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キャピラリー等速電気泳動法を用いる複数回大容量注入-濃縮-分離-分取精製法 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P200017272
整理番号 13831
掲載日 2020年11月2日
出願番号 特願2012-193742
公開番号 特開2014-048252
登録番号 特許第6028997号
出願日 平成24年9月4日(2012.9.4)
公開日 平成26年3月17日(2014.3.17)
登録日 平成28年10月28日(2016.10.28)
発明者
  • 齋藤 伸吾
  • 辻村 大翔
  • 原賀 智子
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 キャピラリー等速電気泳動法を用いる複数回大容量注入-濃縮-分離-分取精製法 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】超高純度のFTC-ABNOTA、FTC-PDA等の水溶性物質の精製法を提供する。
【解決手段】キャピラリー等速電気泳動法を用いる複数回大容量注入-濃縮-分離-分取精製法が、精製対象水溶性物質を含むトリス-塩酸緩衝液がインレット側に配置され、トリスーグリシン緩衝液がアウトレット側に配置されて、上記精製対象水溶性物質がインレット側からアウトレット側に移動させられる工程(a)、上記精製対象水溶性物質がアウトレット側からインレット側に移動させられる工程(b)、トリスーグリシン緩衝液がインレット側及びアウトレット側に配置されて、上記精製対象水溶性物質がインレット側からアウトレット側に移動させられる工程(c)を実施し、上記工程(a)、(b)がそれぞれ2回以上繰り返され、下記式(1)が満たされる。
|μGly-|<|μL-|<|μCl-| (1)
ただし、|μGly-|はグリシンイオンの移動度、|μL-|は上記精製対象水溶性物質イオンの移動度、|μCl-|は塩化物イオンの移動度を示す。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

一般に、蛍光ラベル化試薬、蛍光プローブ等の高純度が求められる化合物の精製は、クロマトグラフィー、固相抽出等の分離方法により行われる。クロマトグラフィーの理論段数は数千から数万段であり、クロマトグラフィーは大容量試料の高度な分取精製に適している。しかし、クロマトグラフィーは少量の希少試料の精製には適さず、更にクロマトグラフィーによる分離が困難な物質も存在する。例えば、本発明の発明者らが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製した下記式(3)で示されるNd検出用蛍光プローブFTC-ABNOTAの純度は58%程度である。

【化1】
(省略)

キャピラリー電気泳動法は、nLレベルの試料の高度な分離方法であり、その理論段数は数万から百万段に及ぶ。この高い分離能の分取への利用は非常に有効であるが、nLレベルの微小量の試料が数十μLのバイアルに分取されると、当該試料は数千~数万倍に希釈されるから、キャピラリー電気泳動法は一般的な分取精製法としては成立し難い。
微小量の試料をキャピラリーカラム内で電気泳動的に濃縮する方法の一つが等速電気泳動法(ITP)である。ITPは先行イオンと終末イオンの間の移動度を有する物質を濃縮する方法であるが、ITPのみによる精製対象物質と不純物との分離は不可能である。

一時的なITP濃縮後のゾーン電気泳動による分離方法がキャピラリー一時的等速電気泳動法(ctITP)であり、濃縮と分離を一段階で行える。ctITPは分離過程を含み、分離効率を上げるために大容量の試料の注入は一般に行えない。更に、ctITPの試料注入は一度のみであるため、大量の試料注入はできない。リポタンパク質を含有する試料が2種類のリーディングバッファからなるリーディングバッファサブシステムと2種類のターミネーティングバッファからなるターミネーティングバッファサブシステムに挟まれるctITPによるリポタンパク質の亜分画分離方法が検討された(例えば、特許文献1参照)。

ところで、原子力発電所、放射性同位元素を扱う研究施設等の放射性物質を扱う施設から排出される廃液及び廃棄物はウラン化合物を含有し得る。当該廃液及び廃棄物がウラン化合物を含有する場合、当該廃液及び廃棄物が処分される前に、当該廃液及び廃棄物中のウラン濃度が測定されなければならない。従来、当該廃液及び廃棄物中のウランが、イオン交換樹脂、溶媒抽出等の煩雑な分離方法で分離され、当該廃液及び廃棄物中のウラン濃度が質量分析法により定量されていた。質量分析によるウランの検出限界値はppq~ppt(10-12~10-10M)レベルであった。しかし、質量分析法で使用される機器は非常に高価であり、分析設備は廃液及び廃棄物に含まれる様々な放射性核種により広範に放射能汚染されやすい。

そこで、本発明の発明者らは、下記式(4)で示される5-(2-(3-(3-carboxy-4-(3-hydroxy-6-oxo-6H-xanthen-9-yl)phenyl)thioureido)acetamido)1,10-phenanthroline-2,9-dicarboxylic acid(FTC-PDA)を合成し、次いで高速液体クロマトグラフィーで精製して、ウラニルイオン測定用蛍光プローブとして使用してキャピラリー等速電気泳動法によりウラニルイオンの定性及び定量分析する方法を検討した(例えば、特許文献2参照)。

【化2】
(省略)

産業上の利用分野

本発明は、キャピラリー等速電気泳動法を用いる複数回大容量注入-濃縮-分離-分取精製法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
インレットとアウトレットとを有するキャピラリー電気泳動装置におけるインレット側に精製対象水溶性物質を含むトリス-塩酸緩衝液が注入され、アウトレット側にトリスーグリシン緩衝液が注入されており印加電圧によって上記精製対象水溶性物質がインレット側からアウトレット側に移動させられる工程(a)、
陰圧がキャピラリー内に付加されることで上記精製対象水溶性物質がアウトレット側からインレット側に移動させられる工程(b)、
インレット側に精製対象水溶性物質を含むトリス-塩酸緩衝液が注入され、印加電圧によって上記精製対象水溶性物質がインレット側からアウトレット側に移動させられる工程(c)、
陰圧がキャピラリー内に付加されることで上記精製対象水溶性物質がアウトレット側からインレット側に移動させられる工程(d)、
トリスーグリシン緩衝液がインレット側及びアウトレット側に注入されて、電圧が印加され、上記精製対象水溶性物質と不純物とが分離される工程(e)、
上記精製対象水溶性物質がアウトレット側から分取される工程(f)が実施され、
上記工程(c)、(d)この順序で1回以上繰り返され、下記式(1)が満たされる、キャピラリー等速電気泳動法を用いる複数回大容量注入-濃縮-分離-分取精製法。
|μGly-|<|μL-|<|μCl-| (1)
ただし、|μGly-|はグリシンイオンの移動度、|μL-|は上記精製対象水溶性物質イオンの移動度、|μCl-|は塩化物イオンの移動度を示す。

【請求項2】
上記精製対象水溶性物質が下記式(2)、(3)、(4)で示される化合物又はDNA分子である、請求項1に記載されるキャピラリー等速電気泳動法を用いる複数回大容量注入-濃縮-分離-分取精製法。
【化1】
(省略)
【化2】
(省略)
【化3】
(省略)
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 登録
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