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高温耐性能が増強した酢酸菌

国内特許コード P200017336
整理番号 H30-020
掲載日 2020年12月17日
出願番号 特願2019-067218
公開番号 特開2020-162500
出願日 平成31年3月29日(2019.3.29)
公開日 令和2年10月8日(2020.10.8)
発明者
  • 白井 睦訓
  • 荻野 英賢
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 高温耐性能が増強した酢酸菌
発明の概要 【課題】高温において増殖能力が向上した微生物の提供。
【解決手段】染色体中の以下の(a)~(c)のいずれか記載の遺伝子が破壊、又は当該遺伝子の発現を抑制した酢酸菌。(a)特定の配列からなる塩基配列がコードする、二成分制御系を構成するヒスチジンキナーゼ遺伝子;(b)特定の配列からなる塩基配列がコードする、二成分制御系を構成する応答制御因子kdpE遺伝子;(c)特定の配列からなる塩基配列がコードする、LysRタイプ転写調節因子遺伝子。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要 酢酸菌(Acetobacter pasteurianus)は、伝統的に造酢などに用いられている有用微生物である。この酢酸菌は、アルコール及び酢酸に対する耐性や、多種類の有機物の代謝や、多糖、免疫賦活化剤及び食品添加物をはじめとする有用二次代謝産物の生産など非常に多彩な機能を持つ。そのため、ゲノム解析も進められており、本発明者らは、伝統的に工業利用されれきた造酢株である酢酸菌Acetobacter pasteurianus 3283株(IFO 3208-01株)及び同菌株の高温育種耐性株(IFO 3283-01-42C株)の全ゲノム配列を決定した(非特許文献1参照)。

酢酸菌のなかでも、特にアセトバクター属(Acetobacter)やグルコンアセトバクター属(Gluconacetobactor)に属する酢酸菌が工業的な酢酸発酵に利用されている。アセトバクター属酢酸菌の培養においては、発酵温度が30℃より高くなると急激に生育能力及び酢酸発酵能力が低下する。このため、通常の発酵は25℃~30℃で行われる。しかし、夏期には気温が30℃以上になること、また、発酵によって熱が発生するため、酢酸発酵が進むにつれて発酵槽が40~45℃以上となってしまうことがある。したがって発酵槽を25℃~30℃に保つための冷却設備が必要となるが、その費用負担は大きい。

そこで、高温適応能力を有する変異株の開発が進められている。たとえば、タイで耐熱性発酵微生物を分離し、段階的に培養温度を繰り返し培養することにより39~41℃での適応能力が付与された、酢酸発酵能力を有する酢酸菌(特許文献1、非特許文献2参照)や、marR遺伝子又はpermease遺伝子を破壊し、高温下での生育能力や酢酸発酵能力を備えた、酢酸生産能が向上した酢酸菌の育種方法(特許文献2参照)が開示されている。
産業上の利用分野 本発明は、高温耐性能が増強した酢酸菌に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
染色体中の以下の(a)~(c)のいずれか記載の遺伝子が破壊、又は当該遺伝子の発現を抑制した酢酸菌。
(a)配列番号1に示す塩基配列、又は配列番号1に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、二成分制御系を構成するヒスチジンキナーゼをコードする遺伝子;
(b)配列番号2に示す塩基配列、又は配列番号2に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、二成分制御系を構成する応答制御因子kdpEをコードする遺伝子;
(c)配列番号3若しくは4に示す塩基配列、又は配列番号3若しくは4に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、LysRタイプ転写調節因子をコードする遺伝子;

【請求項2】
染色体中の(a)~(c)のいずれかの遺伝子の全部又は一部が欠失していることを特徴とする請求項1記載の酢酸菌。

【請求項3】
酢酸菌が、アセトバクター属に属する酢酸菌であることを特徴とする請求項1又は2記載の酢酸菌。
出願権利状態 公開
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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