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抽出剤及び抽出分離方法、並びにN,N,N’,N’’-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体及びその製造方法 UPDATE

国内特許コード P200017264
整理番号 13055
掲載日 2020年11月2日
出願番号 特願2007-210038
公開番号 特開2009-040751
登録番号 特許第5317256号
出願日 平成19年8月10日(2007.8.10)
公開日 平成21年2月26日(2009.2.26)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 竹下 健二
  • 森 敦紀
  • 松村 達郎
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 抽出剤及び抽出分離方法、並びにN,N,N’,N’’-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体及びその製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】優れた分離性能を発揮することができる抽出剤及び抽出分離方法、製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)
(式省略)
(式中、R~Rは疎水性官能基を示す。)で表されるN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体を含有する抽出剤。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

使用済核燃料に含まれる3価マイナーアクチノイド元素(3価MA)は、長半減期核で放射能毒性が高いことから、3価MAを使用済核燃料から分離することによって、その処分における環境負荷を著しく軽減させることが期待されている。また、3価MAは、高速炉や加速器によってエネルギー源として利用しつつ短半減期への核種変換を行うことが可能である。このため、その核反応を阻害する希土類元素の分離が必須となる。

しかし、3価MAと希土類元素は、化学的挙動が非常に似ているため、相互分離プロセスの構築が非常に困難であった。分析化学においてこれらを分離する手法は、イオン交換樹脂によるカラムを利用したクロマト分離であるが、この方法は回分法でありかつ大型化が困難であるため、大規模な生産設備には適用が不可能であった。なお、この方法は、実験用の3価MAを生産するために適用された例があるが、それ以上のスケールの応用例はない。

イオン交換法に代わる分離技術として、廃液の大量処理に適した溶媒抽出法が考えられる。溶媒抽出法による従来技術には次のような例がある。

DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を利用した溶媒抽出プロセス
DTPAを利用した溶媒抽出プロセスは、CMPO(オクチル(フェニル)- N、N -ジイソブチルカルバモイルメチルホスフィンオキシド)やDIDPA(ジイソデシルリン酸)等の抽出剤によって有機相に共抽出されている3価MAと希土類から、水相中に溶解させた錯化剤であるDTPAによって3価MAのみを選択的に逆抽出する方法である。この方法は、溶媒抽出法における3価MAの分離プロセスでは最も開発が進んでおり、使用済核燃料を使用したプロセス試験も行われている。このプロセスは、水溶性の錯化剤による選択的逆抽出による分離を利用しているため、得られた3価MAの水溶液中で3価MAは錯体となっている。このため下流側の分離プロセスの構築が困難となるほか、そのまま燃料製造に供給すると有機物の存在のために配慮が必要となる。さらに、錯化剤が消費されるため、常に供給する必要があり、二次廃棄物の発生量も多い。

BTP(ビス(ジアルキルトリアジン)ピリジン)を用いた溶媒抽出プロセス
BTPを用いた溶媒抽出プロセスは、窒素ドナー配位子の一つであるBTPを利用し、高度な3価MA選択能によって、3価MAを選択的に有機相に抽出するプロセスである。したがって、水相には錯化剤等の添加は必要なく、また、BTPの特性により、高硝酸濃度(1M以上)の溶液から3価MAの選択抽出が可能である。このプロセスは、主としてフランスが開発を進めており、既に使用済核燃料を使用した小型プロセス試験を行った実績がある。しかし、このプロセスは、上述のような長所がある反面、BTPの化学的安定性、放射線分解耐久性に大きな問題があり、プロセスを運転する過程でBTPの分解が進む欠点がある。また、BTPによる3価MAの抽出平衡は、反応が遅いため、バッチ試験により確認された分離性能から期待されるようなプロセスの試験結果は得られていない。

抽出クロマト分離システム
低い分離係数の配位子であっても、配位子を樹脂に担持し、カラムに充填してクロマト法を適用することで3価MAの分離を実現する開発も進められている。しかし、前述のイオン交換樹脂によるカラム法と同様、大型化が困難であり実現の見込みは得られていない。また、使用済みの樹脂が放射性廃棄物となる欠点もあることから、実用化のための課題は多い。

その他の配位子
Cyanex301(ビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ジチオホスホン酸)のような硫黄を含む配位子は、非常に高い分離性能を示している(Am(III)の分離係数6000以上)。しかし、硫黄を含む化合物は、化学的安定性に問題がある上、配位子が廃棄物となった後の処理の問題があり、基礎的な実験の域を出ていない。

本件発明者らは、4つのピリジル基を持つ包接型6座配位子であるTPEN(N,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン)を用いて希土類元素(Eu(III))から3価アクチノイド(Am(III))を抽出することに成功している(例えば、非特許文献1参照。)。この配位子は、廃棄物となっても固形成分を残さずに適切な処理を行うことが可能である。これまでの研究において、この配位子は、3価MAの希土類に対する分離係数についてpH4.5程度にて250以上の値を示している。

【非特許文献1】
T.Matsumura and K.Takeshita: Extraction Behavior of Am(III) from Eu(III) with Hydrophobic Derivatives of N,N,N',N'-tetrakis(2-methylpyridiyl)ethylenediamine (TPEN), J. Nucl.Sci.Technol., 43, 824-827 (2006)

産業上の利用分野

本発明は、例えば、使用済核燃料に含まれる高毒性・長半減期核種である3価マイナーアクチノイド元素(3価MA)を抽出可能な抽出剤及び抽出分離方法、並びにN,N,N',N'テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】
(省略)
(式中、R~Rは炭素数が2~20のアルコキシ基を示す。)で表されるN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体を含有する抽出剤。

【請求項2】
上記(I)式中、R~Rはブトキシ基を示すことを特徴とする請求項1記載の抽出剤。

【請求項3】
下記一般式(I)
【化2】
(省略)
(式中、R~Rは炭素数が2~20のアルコキシ基を示す。)で表されるN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体を含有する抽出剤と、有機溶媒と、希土類元素及び3価マイナーアクチノイド元素を含む水溶液とを混合し、酸性条件下で上記3価マイナーアクチノイドを有機相に移動させることを特徴とする抽出分離方法。

【請求項4】
上記(I)式中、R~Rはブトキシ基を示すことを特徴とする請求項3記載の抽出分離方法。

【請求項5】
pH3以下で上記3価マイナーアクチノイドを有機相に移動させることを特徴とする請求項3記載の抽出分離方法。

【請求項6】
下記一般式(I)
【化3】
(省略)
(式中、R~Rは炭素数が2~20のアルコキシ基を示す。)で表されるN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体を含有する抽出剤と、有機溶媒と、遷移金属を含む水溶液とを混合し、遷移金属を有機相に移動させることを特徴とする抽出分離方法。

【請求項7】
下記一般式(I)
【化4】
(省略)
(式中、R~Rは炭素数が2~20のアルコキシ基を示す。)で表されるN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体。

【請求項8】
上記(I)式中、R~Rはブトキシ基を示すことを特徴とする請求項7記載のN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体。

【請求項9】
下記一般式(II)
【化5】
(省略)
(式中、Rは炭素数が2~20のアルコキシ基を示し、Xはハロゲン置換基を示す。)で表されるピリジン化合物と、エチレンジアミンとをアルカリ条件下で反応させることを特徴とする下記一般式(I)
【化6】
(省略)
(式中、R~Rは炭素数が2~20のアルコキシ基を示す。)で表されるN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体の製造方法。

【請求項10】
上記(II)式中、Rはブトキシ基を示すことを特徴とする請求項9記載のN,N,N',N'-テトラキス(2-メチルピリジル)エチレンジアミン誘導体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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