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微量液滴に含まれる微粒子の光学・電子顕微鏡による定量方法 NEW

国内特許コード P200017281
整理番号 S2019-0357-N0
掲載日 2020年11月4日
出願番号 特願2019-055757
公開番号 特開2020-153960
出願日 平成31年3月23日(2019.3.23)
公開日 令和2年9月24日(2020.9.24)
発明者
  • 河崎 秀陽
  • 針山 孝彦
出願人
  • 国立大学法人浜松医科大学
発明の名称 微量液滴に含まれる微粒子の光学・電子顕微鏡による定量方法 NEW
発明の概要 【課題】微量液滴に含まれる微粒子を、光学顕微鏡観察や電子顕微鏡観察によって、より正確に定量することができる方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る微量液滴に含まれる微粒子の光学顕微鏡または電子顕微鏡による定量方法は、体積が1fLから100pLの範囲の液滴に含まれる微粒子の光学顕微鏡または電子顕微鏡による定量方法において、定量対象の微粒子が観察用保護剤を含有する溶液に分散されるように前記液滴を形成する。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

生物の細胞と細胞の間には、生体内で発生、若しくは外部から侵入するナノサイズからマイクロサイズの細胞外微粒子が存在している。細胞外微粒子は、細胞外小胞であるマイクロベジクルやエクソソーム等の生体内由来のもの(内因性)と、PM2.5や花粉、ウイルス、ナノ粒子等の体外から生体内に取り込まれるもの(外因性)に分類される。なかでも、ウイルスの定量は、各種の診断や治療効果の判定において常に求められる技術である。また、近年、細胞外小胞の一つであるエクソソームを活用した創薬や診断への応用が期待されている。このように、細胞外微粒子に起因する生命現象の研究を推進するためには、それらの正確な定量は不可欠な技術である。

試料液中に存在するナノ粒子の粒度分布や粒子数濃度を測定する手法として、ナノトラッキング法(Nano Tracking Analysis;NTA)が知られている。ナノトラッキング法は、液中に分散する粒子のブラウン運動を利用し、試料液にレーザー光を照射した際に個々の粒子が散乱する光の軌跡を高感度カメラを用いて解析することにより、個々の粒子の移動速度を算出し、これに基づいて粒径を解析する技術である。ナノトラッキング法では、10nmから1000nm程度の粒径を有する粒子の解析が可能であるとされており、これまでに、ドラッグデリバリーシステムの開発や、ウイルス、細胞外小胞の分析などに活用する試みがなされている。しかしながら、散乱光とブラウン運動の特性を利用する測定原理上、試料液中で粒子が凝集している場合には、解析の精度を確保することが難しい。また、粒子の種類によって散乱光の強弱が異なるため、試料液に複数種類の粒子が混在する場合には、散乱光が弱い粒子による測定結果への影響に留意しなければならない、また、微粒子内部のDNA、RNAの有無の情報は得ることができない、などの課題があった。

上述したナノトラッキング法のように、微粒子の化学的特性、物理学的特性などを利用して定量を行う間接的な手法に対し、試料に含まれる対象の微粒子を直接観察して数を計測することができれば、微粒子の定量方法としては最も望ましい。

しかしながら、微粒子の粒径にはバラつき(例えば1nmから100nmの範囲)があるため、微粒子の本来の形状を直接観察して数を計測するためには光学顕微鏡では難しく、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡を用いる必要があるというのが従来の慣例であった。また、通常、光学顕微鏡観察や電子顕微鏡観察において、高倍率で観察しながら試料に含まれる微粒子の数を計測することは非常に時間を要する作業であるため、効率が悪い。

光学顕微鏡観察、電子顕微鏡観察による微粒子の定量の効率性を向上させるためのアプローチとして、観察に用いる試料の体積をできるだけ少なくすることが挙げられる。近年、より微量の液滴の形成を可能にする技術の開発が進められており、一例として、静電力を利用した液滴形成方法が知られている。例えば、特許文献1には、ノズル先端から所定の間隔を隔てて設けられた基板とノズル内の液体との間にパルス電圧を印加することにより、ノズル先端から液体を引き出して液柱を形成し、この液柱をノズル内に引き戻す方向の引き戻し力を作用させることによって、液柱から液滴を分離する技術が開示されている。

また、特許文献2には、特許文献1に開示されるような液滴形成方法において、基板上に液滴を形成するとともに、ノズル内の液体と基板との間に流れる電流の時間波形を測定し、測定された電流の時間波形に基づいて、基板上に液滴を形成する際のパルス電圧の印加条件を決定する技術が開示されている。特許文献2によれば、これにより、基板上に液滴が形成される際の液体の挙動を好適に制御し、液滴量を分注毎に容易に安定させることができるとされている。なお、特許文献2では、決定されたパルス電圧の印加条件に基づいて基板上に液滴を形成するとともに、ノズル内の液体と基板との間に流れる電流の時間波形を測定し、測定された電流の時間波形に基づいて、液滴に含まれる粒子の個数を計測することが提案されているが、粒子を直接観察して数を計測するものではない。

産業上の利用分野

本発明は、微量液滴に含まれる微粒子の光学・電子顕微鏡による定量方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
体積が1fLから100pLの範囲の液滴に含まれる微粒子の光学顕微鏡または電子顕微鏡による定量方法において、
定量対象の微粒子が観察用保護剤を含有する溶液に分散されるように前記液滴を形成する、方法。

【請求項2】
前記微粒子を含有する試料液を、観察用保護剤を含有する溶液からなる薄膜層を表面に備える試料支持体上に滴下することによって、前記液滴を形成する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記観察用保護剤を含有する溶液が、ポリビニルアルコールを含有する、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
前記微粒子および観察用保護剤を含有する試料液を試料支持体上に滴下することによって、前記液滴を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
前記試料液に含まれる観察用保護剤の濃度が、0.01%から1.0%の範囲である、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
前記微粒子を含有する試料液、または前記微粒子および観察用保護剤を含有する試料液を、温度および湿度が制御された環境下で試料支持体上に滴下することによって、前記液滴を形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
電子顕微鏡による定量方法である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
光学顕微鏡による定量方法であって、前記光学顕微鏡が蛍光顕微鏡である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項9】
定量対象の微粒子を含有する試料液が滴下される光学顕微鏡用または電子顕微鏡用試料支持体であって、表面に観察用保護剤を含有する溶液からなる薄膜層を備える、試料支持体。

【請求項10】
前記観察用保護剤を含有する溶液が、ポリビニルアルコールを含有する、請求項9に記載の試料支持体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2019055757thum.jpg
出願権利状態 公開
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