TOP > 国内特許検索 > 免疫機能評価方法およびその為のELISAシステム

免疫機能評価方法およびその為のELISAシステム

国内特許コード P200017320
整理番号 (S2017-1058-N0)
掲載日 2020年12月3日
出願番号 特願2019-541017
出願日 平成30年9月7日(2018.9.7)
国際出願番号 JP2018033161
国際公開番号 WO2019049974
国際出願日 平成30年9月7日(2018.9.7)
国際公開日 平成31年3月14日(2019.3.14)
優先権データ
  • 特願2017-172593 (2017.9.8) JP
発明者
  • 岩井 佳子
  • 竹内 雅大
  • 土井 知光
出願人
  • 学校法人産業医科大学
  • 学校法人日本医科大学
発明の名称 免疫機能評価方法およびその為のELISAシステム
発明の概要 本発明は、T細胞免疫機能を評価しうる手法の開発を目的とする。PD-1との結合能を有する可溶型PD-L1を検出・定量することを特徴とするT細胞免疫機能の評価方法およびPD-1タンパク質が固相化された担体を含み、該担体と被験試料とを反応させる手段および該担体に結合した可溶型PD-L1をbsPD-L1として検出・定量するための手段を含む、bsPD-L1の検出・定量に用いられるELISAシステム。
従来技術、競合技術の概要

T細胞免疫が病態に関する疾患は、がんのみならず、感染症、自己免疫疾患、アレルギー、移植時の拒絶反応、生活習慣病と多岐にわたる。
現状では臨床において個体の免疫機能、特にT細胞機能を評価する手段は皆無に等しい。現在、臨床で日常的に行われている血液検査で免疫に関連する指標としては、白血球数、白血球画分、免疫グロブリン、CRPなどがあるが、これらの検査項目では個体のT細胞機能を評価することができない。このT細胞機能を制御する分子として、PD-1/PD-L1が知られている。

PD-1は、T細胞などの表面に発現する膜タンパク質である(特許文献1、2)。PD-1のリガンドとしては、PD-L1およびPD-L2が同定されており、これらの分子がPD-1と結合しT細胞機能を抑制することにより、免疫を抑制的に調整することが知られている。
また、がんやウイルス感染細胞はPD-1リガンドを発現することによって、PD-1との結合を介して、宿主の免疫監視から逃れることが知られている。

これらPD-1のリガンドのうちPD-L1は、細胞表面に発現する膜型のものと、血液中に存在する可溶性のものが存在する。
膜型PD-L1は、N-グリコシル化により分解が阻害され安定化し、PD-1との結合能が増すことが知られている(非特許文献1)。一方、可溶型PD-L1においては、グリコシル化されることは知られているものの、その意義については明らかとなっていない。
このPD-1/PD-L1シグナルに着目して開発された薬剤として、抗PD-1抗体であるニボルマブ製剤(製品名:オプジーボ)が挙げられる。

ニボルマブは、免疫チェックポイント分子であるPD-1を阻害することにより、免疫系のブレーキを解除し、がんに対する免疫応答を高め抗腫瘍効果を発揮する。ニボルマブの奏効率は、概ね20から30%とされており、感受性の高い患者群と低い患者群に分かれるのが現状である。
この薬剤感受性を予測するための様々な試みがなされており、その一つとして、腫瘍組織におけるPD-L1発現を調べることにより、適応可否の診断を行う試みがなされている。
また、抗PD-1抗体治療前後の患者由来の血液検体を用いて、血液中に存在する可溶型PD-L1が抗PD-1抗体治療の治療効果を見分けるバイオマーカーになり得るかが検討されてきた。また、可溶型PD-L1と予後の関係についても調べられてきた。例えば、非小細胞肺癌患者109例を対象とした試験において、組織中PD-L1と同様、可溶型PD-L1の発現と予後の逆相関(可溶型PD-L1高値群は低値群と比べて予後不良)が報告されている(非特許文献2)。
しかしながら、組織中PD-L1発現とがんの予後あるいは免疫チェックポイント阻害剤の奏効率との関連については、一致した見解が得られていないのが現状である(非特許文献3から5)。加えて、免疫組織学的検査では、生検採取部位による影響や検査機関でのばらつきがあり、定量化や標準化が難しいという問題がある。

