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植物のストレスの検出方法及び植物における発光タンパク質の検出方法 NEW

国内特許コード P200017347
整理番号 (S2018-0017-N0)
掲載日 2020年12月22日
出願番号 特願2019-551215
出願日 平成30年10月24日(2018.10.24)
国際出願番号 JP2018039554
国際公開番号 WO2019082942
国際出願日 平成30年10月24日(2018.10.24)
国際公開日 令和元年5月2日(2019.5.2)
優先権データ
  • 特願2017-205564 (2017.10.24) JP
発明者
  • 木下 奈都子
出願人
  • 国立大学法人筑波大学
発明の名称 植物のストレスの検出方法及び植物における発光タンパク質の検出方法 NEW
発明の概要 農作物などの対象植物の病害虫被害を早期発見するための方法を提供する。
農作物などの対象植物の近傍に、ストレス応答性プロモーター及び該ストレス応答性プロモーターの下流に作動可能に連結された発光タンパク質遺伝子を含むモニター植物を配置する。
従来技術、競合技術の概要

植物は、脊椎動物に見られるような抗体反応・食作用などの免疫システムによる生体防御機構を有していないが、それとは異なる仕組みにより病原菌などの攻撃から身を守っている。植物は、一部の組織で病原菌の感染を受けるとシグナルを全身に発信し、未感染組織に防御態勢を誘導させることができる。感染シグナルを全身に伝える伝達経路は、複数あることが知られており、代表的なものとしては、全身獲得抵抗性シグナル伝達経路、誘導抵抗性シグナル伝達経路、及び誘導全身抵抗性シグナル伝達経路などが存在する。このようなシグナル伝達経路においては、植物の一部の組織が、病原菌による感染ストレスなどを受けた場合、その感染部位から何らかのシグナル物質が放出され、それが植物体内を通ってまだ感染を受けていない部位まで到達し、そこで抵抗性発現に関与する遺伝子の発現を誘導する。この抵抗性に関与する物質としては、それ自身が抗菌活性を有するPRタンパク質、細胞壁を溶解するグルカナーゼ及びキチナーゼ、病原菌に対して毒性を示すファイトアレキシンなどが挙げられる。これまで、このような抵抗性の誘導は、同一植物個体内に限定して起こるものと考えられていた。しかしながら、ジャスモン酸メチル、短鎖アルデヒド及びイソプレノイドなどの植物由来の揮発性成分には、植物の抵抗性を誘導する風媒性シグナルとしての機能が存在することが発見され、物理的に離れた同種又は異種の植物がそれを認識することによって、生体防御機構を活性化させること(立ち聞き効果)が知られるようになった。
このような植物の立ち聞き効果を利用した技術として、植物由来揮発性物質を植物抵抗性誘導剤として利用することが報告されている(特許文献1)。
また、植物はストレスに応答して微弱生体を発光することが知られており、植物に病原体攻撃等のストレスを与えた場合に特定波長の発光を観測する方法(特許文献2)や、免疫安定資材(アブシジン酸)と誘導物質(サリチル酸、ジャスモン酸)により発生するバイオフォトンを測定することにより、植物の病害抵抗性反応の抑制を阻害する植物免疫安定化資材の効果を評価する方法(特許文献3)が報告されている。

産業上の利用分野

本発明は、植物のストレスを検出する方法、及び植物における発光タンパク質を検出する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
対象植物のストレスを検出する方法であって、
前記対象植物の近傍に、ストレス応答性プロモーター及び該ストレス応答性プロモーターの下流に作動可能に連結された発光タンパク質遺伝子を含むモニター植物を配置する工程、
前記対象植物のストレスを可視化する工程、
を含み、ここで、前記対象植物のストレスの可視化が、前記対象植物がストレスに応答して放出する揮発性物質を前記モニター植物が受容すると、前記モニター植物において、ストレス応答性プロモーターが応答し、これにより、前記発光タンパク質が発現することによって行われることを特徴とする、方法。

