TOP > 国内特許検索 > 試料観察方法、試料観察装置、及び顕微鏡

試料観察方法、試料観察装置、及び顕微鏡 NEW

国内特許コード P200017296
整理番号 (S2017-0956-N0)
掲載日 2020年11月5日
出願番号 特願2019-537702
出願日 平成30年8月24日(2018.8.24)
国際出願番号 JP2018031302
国際公開番号 WO2019039581
国際出願日 平成30年8月24日(2018.8.24)
国際公開日 平成31年2月28日(2019.2.28)
優先権データ
  • 特願2017-162635 (2017.8.25) JP
発明者
  • 島野 美保子
  • 備瀬 竜馬
  • 鄭 銀強
  • 佐藤 いまり
出願人
  • 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
発明の名称 試料観察方法、試料観察装置、及び顕微鏡 NEW
発明の概要 【課題】焦点調節可能な光学系を有する場合であっても、試料の画像の鮮明化や空間スペクトル解析を可能とする透過型試料観察方法及び透過型顕微鏡を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る試料観察方法及び試料観察装置は、カメラ側のあるピクセルにおいて観測される、照明の明部に観測点を位置させたときの、合焦での観測点からの観測点単一散乱光による直接成分(A)、非合焦点からの他点単一散乱光による大域成分(B)、及び多重散乱光による大域成分(C)から、照明の暗部に観測点を位置させたときの、大域成分(B)及び大域成分(C)を除去することで、明部と暗部のパターン照明として使用できる合焦状態と前記パターン照明が均一になる非合焦状態との間の差異を利用して直接成分(A)を取り出すこととした。
従来技術、競合技術の概要

透過型光学顕微鏡は、生物医学、食品安全、および他の多くの用途に広く使用されている。顕微鏡で標本を観察する場合、光は画像センサに達する前に標本中の小さな粒子に当たり方向を変える。その結果、画像センサは、異なる経路を通る散乱光線の合計を捕捉することになる。この光の散乱は、観察される画像を不明瞭にする。図1(b)は、マイクロメータ(図1(a))の上に散乱物を乗せたときの透過型電子顕微鏡の観察画像である。このように光の散乱は画像を不鮮明にする。

散乱による画像の不明瞭化は、生物医学的画像形成において大きな課題となっている。例えば、生体組織の空間スペクトル解析において、吸収係数は特定点で正確に測定できなければならない。しかし、測定された信号は、特定点と異なる点からの散乱光を含み、その散乱光は組織内の異なる点の情報を含む。生体組織の特定点で正確に測定するには、特定からの直接的な光と他の点からの散乱光を分離することが不可欠である。

コンピュテーショナルフォトグラフィ(Computational Photography)法の分野では、試料での反射光から大域成分である相互反射等の光を除去し、鏡面反射光や拡散反射光の直接成分を抽出する方法がいくつか提案されている。例えば、非特許文献1では、高周波照明の使用を開示している。高周波照明は、高周波空間パターンを同一箇所に照射することで直接成分と大域成分とを分離することができる(例えば、非特許文献3~8を参照。)。
一方、非特許文献2では、非特許文献1の反射型の手法とは異なり、半透明物体等の透過観察における成分の分離(観測点を透過する観測点単一散乱光である直接成分と他点で散乱した他点単一散乱光や多重散乱光である大域成分との分離)を行う透過型の手法が紹介されている。この手法は、平行光の高周波照明を利用して透過光を観測しようとしている。このため、非特許文献2では特殊なレンズ(テレセントリックレンズ)を使って高周波照明を平行光とし、この平行光を観測するように構成されている。

産業上の利用分野

本開示は、焦点調節可能な光学系を有する顕微鏡における試料観察方法及びその装置とそれを搭載する顕微鏡に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Z方向において光センサ及び照明の焦点を試料内の観測点を含むXY平面に合わせるフォーカス手順と、
前記フォーカス手順を行った後、前記照明の光を前記観測点に照射したときの第1光強度と前記観測点以外に照射したときの第2光強度とを前記光センサで取得する光強度取得手順と、
前記第1光強度に含まれる、前記観測点での単一散乱光による直接成分(A)、前記観測点以外での単一散乱光による大域成分(B)、及び前記試料内での多重散乱光による大域成分(C)と、前記第2光強度に含まれる、大域成分(B)及び大域成分(C)と、を利用し、前記第1光強度から直接成分(A)と大域成分(B)及び大域成分(C)とを分離する演算を行う演算手順と、
を行う試料観察方法。

