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PAC1受容体拮抗薬を用いた鎮痛薬

国内特許コード P200017317
整理番号 (S2017-1107-N0)
掲載日 2020年12月2日
出願番号 特願2019-545596
出願日 平成30年9月27日(2018.9.27)
国際出願番号 JP2018035831
国際公開番号 WO2019065794
国際出願日 平成30年9月27日(2018.9.27)
国際公開日 平成31年4月4日(2019.4.4)
優先権データ
  • 特願2017-186447 (2017.9.27) JP
発明者
  • 栗原 崇
  • 高▲崎▼ 一朗
  • 豊岡 尚樹
  • 合田 浩明
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
  • 国立大学法人富山大学
  • 学校法人昭和大学
発明の名称 PAC1受容体拮抗薬を用いた鎮痛薬
発明の概要 本発明は、次式(I)又は(II):
【化1】
(省略)
(式中、RはC1-6-アルコキシ基又はC1-6-ハロアルコキシ基であり;Rは水素原子であり;Rはハロゲン原子で置換されたインダゾリル基、置換又は無置換のフェニル基、ピラゾリル基、又は置換又は無置換のアラルキル基である。)
で示される化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する鎮痛薬に関する。
従来技術、競合技術の概要

治療を必要とする疼痛は、病態生理学的に炎症性疼痛と神経障害性疼痛に分類されうる。炎症性疼痛は、侵害受容器を介した侵害受容性疼痛であり、組織損傷部位に放出された炎症性メディエーターによって引き起こされる痛みである。一方、神経障害性疼痛は、体性感覚神経系の病変や疾患によって生じる疼痛と定義されている。神経障害性疼痛は、侵害受容器の興奮が関与しない場合もあり、末梢神経又は中枢神経の可塑的な変化が関与し、難治度も高く、治療に難渋することが多い。

先進国においては人口の高齢化に伴い、様々な疼痛疾患の増加が予想されている。米国議会は、2001年から2010年までの10年間を称して「The Decade of Pain Control and Research」とする宣言を採択したが、これは全米における実態調査により、程度の高い慢性痛に悩まされている患者が成人人口の9%に上っていたこと、無効な治療やドクターショッピングによる医療費の浪費、痛みによる就労困難、介護費用などによる社会経済の損失は年間650億ドル(約8兆円)に上ると推計されたからである。本邦においても現在、慢性的な疼痛を抱える患者数は2,000万人を超えると算定されており、難治性疼痛に有効な薬物治療法の確立は社会的急務である。

現在鎮痛薬としてはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)とオピオイド(麻薬性鎮痛薬)が主に用いられているが、特に慢性痛を持つ患者においては使用も長期間にわたることから、様々な有害作用が無視できなくなり、疼痛患者のクオリティ・オブ・ライフを著しく低下させている。したがって、長期間にわたって使用できる有効性の高い新規鎮痛薬の開発が強く求められている。

NSAIDsやオピオイドによる疼痛管理は、胃・腎障害(以上主にNSAIDs)、便秘、吐き気・嘔吐、依存、呼吸抑制(主にオピオイド)などの有害作用が多く、また神経障害性疼痛に対する鎮痛効果は不十分であることがしばしばであり、有害作用も受け入れた状態で疼痛コントロールにあたる必要がある。したがって、これらの薬物とは異なる作用機序をもつ新しい疼痛治療薬が望まれている。

PACAP(Pituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide)は、1989年に、ラット下垂体アデニル酸シクラーゼ活性を指標としてヒツジ視床下部より単離、構造決定された神経ペプチドであり、脊髄PAC1受容体を介して機械的疼痛過敏(mechanical allodynia:機械的アロディニア:触られただけでも痛みを感じる現象)を引き起こす(非特許文献1)が、臨床的(ヒトにおいて)にどのような痛みに関与するのかは明らかではない。

動物実験(マウス・ラット)レベルにおいては、PACAPは末梢神経(脊髄神経)障害性疼痛(SNLモデル)に関与することが示唆されている(非特許文献2)が、関与するPACAP受容体(PACAP受容体には、PAC1、VPAC1、VPAC2の少なくとも3種が存在する)に関しては明らかではない。

非特許文献3には、400万品目以上が登録されている既存の化合物データベースから抽出された化合物PA-8及びPA-9がPAC1受容体拮抗作用を有することが記載されているが、PA-8の化学構造は明らかにされておらず、また鎮痛作用については検討されていない。

非特許文献4には、前記の化合物PA-8及びPA-9の構造とともに、これらの化合物が鎮痛効果を有することが示されている。

化合物PA-8は、次式(A):
【化1】
(省略)
で示される化合物であり、化合物PA-9は、次式(B):
【化2】
(省略)
で示される化合物である。

前記の化合物は、窒素原子を2つ以上含む含窒素複素環構造及びラクタム構造を有する点で共通する。

非特許文献5及び6には、次式(I’):
【化3】
(省略)
(式中、Arは置換フェニル基である。)
で示されるピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7-ジオン誘導体及びその合成方法が記載されているが、PAC1受容体拮抗作用、鎮痛作用については言及されていない。

産業上の利用分野

本発明は、PAC1受容体拮抗薬を用いた鎮痛薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式(I):
【化1】
(省略)
(式中、RはC1-6-アルコキシ基又はC1-6-ハロアルコキシ基であり;Rは水素原子である。)
で示される化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物。

【請求項2】
前記式(I)において、Rがエトキシ基又はトリフルオロメトキシ基である請求項1記載の化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物。

【請求項3】
請求項1又は2記載の化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する鎮痛薬。

【請求項4】
神経障害性疼痛、がん化学療法に伴う疼痛、糖尿病性神経痛、糖尿病性末梢神経障害性疼痛及び片頭痛からなる群から選択される疾患又は症状を治療及び/又は予防するための請求項3記載の鎮痛薬。

【請求項5】
次式(II):
【化2】
(省略)
(式中、Rはハロゲン原子で置換されたインダゾリル基、置換又は無置換のフェニル基、ピラゾリル基、又は置換又は無置換のアラルキル基である。)
で示される化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する鎮痛薬。

【請求項6】
前記式(II)において、Rがハロゲン原子で置換されたインダゾリル基である請求項5記載の鎮痛薬。

【請求項7】
前記式(II)において、Rが塩素原子で置換されたインダゾリル基である請求項5記載の鎮痛薬。

【請求項8】
神経障害性疼痛、がん化学療法に伴う疼痛、糖尿病性神経痛、糖尿病性末梢神経障害性疼痛及び片頭痛からなる群から選択される疾患又は症状を治療及び/又は予防するための請求項5~7のいずれか1項に記載の鎮痛薬。

【請求項9】
次式(IIa):
【化3】
(省略)
(式中、R’はハロゲン原子で置換されたインダゾリル基;メチル基、フッ素原子、メトキシ基、シアノ基もしくは水酸基で置換されていてもよいフェニル基;ピラゾリル基;又は置換されたアラルキル基である。)
で示される化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物。

【請求項10】
前記式(IIa)において、R’がハロゲン原子で置換されたインダゾリル基である請求項9記載の化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物。

【請求項11】
前記式(IIa)において、R’が塩素原子で置換されたインダゾリル基である請求項9記載の化合物もしくはその塩又はそれらの溶媒和物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2019545596thum.jpg
出願権利状態 公開
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