YAP阻害剤を有効成分とするIL-8遺伝子又はMHC classII関連遺伝子の発現量の増強剤
国内特許コード | P200017335 |
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整理番号 | H30-026 |
掲載日 | 2020年12月17日 |
出願番号 | 特願2019-067200 |
公開番号 | 特開2020-164470 |
出願日 | 平成31年3月29日(2019.3.29) |
公開日 | 令和2年10月8日(2020.10.8) |
発明者 |
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出願人 |
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発明の名称 | YAP阻害剤を有効成分とするIL-8遺伝子又はMHC classII関連遺伝子の発現量の増強剤 |
発明の概要 |
【課題】本発明の課題は、IL-8遺伝子又はMHC classII関連遺伝子の発現量を増強する剤を提供することにある。 【解決手段】YAP阻害剤を有効成分とするIL-8遺伝子又はMHC classII関連遺伝子の発現量の増強剤を作製する。YAP阻害剤が、ベルテポルフィン、Y27632、ブレビスタチン、ラトランクリンB(Latrunculin B)、サイトカラシンD(Cytochalasin D)、ジンバスタチン、ボツリヌス C3毒素、スタチン、又はドブタミンであることが好ましい。 【選択図】なし |
従来技術、競合技術の概要 |
転写共役因子YAP(Yes結合タンパク質:Yes associated protein)はHippoシグナル伝達系の標的分子である。本発明者らは、細胞増殖・細胞死の両者を制御するHippoシグナル伝達系に着目し、YAPが三次元臓器形成に必須の重力耐性遺伝子であることや、YAPは細胞に発生する物理的な力を介して、個々の組織の三次元化だけでなく、複数の組織の配置を制御することにより、重力に抗した立体臓器を構築することを報告した(非特許文献1参照)。そのため、YAPは三次元臓器形成に関与する因子として注目を浴びている。 一方、近年、YAPの制御と抗腫瘍免疫応答との関係の研究が進められており、例えば、YAP阻害剤と免疫治療剤とを対象に投与する工程を含む、対象におけるがんを処置する方法(特許文献1参照)や、イベルメクチン又はミルベマイシンDを有効成分として含み、Hippo経路に作用し、YAP1/TAZの活性を抑制する、Hippo経路に異常を有する癌の予防又は治療剤(特許文献2参照)が開示されている。 また、YAPの制御と炎症性腸炎との関係の研究も進められており、例えば、インターロイキン6(IL-6)の受容体であるGP130がIL-6と結合することでYAP及びNotchの活性化を引き起こし、腸の修復や再生を促進することが開示されている(非特許文献2参照)。 |
産業上の利用分野 |
本発明は、YAP阻害剤を有効成分とするIL-8遺伝子又はMHC classII関連遺伝子の発現量の増強剤に関する。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】 YAP阻害剤を有効成分とするIL-8遺伝子又はMHC classII関連遺伝子の発現量の増強剤。 【請求項2】 YAP阻害剤が、ベルテポルフィン、Y27632、ブレビスタチン、ラトランクリンB(Latrunculin B)、サイトカラシンD(Cytochalasin D)、ジンバスタチン、ボツリヌス C3毒素、スタチン、又はドブタミンであることを特徴とする請求項1記載の増強剤。 【請求項3】 YAP阻害剤が、YAP遺伝子の発現を抑制する核酸分子であることを特徴とする請求項1記載の増強剤。 【請求項4】 YAP遺伝子の発現を抑制する核酸分子が、二本鎖siRNA、microRNA、shRNA、アンチセンス核酸、及びリボザイムからなる群から選択される少なくとも1種の核酸分子であることを特徴とする請求項3記載の増強剤。 【請求項5】 YAP阻害剤が、YAPタンパク質に結合する抗体であることを特徴とする請求項1記載の増強剤。 【請求項6】 MHC classII関連遺伝子が、CIITA遺伝子であることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載の増強剤。 |
国際特許分類(IPC) |
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Fターム |
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出願権利状態 | 公開 |
英語項目の表示
発明の名称 | ENHANCER OF EXPRESSION LEVEL OF IL-8 GENE OR MHC CLASS II-ASSOCIATED GENE CONTAINING A YAP INHIBITOR AS ACTIVE INGREDIENT |
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発明の概要 |
PROBLEM TO BE SOLVED: To provide agents that enhance the expression level of IL-8 gene or MHC class II-associated gene. SOLUTION: An enhancer of the expression level of IL-8 gene or MHC class II-associated gene containing a YAP inhibitor as an active ingredient is prepared. Preferably, the YAP inhibitor is Verteporfin, Y27632, Blebbistatin, Latrunculin B, Cytochalasin D, Simvastatin, Botulinum C3 toxin, Statin, or Dobutamine. |
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