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ガラス溶融炉の底部電極 UPDATE

国内特許コード P200017259
整理番号 11619
掲載日 2020年11月2日
出願番号 特願2003-316747
公開番号 特開2005-083913
登録番号 特許第3766828号
出願日 平成15年9月9日(2003.9.9)
公開日 平成17年3月31日(2005.3.31)
登録日 平成18年2月3日(2006.2.3)
発明者
  • 吉岡 正弘
  • 遠藤 昇
  • 池田 秀雄
  • 豊嶌 至
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 ガラス溶融炉の底部電極 UPDATE
発明の概要 【課題】 供給電力が制限されることなく、ガラスの流下開始までの時間を短縮できるガラス溶融炉の底部電極を提供する。
【解決手段】 耐火煉瓦製の炉本体2の底部に設けられ、その中央部に流下孔3を備えたガラス溶融炉1の底部電極4において、電極本体4の頂面に、上記炉本体2内の傾斜面と連続して流下孔3方向に延びる傾斜面13を形成すると共に、その傾斜面13上に上記炉本体2から落下する煉瓦屑を受け止める煉瓦屑受け11を、鋳造により上記電極本体10と一体に形成した。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

使用済み核燃料の再処理後に生ずる高レベル放射性廃液は、極めて高い放射線と崩壊熱を有しており、液体のままでは処分が困難であることから、図5及び図6に示すような構造をしたガラス溶融炉1に送られ、ここでほう珪酸ガラス等のガラス原料と共に高温で溶かし合わされながら、キャニスタcと称されるステンレス製容器内に詰め込まれてガラス固化体として安定化された後、一定期間自然冷却されてから地中深く埋設処分することが計画されている。

ここでこのガラス溶融炉1は、図示するように耐火煉瓦製の炉本体2の内底部を漏斗状(四角錐状)に窄めると共にその最下端部に炉本体2内の溶融ガラスが流下する流下孔3を有する底部電極4を備え、さらにその内部に一対の主電極5,5とを備えた構造となっている。

そして、この炉本体2の天井壁に設けられた投入口7から高レベル放射性廃液とガラス原料を投入した後、先ず、主電極5,5間に電流を流すことでその表層部付近の廃液とガラス原料とを十分に溶かし合わせ、最後に底部電極4と主電極5,5間に電気を流して底部電極4上部のガラスを加熱した後、その流下孔3から延びる流下ノズル8を加熱してその内部に詰まっている固化ガラスを溶かして下方に抜き出すことで炉本体2内の溶融ガラスをその下部に位置しているキャニスタc内に流下させてその内部にガラス固化体として密閉収容するようになっている。

ところで、このガラス溶融炉1を構成する炉本体2の内壁はその性質上耐熱性に優れた耐火煉瓦で形成されているため、繰り返し加わる熱衝撃によってクラックが発生し、その一部が煉瓦屑として脱落することが考えられる。

そして、この煉瓦屑が細かいものであればそのまま溶融ガラスと共に流下孔3を通過して流下ノズル8からキャニスタc内に流れ込むため問題はないが、そのサイズが大きくなると、これが図8に示すように流下孔3の入口で留まり、この流下孔3を閉塞させてしまう。

そのため、図7に示すようにその流下孔3を有する底部電極4の頂面を平坦にしたり、さらにその流下孔3の入口部分を隆起させることで落下してきた煉瓦屑がそのまま流下孔3に達しないようにすることも考えられるが、このような構造では溶融過程において廃液中から析出したルテニウムやパラジウム等といった白金族元素からなる比重の大きい金属スラッジ(金属酸化物など)までもが炉外へ流れ難くなって図示するようにその底部電極4上に堆積・成長し、やがて主電極5まで到達して電流の短絡を招いてしまうといった不都合が考えられる。

そこで、本出願人は、煉瓦屑による閉塞を確実に防止すると共に、析出した金属スラッジ等をスムーズに流下させることができるガラス溶融炉の底部電極を提案した(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。

かかるガラス溶融炉の底部電極は、図9に示すように、流下孔31を備えた電極本体32の頂面に図示しない炉本体内の傾斜面と連続して流下孔31方向に延びる傾斜面33を有している。その傾斜面33上には、炉本体から落下する煉瓦屑を受け止める煉瓦屑受け34が、流下孔31を覆うように設けられている。煉瓦屑受け34は、これを中心に傾斜面33に向かって水平方向に延びる支持部材35によって、電極本体32に取り付けられている。支持部材35は、電極本体32の傾斜面33に溶接固定されている。

これによって、煉瓦屑受け34で煉瓦屑を受けることで煉瓦屑が流下孔31に流れるのを防いで、流下孔31の閉塞を確実に防止できると共に、析出した金属スラッジ等を、隣接する支持部材35間の隙間を通してスムーズに流下させることができる。

【特許文献1】
特開2002-14198号公報
【非特許文献1】
池田、外4名「サイクル機構技報」、核燃料サイクル開発機構、2002年3月20日、第14号、p.25-38

産業上の利用分野

本発明は、高レベル放射性廃液をガラス固化する際に用いられるガラス溶融炉に係り、特にその炉底部に設けられる底部電極の構造に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
内底部が漏斗状に窄められた耐火煉瓦製の炉本体の底部に設けられ、その中央部に流下孔を備えたガラス溶融炉の底部電極において、上記流下孔を備えた電極本体の頂面に、上記炉本体内の傾斜面と連続して上記流下孔方向に延びる傾斜面を形成すると共に、その傾斜面上に上記炉本体から落下する煉瓦屑を受け止める煉瓦屑受けを、鋳造により上記電極本体と一体に形成したことを特徴とするガラス溶融炉の底部電極。

【請求項2】
上記電極本体に、当該電極本体を冷却する冷却媒体が流れる冷却通路を形成した請求項1記載のガラス溶融炉の底部電極。

【請求項3】
上記煉瓦屑受けは、上記流下孔上に位置する屑受け本体と、この屑受け本体を上記電極本体の傾斜面から十字状に支持する支持部とからなる請求項1または2記載のガラス溶融炉の底部電極。

【請求項4】
上記煉瓦屑受けは、頂面が平坦な縦断面三角形の屑受け本体と、この屑受け本体と上記電極本体の各傾斜面との間にスリット状の流下溝を形成すべく上記屑受け本体をその傾斜面側から支持する支持部とからなる請求項1または2に記載のガラス溶融炉の底部電極。

【請求項5】
上記屑受け本体に、その頂面から下方の流下孔方向に延びる連通孔を設けた請求項3または4記載のガラス溶融炉の底部電極。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003316747thum.jpg
出願権利状態 登録
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