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水質汚染防止方法 UPDATE

国内特許コード P200017276
整理番号 14084
掲載日 2020年11月2日
出願番号 特願2016-203641
公開番号 特開2018-065070
登録番号 特許第6750817号
出願日 平成28年10月17日(2016.10.17)
公開日 平成30年4月26日(2018.4.26)
登録日 令和2年8月17日(2020.8.17)
発明者
  • 大貫 敏彦
  • 鬼束 俊一
  • 古川園 健朗
  • 藤崎 勝利
  • 越川 義功
  • 吉田 輝
  • 宇▲高▼ 泰
  • 酒本 純一
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 水質汚染防止方法 UPDATE
発明の概要 【課題】水中地盤に堆積する汚染物質物の拡散を防止し、更に汚染物質を当該水域から除去することができる水質汚染防止方法を提供すること。
【解決手段】水中充填材1を汚染水域Wに投入して硬化膜10を、汚染水域W内の水中地盤L上に形成する工程を含んでなり、水中充填材1は、石灰石粉100質量部に対し、固化材が4.0質量部以上20.0質量部以下の割合で配合されていて、減水剤が、前記水中充填材1m当り0.1kg以上2.0kg以下の割合で配合されていて、増粘剤が、前記水中充填材1m当り3kg以上10kg以下の割合で配合されていて、湿潤密度が1.8Mg/m以上であり、シリンダ式フロー値が250mm以上となるように水を加えられた混練物であって、前記硬化膜10は、材齢1日における一軸圧縮強度が、0.01N/mm以上0.5N/mm以下である水質汚染防止方法とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

水中地盤の堆積物は、湾、湖沼、河川、或いは、ため池等の水底を形成している粘土、シルト、砂、礫等であり、底質と称される。底質の汚濁物質として通常分析される項目としては、強熱減量、COD、BOD、TOC、窒素、リン、硫化物等である。有機質を多く含む有機性低質は悪臭物質を含有することがある。又、銅、鉄、鉛等の比重が5を超えるような所謂重金属も、土壌・地下水汚染物質の主なもののひとつである。環境基準では重金属等として、カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、水銀、セレン(Se)が規程されている。

ここで、一度、底質に移行した物質の一部は、溶出や巻き上がり現象によって再び水質に悪影響を及ぼすことがある。この悪影響を低減させるために、覆砂工法等の対策工法が有効とされている。覆砂工法とは、底質からの有機物や汚染物質等の溶出や巻き上がりを防止して、新鮮で酸素が豊富な底質を作り出すことを目的に、底質上に良質な砂を薄く敷く工法である。しかしながら、覆砂工法は、砂を使用するため、河川等の水流がある部分では確実に被覆することは困難である。又、砂は概して透水性であり、底質から溶出する汚染物質を完全に遮断することは難しい。

上記の覆砂工法のデメリットを克服することを企図した他の水質汚染防止法として、所定粒径に粉砕したコンクリートを被覆材として底泥上に被覆することにより、汚染物質の溶出を抑制する方法も提案されている(特許文献1参照)。この方法は、コンクリート被覆材から溶出するカルシウムと水中の二酸化炭素が反応して生じる炭酸カルシウムでコンクリート被覆材の表面に被膜を形成する方法である。しかしながら、この方法においては、コンクリート被覆材の表面に上記の炭酸カルシウムからなる被膜が形成されるまでには数年単位の時間を必要とし、即時的な効果が得られない。又、炭酸カルシウムは自然に溶出するものであり、炭酸カルシウムによる被覆の厚さや範囲を管理制御することは極めて困難であり、長期間に亘る安定的な保守管理は実質的に不可能である。よって、長期信頼性については不十分であり、いずれかの時期において、汚染物質を底質から除去することについても検討する必要がある。しかし、特許文献1において、汚染物質の対象水域からの除去手段については、何らの開示も示唆もなされていない。

一方、近年、セシウム(Cs)等の放射性物質が流入した溜池等の閉鎖性水域においても、水質汚染の防止が急務となっている場合がある。この対策方法の一案として、放射性物質を含む汚染物質がその水中地盤部分に堆積しているため池等の上空から飛行体等により粉粒状のゼオライトを空中散布し、汚染物質を含む底部等の表面をゼオライト層で覆うことにより汚染物質を吸着、封止し、汚染物質の浮遊、飛散を防止する除染方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法においては、ゼオライトは、汚染物質を吸着、封止し、汚染物質の浮遊、飛散を防止するものとされている。しかしながら、特許文献2において開示されているのも、あくまで汚染物質の一時的な拡散の防止策のみであり、水中地盤上に形成された粉粒状のゼオライトからなる被覆層自体の浮遊を防ぐ方法が不明であり、且つ、汚染物質体の当該水域からの除去手段ついては、何らの開示も示唆もなされていない。

産業上の利用分野

本発明は、水質汚染防止方法に関する。詳しくは、海、湖沼、河川、或いは、ため池等の閉鎖水域における水中地盤又は水底(本明細書においては、併せて「水中地盤」とも言う)に堆積する汚染物質物の拡散を防止、及び、当該汚染物質を水域から除去することによる恒久的な水質汚染の防止を、目的とする水質汚染防止方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水質汚染防止方法であって、
自硬性の水中充填材を汚染物質が存在する汚染水域に投入して、前記水中充填材からなる硬化膜を、前記汚染水域内の水中地盤上に形成する工程を含んでなり、
前記水中充填材は、石灰石粉100質量部に対し、固化材が4.0質量部以上20.0質量部以下の割合で配合されていて、減水剤が、前記水中充填材1m当り0.1kg以上2.0kg以下の割合で配合されていて、増粘剤が、前記水中充填材1m当り3kg以上10kg以下の割合で配合されていて、湿潤密度が1.8Mg/m以上であり、シリンダ式フロー値が250mm以上となるように水を加えられた混練物であって、
前記硬化膜は、材齢1日における一軸圧縮強度が、0.01N/mm以上0.5N/mm以下である水質汚染防止方法。

【請求項2】
前記固化材がセメント系固化材である請求項1に記載の水質汚染防止方法。

【請求項3】
前記固化材がマグネシウム系の中性固化材である請求項1に記載の水質汚染防止方法。

【請求項4】
前記硬化膜の形成後所定の期間経過時に、前記硬化膜を、該硬化膜に付着した前記汚染物質とともに、前記水中地盤上から除去回収する工程を更に行う請求項1から3のいずれかに記載の水質汚染防止方法。

【請求項5】
沈降助剤を含有する無機系吸着剤を水中に散布する工程を、前記自硬性の水中充填材の前記水中地盤上への投入に先行して行う請求項1から4のいずれかに記載の水質汚染防止方法。

【請求項6】
前記無機系吸着剤がゼオライトである請求項5に記載の水質汚染防止方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016203641thum.jpg
出願権利状態 登録
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