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モリブデンを含有する酸化チタンフォトクロミック材料及び複合体

国内特許コード P200017331
整理番号 H30-030
掲載日 2020年12月17日
出願番号 特願2019-020568
公開番号 特開2020-128455
出願日 平成31年2月7日(2019.2.7)
公開日 令和2年8月27日(2020.8.27)
発明者
  • 山▲崎▼ 鈴子
  • 西山 尚登
  • 沖村 孝史郎
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 モリブデンを含有する酸化チタンフォトクロミック材料及び複合体
発明の概要 【課題】青色を経由せずに黒色に発色する無機系のフォトクロミック材料、これを利用したフィルム等を提供すること。
【解決手段】モリブデンを含有する酸化チタンフォトクロミック材料。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

フォトクロミック色素(光の刺激により色が変化する色素)として、アゾベンゼン、ジアリールエテン等の有機系色素が市販されている。これらの色素における色の変化は光による幾何異性化(シス-トランス異性化)や開閉環反応による吸収ピークのシフトに起因する。しかし、これら有機系のフォトクロミック材料は、無機系のフォトクロミック材料に比べて耐久性が低く、合成も難しい。一方、無機系のフォトクロミック材料としては、古くからハロゲン化銀の銀原子への還元反応が知られており、これはハロゲン化銀写真乳剤の感光による黒化像形成と同じ原理である。しかし、この原理を用いた白黒写真の場合には、反応系外にハロゲンを除いて潜像を安定にするので、元に戻すのは難しく不可逆過程である。また、ハロゲン化銀をガラス等に閉じ込めた場合は、ハロゲンが除去されないので、銀原子を再び酸化して元の状態に戻る過程が共存するため、着色時の暗色は完全な黒色とはならない。サングラスとして実用化されているフォトクロミックガラスは、塩化銀に紫外線が照射されると銀が析出し暗色になる現象を利用したものである。

さらに、無機系のフォトクロミック材料として、酸化タングステン、酸化モリブデン等の酸化物半導体のフォトクロミズムが知られている。酸化タングステン及び酸化モリブデンでは、光吸収により電荷分離が起こり、伝導帯に励起した電子により6価のタングステンやモリブデンが5価に還元され、分子内に6価と5価が混在すると、原子価間電荷移動遷移が起こり青色に発色する。酸化タングステンの場合には、光照射を続けると、青色→群青色→黒色へと色が変化し、光照射を止めると、空気中の酸素に電子が移動し、タングステンは6価に戻るため退色する。一方、酸化モリブデンは酸素への電子移動が起こりにくいため、退色は極めて遅く、可逆性が極めて低い。酸化タングステンなどの無機酸化物は、熱的、化学的に安定であり、ゾル・ゲル法などにより容易に合成できるという利点がある(特許文献1)。これに対し、同じ酸化物半導体である酸化チタンの場合には、電荷分離により生じた伝導帯電子によるフォトクロミズムは通常は起こらない。これは、ホールとの再結合あるいは励起電子の酸素への移動が速やかに進むためである。酸化チタンによるフォトクロミズムの報告例としては、有機物を共存させてホールを消費させることで、伝導帯に電子が蓄積する状態を作り出して、4価のチタンを3価に還元させて青色発色させる方法、銀イオンを共存させて伝導帯電子により銀を析出させて発色させる方法、酸化タングステンと混合する方法等があるが、酸化チタンナノ粒子のみを用いたフォトクロミズムはこれまで全く報告されていない。

上記のとおり、有機系のフォトクロミック材料は耐久性の問題がある。一方、化学的に安定で合成も容易な、酸化タングステンに代表される酸化物半導体の場合には、ほとんどの場合、青色発色である。これらを用いた黒の発色は、光照射とともに青色→群青色→黒色と変化すること、すなわち青色が濃くなることで黒と視認できる。そのため、無機系の材料であり、青色を経由せずに黒色となるフォトクロミック材料が求められていた。

産業上の利用分野

本発明は、モリブデンを含有する酸化チタンフォトクロミック材料、これを含むフォトクロミックゾル、フォトクロミック複合体、フォトクロミック複合体形成用溶液及びフォトクロミック複合体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
モリブデンを含有する酸化チタンフォトクロミック材料。

【請求項2】
チタンとモリブデンの総物質量に対するモリブデンの物質量の割合が0.1~3.0%である請求項1記載の酸化チタンフォトクロミック材料。

【請求項3】
紫外線の照射により黒色に発色する請求項1又は2記載の酸化チタンフォトクロミック材料。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の酸化チタンフォトクロミック材料を含有するフォトクロミックゾル。

【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載の酸化チタンフォトクロミック材料及びバインダー成分を含有するフォトクロミック複合体。

【請求項6】
バインダー成分として水溶性高分子化合物を含有する請求項5記載のフォトクロミック複合体。

【請求項7】
アルコール類を含有する請求項6記載のフォトクロミック複合体。

【請求項8】
グレースケール形成のために用いる請求項5~7のいずれか記載のフォトクロミック複合体。

【請求項9】
請求項1~3のいずれかに記載の酸化チタンフォトクロミック材料及び水溶性高分子化合物を含有するフォトクロミック複合体形成用溶液。

【請求項10】
請求項1~3のいずれかに記載の酸化チタンフォトクロミック材料及び水溶性高分子化合物を含有する分散液を調製し、前記分散液を基板上に塗布して乾燥する、又は前記分散液を型枠に充填して乾燥することを特徴とするフォトクロミック複合体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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