産業上の利用分野

本発明は、個体の免疫力、特にT細胞免疫機能を評価する方法に関する。さらに詳しくいうと本発明は、血液などの生体由来試料におけるPD-1結合能を有する可溶型PD-L1を検出・定量することにより、T細胞免疫機能を評価する評価方法、ならびにPD-1との結合反応を測定原理とする新規ELISAシステムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験試料とPD-1を反応させる工程、およびPD-1と結合した可溶型PD-L1を「PD-1結合能を有する可溶型PD-L1(bsPD-L1)」として検出・定量する工程を含む、T細胞免疫機能の評価方法。

【請求項2】
bsPD-L1が、糖鎖修飾されたPD-L1である請求項1記載の評価方法。

【請求項3】
被験試料が、生体由来試料である請求項1または2に記載の評価方法。

【請求項4】
さらに、抗PD-L1抗体と前記被験試料とを反応させ、被験試料中の可溶型PD-L1(sPD-L1)を検出・定量する工程を含み、結果を合わせて評価を行う請求項1から3のいずれか1項に記載の評価方法。

【請求項5】
T細胞免疫が関与する疾患における病態、予後および治療効果を評価する工程、または該評価を補助する工程をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の評価方法。

【請求項6】
T細胞免疫が関与する疾患ががんである、請求項5に記載の評価方法。

【請求項7】
免疫療法の適応診断、治療効果および副作用予測を評価する工程、または該評価を補助する工程をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の評価方法。

【請求項8】
被験試料中の、bsPD-L1の量または濃度がカットオフ値以上の場合に予後が良好であると予測し得る、請求項6に記載の評価方法。

【請求項9】
bsPD-L1を含む、T細胞免疫機能評価用バイオマーカー。

【請求項10】
bsPD-L1およびsPD-L1を含む、T細胞免疫機能評価用のバイオマーカーの組合せ。

【請求項11】
T細胞免疫機能評価が、T細胞免疫が関与する疾患における病態、予後および治療効果を評価する為のものである、請求項9記載のバイオマーカーまたは請求項10記載のバイオマーカーの組合せ。

【請求項12】
T細胞免疫機能評価が、免疫療法の適応診断、治療効果および副作用予測を評価する為のものである、請求項9記載のバイオマーカーまたは請求項10記載のバイオマーカーの組合せ。

【請求項13】
被験試料中の、bsPD-L1を検出・定量する為のシステムであって、PD-1タンパク質を含み、該タンパク質と被験試料とを反応させる手段および該タンパク質に結合した可溶型PD-L1をbsPD-L1として検出・定量する為の手段を含むシステム。

【請求項14】
さらに、抗PD-L1抗体を含み、該抗体と被験試料とを反応させる手段および該抗体に結合した可溶型PD-L1を検出・定量する為の手段を含む請求項13記載のシステム。

【請求項15】
ELISAシステムである請求項13または14記載のシステム。

【請求項16】
T細胞免疫が関与する疾患における病態、予後および治療効果を評価する、または評価を補助する為の請求項13から15のいずれか1項に記載のシステム。

【請求項17】
免疫療法の適応診断、予後、治療効果および副作用予測を評価する、または評価を補助する為の請求項13から15のいずれか1項に記載のシステム。

【請求項18】
PD-1タンパク質が固相化された担体および該担体に結合した可溶型PD-L1をbsPD-L1として検出する為の検出用マーカーを含み、任意で抗PD-L1抗体が固相化された担体および該担体に結合した可溶型PD-L1をsPD-L1として検出する為の検出用マーカーを含んでなるELISAキット。

【請求項19】
生体由来試料中の可溶型PD-L1を脱グリコシル化処理する工程、および該工程で得られた可溶型PD-L1の脱グリコシル化のパターンを解析する工程を含む、T細胞免疫が関与する疾患における病態、予後および治療効果を評価する、または評価を補助する方法。

【請求項20】
生体由来試料中の可溶型PD-L1を脱グリコシル化処理する工程、および該工程で得られた可溶型PD-L1の脱グリコシル化のパターンを解析する工程を含む、免疫療法の適応診断、治療効果および副作用予測を評価する、または評価を補助する方法。
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2019541017thum.jpg
出願権利状態 公開


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close