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表面改質ナノセルロース及びその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P200017240
整理番号 20018,(S2019-0562-N0)
掲載日 2020年10月15日
出願番号 特願2020-134637
公開番号 特開2021-025055
出願日 令和2年8月7日(2020.8.7)
公開日 令和3年2月22日(2021.2.22)
優先権データ
  • 特願2019-145614 (2019.8.7) JP
発明者
  • 安藤 義人
  • エクシラ クブラ
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 表面改質ナノセルロース及びその製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】ナノセルロースの表面が、-OCO-R(Rは、アミノ基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれる少なくも1種で置換された脂肪族基、芳香族基又はこれらを組み合わせた基である。)で示される修飾基で修飾されているナノセルロース、及びナノセルロースの表面改質を行うことができる簡便で新規な方法を提供する。
【解決手段】ルイス酸を有するイオン液体の存在下、ナノセルロース及びカルボン酸誘導体を混合するメカノケミカル工程と、メカノケミカル工程で得られた混合物からイオン液体を除去する除去工程とを有する表面改質ナノセルロースの製造方法である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

セルロースは、最も豊富な再生可能な物質であり、古い時代から近代技術社会に至るまで継続して使用されている。植物由来の繊維であるセルロースは、環境負荷が小さく、かつ持続型資源であるとともに、高弾性率、高強度、低線膨張係数などの優れた特性を有する。そのため、幅広い用途、例えば、紙、フィルムやシートなどの材料、樹脂の複合材料(例えば、樹脂の補強剤)などとして利用されている。特に、微細化したナノセルロース(ナノファイバーなど)は、樹脂の補強剤として有用であり、樹脂との複合化に向けて多くの試みがなされている。

また、セルロースは、ポリスチレン等の合成高分子にはない下記のような様々な特徴を有している。
(1)生分解性のポリマーであり環境に対し無害であるとみなされている。
(2)吸水性、吸油性の両方を有する両親媒性ポリマーである。
(3)化学的に比較的安定であり溶解しにくい。
(4)耐熱性を有し高温でも溶解しない。
(5)水酸基を多く有し化学修飾が容易である。
(6)賦型性、成形性を有している。
(7)天然物由来であり、人体に対し無害であるとみなされている。
(8)蛋白質などの物質との相互作用を起こしにくく吸着を起こさない。
(9)容易に燃焼し有害物の発生がない。

上記(1)~(9)の特徴を生かし、セルロース粉末やその分散液は様々な用途に適応されている。例えば、上記プラスチック増量剤、プラスチックフィラー等の他、外装塗料用改質材、コート剤、繊維壁用素材、分散安定剤、各種分画用カラム充填剤、酵素支持体、微生物培養担体、細胞培養担体、濾材、吸着剤、医薬物賦型材、医薬物崩壊材、医薬物増量剤、増粒基材、食品用増粘調整剤、チキソ性付与材、化粧用ファウンデーション基材、焼成法触媒製造用成型剤、感圧複写紙用配合剤等、その用途は多方面に及んでいる。

分散液とすることで、分散媒体と特異的に作用し、分散液の挙動に特異的な影響を与えることも知られている。さらには、セルロースの持つ水酸基を化学反応させることで得られるセルロース誘導体の微粒子も同様に様々な用途に用いられている。

様々な用途で高機能を得るためには、セルロースの形態及びその表面状態が重要である。セルロースの形態について、これまで、上記のような用途に応じて、様々な特徴を持ったセルロース微粒子が用いられている。例えば、物理的微細化又は化学的微細化によって提供されたものや、溶解させたセルロース液滴を調製し凝固再生することによって提供されたもの等が用いられている。

前者のセルロース微粒子の例としては、特許文献1及び2に記載のものがある。また、後者のセルロース微粒子の例としては、特許文献3に記載のものがある。

また、ナノセルロースと樹脂との複合化を容易に行うべく、ナノセルロースの表面改質等の様々なアプローチがなされている。例えば、溶媒中で、ラジカルで活性化処理されたセルロース繊維と9,9-ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを反応させて得た修飾セルロース繊維が提案されている(特許文献4参照)。また、セルロースに、ヒドロキシル基を有する高分子をハロゲン化誘導体とした後の機能性化合物をカップリングし、官能基変換する方法が提案されている(特許文献5参照)。また、出発物質としてナトリウム塩にしたカルボキシメチル化されたセルロースを用いて、セルロース骨格にエポキシ基を導入した化合物が提案されている(非特許文献1参照)。

さらに、エステル化反応を利用してナノセルロースの表面の変性を行った変性ナノセルロース及びナノセルロースを含む樹脂組成物の技術が提案されている(特許文献6参照)。この特許文献6では、ナノセルロースを脂環式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有する基で化学修飾しており、これにより、樹脂との分散性や密着性の向上を図っている。

産業上の利用分野

本発明は、表面を改質したナノセルロース及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノセルロースの表面が、-OCO-R(Rは、アミノ基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれる少なくも1種で置換された脂肪族基、芳香族基又はこれらを組み合わせた基である。)で示される修飾基で修飾されていることを特徴とする表面改質ナノセルロース粉末。

【請求項2】
有機材料又は無機材料の複合化に用いられることを特徴とする請求項1記載の表面改質ナノセルロース粉末。

【請求項3】
イオン液体の存在下、ナノセルロース及びカルボン酸誘導体をメカノケミカル処理するメカノケミカル工程を有することを特徴とする表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項4】
前記イオン液体が、ルイス酸性を有していることを特徴とする請求項3記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項5】
前記イオン液体のカチオンが、イミダゾリウムカチオンであることを特徴とする請求項3又は4記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項6】
前記イオン液体のアニオンが、硫酸水素アニオンであることを特徴とする請求項3~5のいずれか記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項7】
前記カルボン酸誘導体が、R’-COOH(R’は、有機基を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項3~6のいずれか記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項8】
前記カルボン酸誘導体のR’が、アミノ基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれる少なくも1種で置換された脂肪族基、芳香族基又はこれらを組み合わせた基であることを特徴とする請求項7記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項9】
前記メカノケミカル工程において有機溶媒を用いないことを特徴とする請求項3~8のいずれか記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項10】
前記イオン液体が、カルボン酸誘導体1molに対して、1~10mol添加されることを特徴とする請求項3~9のいずれか記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。

【請求項11】
前記メカノケミカル工程において、ナノセルロースが解繊されることを特徴とする請求項3~10のいずれか記載の表面改質ナノセルロースの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2020134637thum.jpg
出願権利状態 公開
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