【請求項2】
前記試料内において前記観測点を含むXY平面をZ方向に移動させて、前記フォーカス手順、前記光強度取得手順及び前記演算手順を繰り返す繰り返し手順をさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の試料観察方法。

【請求項3】
前記照明が、光を透過させる明部と光を遮断する暗部とが任意の比率で組み合わさるフォトマスクで形成された高周波照明であることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料観察方法。

【請求項4】
前記照明が、光源を発光させる明部と光源を消灯させる暗部とを任意の比率で組み合わせたパターンの照明であることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料観察方法。

【請求項5】
前記演算手順での減算は、前記第1光強度から前記第2光強度を減算して直接成分(A)を計算し、前記観測点の画像を取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の試料観察方法。

【請求項6】
前記演算手順での減算は、前記第1光強度から前記第2光強度を減算して直接成分(A)を計算し、該直接成分(A)と前記照明の波長毎の光強度とから前記観測点の吸収係数を取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の試料観察方法。

【請求項7】
Z方向において光センサ及び照明の焦点を試料内の観測点を含むXY平面に合わせるフォーカス機構と、
前記フォーカス機構で前記光センサと前記照明の双方の焦点を前記観測点に合わせた状態で、前記照明の光を前記観測点に照射したときの第1光強度と前記観測点以外に照射したときの第2光強度とを前記光センサで取得する光強度取得手段と、
前記第1光強度に含まれる、前記観測点での単一散乱光による直接成分(A)、前記観測点以外での単一散乱光による大域成分(B)、及び前記試料内での多重散乱光による大域成分(C)と、前記第2光強度に含まれる、大域成分(B)及び大域成分(C)と、を利用し、前記第1光強度から直接成分(A)と大域成分(B)及び大域成分(C)とを分離する演算を行う演算器と、
を備える試料観察装置。

【請求項8】
前記試料内において前記観測点を含むXY平面をZ方向に移動させ、前記観測点を含むXY平面のZ方向の位置毎に、前記フォーカス機構に前記光センサ及び前記照明の焦点を前記観測点に合わさせ、前記光強度取得手段に前記第1光強度及び前記第2光強度を取得させ、前記演算器に前記演算をさせる制御器をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の試料観察装置。

【請求項9】
前記照明は、光を透過させる明部と光を遮断する暗部とが任意の比率で組み合わさるフォトマスクで形成された高周波照明であり、
前記光強度取得手段は、前記光センサと前記照明の焦点を維持したまま前記試料を任意に移動させる、もしくは前記フォトマスクを任意に移動させる駆動機構である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の試料観察装置。

【請求項10】
前記照明は、光源を発光させる明部と光源を消灯させる暗部とを任意の比率で組み合わせたパターンの照明であり、
前記光強度取得手段は、前記比率を維持したまま前記明部と前記暗部を任意に移動させる光源制御部である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の試料観察装置。

【請求項11】
前記演算器は、前記第1光強度から前記第2光強度を減算して直接成分(A)を計算し、前記観測点の画像を取得する演算を行うことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の試料観察装置。

【請求項12】
前記演算器は、前記第1光強度から前記第2光強度を減算して直接成分(A)を計算し、該直接成分(A)と前記照明の波長毎の光強度とから前記観測点の吸収係数を取得する演算を行うことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の試料観察方法。

【請求項13】
請求項7から12のいずれかに記載の試料観察装置、前記照明、前記光センサ、及び前記フォーカス機構を備える顕微鏡。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2019537702thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)は、我が国唯一の情報系に特化した研究所です。NIIでは、外部資金による研究成果の社会還元を中心に、技術移転活動に積極的に取り組んでいます。上記の発明にライセンス対象や共同開発対象として関心をお持ちいただいた方は、国立情報学研究所 社会連携推進室までお気軽にお問合せください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close