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免疫チェックポイント阻害剤の血中モニタリングおよび患者層別化方法 NEW

国内特許コード P200017282
整理番号 S2019-0311-N0
掲載日 2020年11月4日
出願番号 特願2019-046447
公開番号 特開2020-148631
出願日 平成31年3月13日(2019.3.13)
公開日 令和2年9月17日(2020.9.17)
発明者
  • 岩井 佳子
  • 弦間 昭彦
  • 清家 正博
出願人
  • 学校法人日本医科大学
発明の名称 免疫チェックポイント阻害剤の血中モニタリングおよび患者層別化方法 NEW
発明の概要 【課題】生体試料中の、bsPD-L1を検出・定量することにより、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を予測する方法、免疫チェックポイント阻害剤に対する生体反応性をモニタリングする方法、免疫チェックポイント阻害剤での治療に対する感受性に関して患者を層別化する方法、およびこれらの方法を実施するためのシステムやキットなどの提供。
【解決手段】被験体から治療前及び/又は治療後に得た生体試料を用い、該生体試料中のbsPD-L1の濃度を測定する工程を含む、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を予測する方法、等。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

免疫チェックポイント分子は、リンパ球などの免疫担当細胞に発現し、免疫を抑制するシグナルを伝達する分子である。生体の自己寛容の維持や感染時の過剰な免疫抑制などの役割を有するが、癌の発症時には癌細胞の免疫からの逃避を誘導し、結果として癌の増殖の原因となる。免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイント分子(PD-1、PD-L1、CTLA-4など)の機能を抑制することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん剤である(特許文献1、2;非特許文献1~3)。本邦では、2014年に抗PD-1抗体ニボルマブが悪性黒色腫に対して保険適応となり、現在は非小細胞肺がんにおいても承認されている。免疫チェックポイント阻害剤の奏効率は約20%と低いが、その原因はわかっておらず、低感受性群(無効例)を見分ける診断法や治療法は今のところない。効果を認める症例においては長期間その効果が持続することが経験されているが、頻度は少ないものの大腸炎、1型糖尿病や間質性肺炎などの重篤な免疫関連有害事象が報告されている。また、呼吸器合併症として、他の薬剤同様の間質性肺炎のほか、腫瘍が一時的に増大し周辺に間質性肺炎様の陰影を呈し、自然軽快する「偽増悪」と呼ばれる現象が4%程度の患者で起こることが報告されている。
免疫チェックポイント阻害剤の使用の際には、偽増悪の存在により抗腫瘍効果判定が困難であること、また、薬剤性肺障害により治療中断や変更が余儀なくされることが、適正使用の障害となっている。そのため、効果予測マーカーおよび副作用のメカニズムの解明が求められている。
現在、免疫チェックポイント阻害剤として、PD-1阻害剤(nivolumab, pembrolizumab)とPD-L1阻害剤(atezolizumab, durvalumab)が承認されているが、その使用はランダムに行われていて、どちらの使用が適切か判断する方法がないのが現状である。

産業上の利用分野

本発明は、被験体(例、患者)由来の生体試料中の、PD-1結合能を有する可溶型PD-L1を検出・定量することにより、患者における免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を予測する方法、免疫チェックポイント阻害剤の血中残存量等の該阻害剤に対する生体反応性をモニタリングする方法等に関する。さらに本発明は、治療前、あるいは治療前後の患者から得られた生体試料中のPD-1結合能を有する可溶型PD-L1を検出・定量することにより、免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法における患者の層別化を可能にする方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験体における免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を予測する方法であって、被験体から治療前及び/又は治療後に得た生体試料を用い、該生体試料中の「PD-1結合能を有する可溶型PD-L1(bsPD-L1)」及び/又は「可溶型PD-L1(sPD-L1)」の濃度を測定する工程を含む方法。

【請求項2】
被験体から治療前及び治療後に得た生体試料を用いる、請求項1記載の方法。

【請求項3】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤であって、被験体から治療後に得た生体試料中のbsPD-L1濃度が、該被験体の治療前に得た生体試料中のbsPD-L1濃度に比べて低下している場合に、PD-1阻害剤による治療効果が高いと予測する請求項2記載の方法。

【請求項4】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤であって、被験体から治療後に得た生体試料中のsPD-L1濃度が、該被験体の治療前に得た生体試料中sPD-L1濃度に比べて上昇している場合に、PD-L1阻害剤による治療効果が低いと予測する請求項2記載の方法。

【請求項5】
被験体における、PD-1阻害剤に対する生体反応性をモニタリングする方法であって、被験体から治療の前後に生体試料を採取する工程及び該試料中のbsPD-L1の濃度を測定する工程を含む方法。

【請求項6】
生体反応性のモニタリングが、免疫チェックポイント阻害剤の血中残存量、治療効果及び生体の治療反応性の同時モニタリングである、請求項5記載の方法。

【請求項7】
生体の治療反応性が獲得免疫応答及び自然免疫応答である、請求項6記載の方法。

【請求項8】
被験体における、PD-L1阻害剤に対する生体反応性をモニタリングする方法であって、被験体から治療の前後に生体試料を採取する工程及び該試料中のsPD-L1の濃度を測定する工程を含む方法。

【請求項9】
さらに、該試料中のbsPD-L1の濃度を測定する工程を含む、請求項8記載の方法。

【請求項10】
生体反応が、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)又は炎症反応である、請求項8又は9記載の方法。

【請求項11】
被験体から治療前に得た生体試料を用いる、請求項1記載の方法。

【請求項12】
被験体から治療前に得た生体試料中のbsPD-L1濃度が高値の場合、免疫チェックポイント阻害剤による治療効果が低いと予測する請求項11記載の方法。

【請求項13】
高値が2000pg/ml以上である、請求項12記載の方法。

【請求項14】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤である、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。

【請求項15】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤であって、被験体から治療前に得た生体試料中のbsPD-L1が陽性である場合、PD-L1阻害剤による治療効果が低いと予測する請求項11記載の方法。

【請求項16】
免疫チェックポイント阻害剤での治療に対するそれらの感受性に関して被験体を層別化する為の方法であって、被験体から治療前に得た生体試料におけるbsPD-1の濃度を測定する工程を含む方法。

【請求項17】
被験体から治療前に得た生体試料中のbsPD-L1濃度が高値の場合、免疫チェックポイント阻害剤無効例と関連付ける、請求項16記載の方法。

【請求項18】
高値が2000pg/ml以上である、請求項17記載の方法。

【請求項19】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤である、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。

【請求項20】
免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤であって、被験体から治療前に得た生体試料中のbsPD-L1が陽性である場合、PD-L1阻害剤無効例と関連付ける、請求項16記載の方法。

【請求項21】
被験体から得られた生体試料中のbsPD-L1を検出・定量する為のシステムであって、PD-1タンパク質を含み、該タンパク質と生体試料とを反応させる手段および該タンパク質に結合した可溶型PD-L1をbsPD-L1として検出・定量する為の手段を含むシステムであって、(i)免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を評価する、または評価を補助する為、(ii)免疫チェックポイント阻害剤に対する生体反応性をモニタリングする為、又は(iii)免疫チェックポイント阻害剤での治療に対するそれらの感受性に関して被験体を層別化する為のシステム。

【請求項22】
さらに、抗PD-L1抗体を含み、該抗体と生体試料とを反応させる手段および該抗体に結合した可溶型PD-L1を検出・定量する為の手段を含む請求項21記載のシステム。

【請求項23】
ELISAシステムである請求項21又は22記載のシステム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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