物半導体。 【請求項5】 n型導電性であり、電子移動度が80cm2/(V・s)以上である請求項1、2、3 または4に記載の化合物半導体。 【請求項6】 n型導電性であり、電子移動度が130cm2/(V・s)以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物半導体。 【請求項7】 GaとNを主成分とする請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物半導体。 【請求項8】 前記13族元素としてGaを含み、さらにAl及び/またはInを含有する請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物半導体。 【請求項9】 Geを含有する請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物半導体。 【請求項10】 請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物半導体が用いられた導電部と電極とが接続されてなるコンタクト構造。 【請求項11】 請求項10に記載のコンタクト構造が備えられた半導体素子。 【請求項12】 請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物半導体が用いられた透明電極。 【請求項13】 窒素と13族元素であるB、Al、GaまたはInからなる群より選ばれる一つの元素を含有する2元系、3元系または4元系の化合物半導体の製造方法であって、 希ガス、窒素ガス、及び酸素を含むプロセス雰囲気で、少なくともGaを含むターゲット金属をチャンバ内でパルススパッタリングし、 成長レートを450nm/h以下とし、0.4×10-3Ω・cm以下の比抵抗を有する化合物半導体を成膜する化合物半導体の製造方法。 【請求項14】 請求項13の化合物半導体の製造方法において、成膜時の基板温度を700℃以下で行う化合物半導体の製造方法。 【請求項15】 請求項13または14の化合物半導体の製造方法において、成長レートを90~450nm/hに設定する化合物半導体の製造方法。 【請求項16】 請求項13、14または15に記載の化合物半導体の製造方法において、プロセス雰囲気に酸素ガスを供給する化合物半導体の製造方法。 【請求項17】 請求項13~16のいずれか1項に記載の化合物半導体の製造方法において、酸素ガスをチャンバ内に供給することなく、チャンバ内の残留成分に含まれる酸素成分、または、他の原料ガス若しくはターゲット金属に含まれる微量な酸素成分を用いてスパッタリングを行う化合物半導体の製造方法。 【請求項18】 請求項13~17のいずれか1項に記載の化合物半導体の製造方法において、化合物半導体を成膜する面とターゲット金属との距離を10~50cmに設定する化合物半導体の製造方法。 【請求項19】 請求項13~18のいずれか1項に記載の化合物半導体の製造方法に用いられるスパッタガンであって、 ターゲット金属がスパッタガンのヘッド部に備えられ、ヘッド部が基板電極に対向するようにチャンバに組み込まれ、 ヘッド部の有効サイズが1インチ~4インチであるスパッタガン。 【請求項20】 請求項19に記載のスパッタガンにおいて、平面形状が円形または矩形であるターゲット金属をヘッド部に搭載するように構成されてなるスパッタガン。 |
国際特許分類(IPC) |
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Fターム |
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画像
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出願権利状態 | 登録 |
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