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ヘテロ元素含有グラフェン

国内特許コード P200017325
整理番号 AF39-05WO
掲載日 2020年12月3日
出願番号 特願2019-545161
出願日 平成30年9月28日(2018.9.28)
国際出願番号 JP2018036399
国際公開番号 WO2019066013
国際出願日 平成30年9月28日(2018.9.28)
国際公開日 平成31年4月4日(2019.4.4)
優先権データ
  • 特願2017-190683 (2017.9.29) JP
発明者
  • 齋藤 永宏
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ヘテロ元素含有グラフェン
発明の概要 課題は、結晶性の高いヘテロ元素含有グラフェンを提供することである。ここに開示されるヘテロ元素含有グラフェンは、炭素(C)と、ヘテロ元素(X)として窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、イオウ(S)、ホウ素(B)、およびケイ素(Si)からなる群から選択される少なくとも1種の元素と、を含む。そして、制限視野電子回折において、直方晶系および六方晶系のいずれかに属し、単結晶の対称性を備えるスポットが観測される。
従来技術、競合技術の概要

従来より、グラフェンの炭素六員環構造中に、炭素以外の異種元素が導入されたヘテロ元素含有グラフェンが注目されている。このヘテロ元素含有グラフェンにおいて、例えば、グラフェンのジグザグエッジの谷の部分に窒素等の異種元素を導入すると、異種元素が隣りの炭素原子に対して物理的・化学的に作用する。その結果、隣の炭素原子が酸素還元特性を発現することが知られている。このことから、ヘテロ元素含有グラフェンは、触媒材料としての利用が検討されている(例えば、特許文献1~3等参照)。

特許文献1には、カーボン担体の表面に窒素含有グラファイトが形成された、電極触媒用担体が開示されている。この特許文献1の窒素含有グラファイトは、π電子供給性を有するカーボン担体の表面に形成されている。また特許文献1では、窒素含有グラファイトの結晶性をラマンスペクトルに基づくID/IG値で評価し、このID/IG値が0.8~1.2となり得ることが開示されている。

特許文献2には、ソルボサーマル反応によって窒素等のヘテロ原子を含むヘテロ原子含有グラフェンを合成できることが開示されている。特許文献2の実施例には、ヘテロ原子含有グラフェンに窒素原子が14.8原子%の割合でドープされたことが記載されている。しかしながら、特許文献2には、ヘテロ原子含有グラフェンの結晶性に関して何ら開示されていない。
特許文献3には、化学量論比を有するグラファイト状窒化炭素(g-C34)が開示されている。特許文献3に開示されたグラファイト状窒化炭素は、窒素および炭素からなる3つの6員環が互いにC-N結合を共有した三角形の結晶構造を有するメロン((C693)X)が、頂点の窒素原子において重合した構造を有している。

また、本発明者らは、特許文献4において、異種元素として10原子%以上の多量の窒素を含むヘテロ原子含有カーボン触媒の製造方法を提供している。これらの手法によると、担体を含まないヘテロ原子含有グラフェンを製造することができる。

さらに、特許文献5においては、電極上に酸化還元能を有する炭素触媒が形成されることが示されている。

産業上の利用分野

本発明は、ヘテロ元素含有グラフェンであって、扁平な形状を示し、透明なP型半導体としての性質を示すヘテロ元素含有グラフェンに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
制限視野電子回折において、直方晶系および六方晶系のいずれかに属し、単結晶の対称性を備えるスポットが観測され、
炭素(C)と、ヘテロ元素(X)として窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、イオウ(S)、ホウ素(B)、およびケイ素(Si)からなる群から選択される少なくとも1種の元素と、を含むヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項2】
前記スポットは、前記直方晶系に属し、入射方向を[101]とする電子回折像であって、逆格子点11-1、-111、-202、1-1-1、20-2および-1-11の配列を含むことを特徴とする、請求項1に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項3】
X線回折において、(002)面からの回折ピークの半値幅が3度以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項4】
X線回折において、(002)面からの回折ピーク強度I(002)に対する(101)面からの回折ピーク強度I(101)の比(I(101)/I(002))が0.1以上であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項5】
X線回折において、(002)面の面間隔は3.5Å以下であることを特徴とする、請求項3または4に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項6】
X線光電子分光法に基づき算出される、炭素(C)とヘテロ元素(X)との原子数比(X/C)が0.1以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項7】
X線光電子分光法に基づき、窒素の基底面へのドープされている化学結合状態が陽イオン性窒素の可能性が提示でき、ホール効果測定によりキャリアタイプがp型と判定されることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項8】
励起波長を532nmとするラマン分光分析において、1350cm-1付近に見られるDバンドの強度I(D)と、1580cm-1付近に現れるGバンドの強度I(G)との比(I(D)/I(G))が1以下であり、かつ、前記Gバンドの半値幅が50cm-1以下であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項9】
前記ラマン分光分析において、2700cm-1付近に見られる2Dバンドの強度I(2D)と、前記Gバンドの強度I(G)との比(I(2D)/I(G))が0.5以上であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項10】
前記ラマン分光分析において、2700cm-1付近に見られる2Dバンドの半値幅が80cm-1以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項11】
当該ヘテロ元素含有グラフェンを支持する基材を含まない、請求項1~10のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項12】
前記炭素(C)の原子が前記へテロ元素(X)の原子と化学結合し、かつ、前記炭素(C)の原子が主としてsp2結合することで構成されるグラフェンシートを含み、
前記グラフェンシートは、1層からなる単層構造または2層以上5層以下の積層構造を有している、請求項1~11のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項13】
平均粒子径が1nm以上10μm以下の粉末である、請求項1~12のいずれか1項に記載のヘテロ元素含有グラフェン。

【請求項14】
少なくとも一部に5員環構造を有し、前記5員環が、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、イオウ(S)、ホウ素(B)およびケイ素(Si)からなる群から選択される少なくとも1種のヘテロ元素(X)と、炭素(C)とにより構成されているヘテロ5員環化合物を、極性非プロトン性溶媒に溶解させて原料含有液を用意すること、および、
前記原料含有液の中でプラズマを発生させることにより、前記ヘテロ5員環化合物を重合させて、ヘテロ元素含有グラフェンを得ること、
を含む、
制限視野電子回折において、直方晶系および六方晶系のいずれかに属し、単結晶の対称性を備えるスポットが観測され、
炭素(C)と、ヘテロ元素(X)として窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、イオウ(S)、ホウ素(B)、およびケイ素(Si)からなる群から選択される少なくとも1種の元素と、を含むヘテロ元素含有グラフェンの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新機能創出を目指した分子技術の構築 領域
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