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睡眠誘導剤である複素環化合物 NEW

国内特許コード P200017348
整理番号 S2019-0226-N0
掲載日 2020年12月22日
出願番号 特願2019-076477
公開番号 特開2020-189788
出願日 平成31年4月12日(2019.4.12)
公開日 令和2年11月26日(2020.11.26)
発明者
  • 長瀬 博
  • 斉藤 毅
  • ラザルス ミハエル
  • 井岡 秀二
出願人
  • 国立大学法人筑波大学
発明の名称 睡眠誘導剤である複素環化合物 NEW
発明の概要 【課題】副作用のない睡眠誘導剤の提供。
【解決手段】式(I)表される化合物又はその塩。
(式省略)
(環Aは、N及びSから選択される1~4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環、又はベンゼン;Rは、カルボキシ基;Rは、夫々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基;環Bは、5又は6員芳香環;n個のRは、夫々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基;mは、0、1、又は2;nは、1又は2である。)
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

不眠症は最も一般的な睡眠障害の一つであり、推定有病率が一般の集団で10~15%、高齢者集団で30~60%である。不眠症の治療のための最も広く処方されている薬剤は、ベンゾジアゼピン(BDZ)及び非BDZとして知られている、抑制性神経伝達物質γ-アミノ酪酸のシグナル伝達を増強する中枢神経系抗うつ薬である。しかしながら、これらの薬物療法は、筋肉弛緩、リバウンド不眠症、食欲の変化、翌日の鎮静、認知機能障害、健忘症効果、ならびに薬物耐性及び依存性の発生を含む広範囲の副作用に悩まされている。また、オレキシン受容体アンタゴニストは、最近、不眠症治療薬として開発され承認された(非特許文献1)。しかしながら、これらの薬物の主な問題点は、筋力低下、奇妙な夢、夢遊病、他の夜間行動又は自殺願望の起こり得る兆候を伴う翌朝の眠気である(非特許文献2)。さらに、オレキシン受容体アンタゴニストは、ほとんどの場合、睡眠から覚醒することを妨げることによって作用するので、寝付きに問題がある人にはあまり効果がない。

極めて選択的なアデノシンA2A受容体(A2AR)アゴニストであるCGS21680は、ラットの前脳基底部吻側腹側部のくも膜下腔又はマウスの側脳室への注入後に睡眠を著しく増加させる(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。しかしながら、A2ARアゴニストの投与は、低血圧や頻脈等の心血管作用のために睡眠障害を治療する臨床的可能性はないと一般に考えられている(非特許文献6)。A2ARアロステリック調節剤の作用は、オルソステリックA2ARアゴニストとは対照的に、アデノシンが放出され脳内のアデノシンレベルが覚醒時に上昇する場合に限定されるため、アロステリックA2AR調節は不眠症治療の代替的戦略であり得る(非特許文献7)。

特許文献1には、以下の式で示されるMEK阻害剤を患者に投与することからなる敗血症性ショックの治療又は予防方法が記載されている。

【化1】
(省略)

(式中、各記号は文献に記載の通りである。)
特許文献1には、以下の化合物(化合物X)も具体的に記載されている。

【化2】
(省略)

特許文献2には、MEK阻害剤であり、癌、再狭窄、乾癬、アテローム性動脈硬化等の治療に有用な、以下の式で示される化合物が記載されている。

【化3】
(省略)

(式中、各記号は文献に記載の通りである。)
特許文献2には、上記化合物の中間体である以下の化合物(化合物Y)も具体的に記載されている。

【化4】
(省略)

産業上の利用分野

本発明は、アデノシンA2A受容体のポジティブアロステリックモジュレーターであり、睡眠誘導剤として有用な複素環化合物に関する。より詳細には、本発明は、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供可能な睡眠誘導剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の式(I):
【化1】
(省略)
(式中、
環Aは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1~4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環、又はベンゼンであり;
は、カルボキシ基であり;
m個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基であり;
環Bは、5又は6員芳香環であり;
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基であり;
mは、0、1、又は2であり;及び
nは、1又は2である。
但し、1)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
【化2】
(省略)
は、2-カルボキシ-5、6-ジフルオロフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
【化3】
(省略)
は、3-フルオロ-4-ヨードフェニル、3-ビフェニル、4-ブロモフェニル、2-ヨードフェニル、2、5-ジフルオロフェニル、2-フルオロ-5-クロロフェニル、2-フルオロ-5-メチルフェニル、2-フルオロ-5-ブロモフェニル、2-フルオロ-5-メトキシフェニル、2-フルオロ-4-メトキシフェニル、4-エチニルフェニル、又は3-ブロモフェニルであるか;又は
2)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
【化4】
(省略)
は、2-カルボキシフェニル又は3-カルボキシフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
【化5】
(省略)
は、4-プロピルフェニルである。)
で表される化合物又はその塩。

【請求項2】
環Aが、ピリジン、チオフェン、又はベンゼンであり、
が、カルボキシ基であり、
m個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1~4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環基であり;
環Bが、ベンゼンであり;及び
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、C-Cアルキニル基、C-Cアルコキシ基、又はC-C10アリール基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。

【請求項3】
環Aが、ピリジン又はチオフェンである、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。

【請求項4】
環Aが、ピリジン又はチオフェンであり、
環Bが、ベンゼンであり、
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、又はフェニルであり、及び、
mが、0である、請求項1に記載の化合物又はその塩。

【請求項5】
以下の化合物群から選択される、請求項4に記載の化合物又はその塩:
【化6】
(省略)
(式中、nPrは、プロピルであり、及びPhは、フェニルである。)

【請求項6】
環Aが、ベンゼンである、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。

【請求項7】
請求項1に記載の化合物(I)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。

【請求項8】
医薬として使用するための、請求項1に記載の化合物(I)又はその薬学上許容される塩。

【請求項9】
以下の式(Ia):
【化7】
(省略)
(式中、
環Aは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1~4個の複素原子を含有する、5又は6員芳香族複素環、又はベンゼンであり;
は、カルボキシ基であり;
m個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基であり;
環Bは、5又は6員芳香環であり;
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基であり;
mは、0、1、又は2であり;及び
nは、1又は2である。
但し、1)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
【化8】


は、2-カルボキシ-5、6-ジフルオロフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
【化9】
(省略)
は、3-フルオロ-4-ヨードフェニル、3-ビフェニル、4-ブロモフェニル、2-ヨードフェニル、2、5-ジフルオロフェニル、2-フルオロ-5-クロロフェニル、2-フルオロ-5-メチルフェニル、2-フルオロ-5-ブロモフェニル、2-フルオロ-5-メトキシフェニル、2-フルオロ-4-メトキシフェニル、4-エチニルフェニル、3-ブロモフェニル、2-メチル-4-ヨードフェニル、又は2-フルオロ-4-ブロモフェニルであるか;又は
2)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
【化10】
(省略)
は、2-カルボキシフェニル又は3-カルボキシフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
【化11】
(省略)
は、4-プロピルフェニルである。)
で表される化合物又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、アデノシンA2A受容体を標的としたポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)である医薬。

【請求項10】
請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、徐波睡眠を誘導するための医薬。

【請求項11】
請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、不眠症の予防又は治療のための医薬。

【請求項12】
請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における徐波睡眠の誘導方法。

【請求項13】
請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における不眠症の治療又は予防方法。

【請求項14】
哺乳動物における徐波睡眠の誘導に使用するための、請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩。

【請求項15】
不眠症の治療又は予防に使用するための、請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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