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擬ベーマイト系アルミナのモリブデン吸着剤及びそれを用いた99Mo/99mTcジェネレータ UPDATE

国内特許コード P200017275
整理番号 14089
掲載日 2020年11月2日
出願番号 特願2016-172617
公開番号 特開2018-038936
出願日 平成28年9月5日(2016.9.5)
公開日 平成30年3月15日(2018.3.15)
発明者
  • 鈴木 善貴
  • 土谷 邦彦
  • 松倉 実
  • 北河 友也
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 擬ベーマイト系アルミナのモリブデン吸着剤及びそれを用いた99Mo/99mTcジェネレータ UPDATE
発明の概要 【課題】現在99Mo/99mTcジェネレータに使用されている、χとγの混相を持つ現在使用されている医療用アルミナよりもMo吸着量が高く、一度吸着したMoを回収可能な擬ベーマイト系アルミナのモリブデン吸着剤及びそれを用いた99Mo/99mTcジェネレータを提供すること。
【解決手段】モリブデン吸着剤は、モリブデン(Mo)の比表面積換算吸着量が、0.273 mg/m2から0.368 mg/m2の範囲にあることを特徴とする擬ベーマイト系アルミナから成り、この吸着剤は、吸着したモリブデンを簡単な方法で回収できることから、天然同位体もしくは98Mo濃縮Moから(n,γ)法を利用して99mTcを得る99Mo/99mTcジェネレータとして特に有効である。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

現在、医療分野において、放射線やラジオアイソトープ(RI)は病気の診断(放射性診断薬)や治療(放射性治療薬)に欠かすことができないものとなっている。特にテクネチウム-99m(99mTc:半減期6.01時間)は放射性診断薬として核医学の分野で最も多く用いられている。すなわち99mTcは半減期が6.01時間と短く、しかも、γ線だけを放出するために、人体に投与したときの被ばく量が少なく、また、放射性同位元素を標識体として人体に投与し、その放射線を体外から測定して放射能の人体内での分布や動態を検査するために用いる唯一の放射性核種である。特に、99mTcは、対象とする臓器や病変組織に親和性が大きいこと、集積しやすいこと、多くの他の物質と結合して安定な標識体をつくることなど、特性に優れているという特長も有している。

現在、上述の99mTc製剤は、親核種であるモリブデン-99(99Mo:半減期65.9時間)の崩壊により製造されているが、99mTcの唯一の原料である親核種の99Moの製造は、濃縮ウランを核分裂させる(n,f)法(核分裂法)により行われている。しかし、(n,f)法では、235Uの核分裂反応を利用しているため、各種の核分裂生成物から複雑な工程を経て99Moを取り出さねばならず、また多量の放射性廃棄物ができるという欠点がある。さらに、ウランを用いることからPuが生成されるため、核不拡散の観点からもその取扱いが困難であるため、現実的でなくなって来ている。

そこで、98Moをターゲットとした(n,γ)法{98Mo(n,γ)99Moβ-99mTc}による99Mo製造が検討されている。しかし、(n,γ)法では、98Moの天然存在比が24.1%と低く、得られるMoの比放射能が2Ci/g前後と低い。現在、この方法を用いた99Mo/99mTcジェネレータでは、アルミナのMo吸着材が有望視されているが、現在これに使用されているアルミナのMo吸着能は約10mg/gであり、ジェネレータとして必要な約500mCiの99Moを確保するためには、アルミナが約25g以上必要となる。また仮に98Moが100%濃縮されたモリブデンを用いてもアルミナは約5g以上必要となる。アルミナ重量を増やすと、それを充填するカラムのサイズが大きくなり、このカラムサイズに応じて放射線を遮蔽するための鉛遮蔽が厚くなることからジェネレータの重量が増え、取扱いが困難になるため実用的ではない。

なお、本発明のモリブデン吸着材に使用される各種アルミナの製造方法と関係が近い先行技術文献として、特許文献1と2がある。特許文献1には、マクロ細孔の容積が大きい活性アルミナ成形体を、焼成温度を所望の比表面積が得られる温度に任意に設定しながら、安価に得ることができる、活性アルミナ成形体の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、細孔径の調整を容易に行うことのできる多孔性活性アルミナの製造方法を開示しており、詳細には、塩基性塩化アルミニウム水溶液をゲル化し、得られたゲル化物を、ゲル化物中に残留する水溶性有機化合物の熱分解温度以上の温度で焼成して活性アルミナを得る方法が開示されている。これらの特許文献1及び2は、アルミナの製造方法に関する特許であるが、吸着剤としての性能が明確でなく、具体的な使用方法なども明示されていない。

産業上の利用分野

本発明は、現在99Mo/99mTcジェネレータに使用されている、χとγの混相を持つ現在使用されている医療用アルミナよりもMo吸着量が高く、一度吸着したMoを回収可能な擬ベーマイト系アルミナのモリブデン吸着剤及びそれを用いた99Mo/99mTcジェネレータに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
モリブデン(Mo)の比表面積換算吸着量が、0.273 mg/m2から0.368 mg/m2の範囲にあることを特徴とする擬ベーマイト系アルミナから成るモリブデン吸着剤。

【請求項2】
請求項1に記載のモリブデン吸着剤において、前記擬ベーマイト系アルミナが「δ」または「θ」の結晶構造を含むことを特徴とするモリブデン吸着剤。

【請求項3】
請求項1に記載のモリブデン吸着剤において、前記擬ベーマイト系アルミナが「δ+θ」の結晶構造を持つことを特徴とするモリブデン吸着剤。

【請求項4】
天然同位体もしくは98Mo濃縮Moから(n,γ)法を利用して99mTcを得る99Mo/99mTcジェネレータにおいて、モリブデン(Mo)の比表面積換算吸着量が、0.273 mg/m2から0.368 mg/m2の範囲にある擬ベーマイト系アルミナから成るモリブデン吸着剤を用いた99Mo/99mTcジェネレータ。

【請求項5】
請求項4に記載の99Mo/99mTcジェネレータにおいて、前記擬ベーマイト系アルミナが「δ」または「θ」の結晶構造を含むことを特徴とする99Mo/99mTcジェネレータ。

【請求項6】
請求項4に記載の99Mo/99mTcジェネレータにおいて、前記擬ベーマイト系アルミナが「δ+θ」の結晶構造を持つことを特徴とする99Mo/99mTcジェネレータ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016172617thum.jpg
出願権利状態 公開
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