【請求項2】
前記ストレス応答性プロモーターが、PR1プロモーター、PR2プロモーター、PR3プロモーター、PR4プロモーター、PR5プロモーター、AOSプロモーター、VSP1プロモーター、VSP2プロモーター、HPLプロモーター、AtMYC2プロモーター、CYP83B1プロモーター、At2g24850プロモーター、LOX2プロモーター、IAR3プロモーター、GST5プロモーター、OPR3プロモーター、ERFプロモーター、THI2.1プロモーター、JAZ遺伝子群プロモーター、PDF1.2プロモーター、WRKYプロモーター、PAD4プロモーター、EDS1プロモーター、SID1プロモーター、EDS5プロモーター、BGL2プロモーター、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記発光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質などの蛍光タンパク質、生物発光タンパク質、化学発光タンパク質、ナノランタンなどのFRET技術を利用したタンパク質、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記揮発性物質が、ジャスモン酸メチル、サリチル酸メチル、青葉アルコール、アロオシメン、テルペン類、ミルセン、(E,E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-1,3,7,11-テトラエン(TMTT)、エステル類、アルデヒド類、芳香族化合物、2-ペンタノール、又はこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
前記モニター植物が、シロイヌナズナ、コケ、ネコジャラシ、又はブラキポディウムであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
植物における発光タンパク質を検出する方法であって、
発光タンパク質遺伝子を含む植物の撮像画像から、前記発光タンパク質の発光波長の波長帯及び該植物の自家発光の波長帯を含む画像領域を特定する工程、及び
前記特定された画像領域内に存在する発光タンパク質の発光波長信号のみを検出する工程、
を含むことを特徴とする、方法。

【請求項7】
前記植物における発光タンパク質が、
撮像される対象の生物が発する光の波長を含む波長帯の光の撮像画像から、前記生物が発する光の画像領域を検出する検出部と、
前記検出された画像領域に基づいて前記撮像画像から前記生物の画像処理対象領域を抽出する画像処理対象領域抽出部と、
前記撮像画像から特異的シグナルの画像領域を抽出する特異的シグナル抽出部と、
前記抽出された特異的シグナルの画像領域の中から、前記抽出された画像処理対象領域に含まれる特異的シグナルの画像領域を抽出する特異的シグナル選択部と、
を備える画像処理装置、
によって検出される、請求項6に記載の方法。

【請求項8】
前記植物における発光タンパク質が、
非サンプル生物とサンプル生物とが混在して配置され、
前記サンプル生物が発する光の波長を含む波長帯の光を撮像する撮像部と、
前記撮像部が前記サンプル生物を撮像した撮像画像から、前記サンプル生物が発する光の画像領域を検出する検出部と、
前記検出された画像領域に基づいて前記撮像画像から前記サンプル生物の画像処理対象領域を抽出する画像処理対象領域抽出部と、
前記撮像画像から特異的シグナルの画像領域を抽出する特異的シグナル抽出部と、
前記抽出された特異的シグナルの画像領域の中から、前記抽出された画像処理対象領域に含まれる特異的シグナルの画像領域を抽出する特異的シグナル選択部と、
を備える画像処理システム、
によって検出される、請求項6に記載の方法。

【請求項9】
前記画像処理装置又は画像処理システムが、
コンピュータに、
撮像される対象の生物が発する光の波長を含む波長帯の光の撮像画像から、前記生物が発する光の画像領域を検出する検出機能と、
前記検出された画像領域に基づいて前記撮像画像から前記生物の画像処理対象領域を抽出する画像処理対象領域抽出機能と、
前記撮像画像から特異的シグナルの画像領域を抽出する特異的シグナル抽出機能と、
前記抽出された特異的シグナルの画像領域の中から、前記抽出された画像処理対象領域に含まれる特異的シグナルの画像領域を抽出する特異的シグナル選択機能と、
を実現させるための画像処理プログラム、
を備えることを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。

【請求項10】
前記モニター植物における発光タンパク質が、請求項6~9のいずれか1項に記載の方法によって検出されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の対象植物のストレスを検出する方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2019551215thum.jpg
出願権利状態 公開
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