単分子トランジスタ
国内特許コード | P200017363 |
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整理番号 | J1035-02WO |
掲載日 | 2020年12月22日 |
出願番号 | 特願2020-503630 |
出願日 | 平成31年2月28日(2019.2.28) |
国際出願番号 | JP2019007941 |
国際公開番号 | WO2019168124 |
国際出願日 | 平成31年2月28日(2019.2.28) |
国際公開日 | 令和元年9月6日(2019.9.6) |
優先権データ |
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発明者 |
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出願人 |
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発明の名称 |
単分子トランジスタ
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発明の概要 | 単分子トランジスタは、第1電極層と第1電極層の一端部に配置された第1金属粒子とを有する第1電極と、第2電極層と第2電極層の一端部に配置された第2金属粒子を有する第2電極と、第1電極及び第2電極から絶縁された第3電極と、π共役骨格を有するπ共役分子とを含み、第1電極と第2電極とは、第1金属粒子と第2金属粒子とが対向し間隙をもって配置され、第1金属粒子及び第2金属粒子の一端から他端までの幅が10nm以下であり、第3電極は第1金属粒子と第2金属粒子とが対向する間隙に隣接し、第1金属粒子及び第2金属粒子と離隔して配置され、π共役分子は第1金属粒子と第2金属粒子との間隙に配置されている。 |
従来技術、競合技術の概要 |
半導体集積回路は、微細化技術の進歩に伴って著しい発展を遂げている。しかし、微細化に伴って幾つかの問題も顕在化している。例えば、トランジスタの短チャネル効果によるオフリーク電流の増大、ゲート絶縁膜の薄膜化によるゲートリークの増大、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)構造における動作速度の向上限界、消費電力の増大、配線の高密度化による寄生容量増大といった様々な問題が指摘されている。 このような技術的進歩の限界に直面し、材料を加工し微細化するトップダウン的手法ではなく、物質の最小単位である原子や構造が定義されている分子からデバイスを構成するボトムアップ的な手法、又はボトムアップ手法とトップダウン手法を組み合わせることによる新しい電子デバイスを実現する研究が進められている。例えば、数ナノメートルのギャップ長を有すナノギャップ電極を用い、ギャップ間に単一のナノ粒子や単分子を配置したナノデバイスの研究が進められている(非特許文献1乃至9参照。)。 |
産業上の利用分野 |
本発明は分子デバイスに係り、チャネルに相当する領域が分子で構成され、量子効果により電子又は正孔が流れるトランジスタに関する。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】 第1電極層と、前記第1電極層の一端部に配置された第1金属粒子とを有する第1電極と、 第2電極層と、前記第2電極層の一端部に配置された第2金属粒子を有する第2電極と、 前記第1電極及び前記第2電極から絶縁された第3電極と、 π共役骨格を有するπ共役分子と、を含み、 前記第1電極と前記第2電極とは、前記第1金属粒子と前記第2金属粒子とが対向し、間隙をもって配置され、 前記第1金属粒子及び前記第2金属粒子の一端から他端までの幅が10nm以下であり、 前記第3電極は前記第1金属粒子と前記第2金属粒子とが対向する間隙に隣接し、前記第1金属粒子及び前記第2金属粒子と離隔して配置され、 前記π共役分子は前記第1金属粒子と前記第2金属粒子との間隙に配置されている ことを特徴とする単分子トランジスタ。 【請求項2】 前記第1金属粒子と前記第2金属粒子との間隙の長さが5nm以下である、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項3】 前記第1電極層及び前記第2電極層は白金を含み、前記第1金属粒子及び前記第2金属粒子が金である、請求項1又は2に記載の単分子トランジスタ。 【請求項4】 前記π共役分子の長さは5nm未満である、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項5】 前記π共役分子は、π共役骨格の一端と他端に、前記第1金属粒子又は前記第2金属粒子と化学結合する元素を含む、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項6】 前記π共役分子は、π共役骨格と前記元素との間にメチレン基、パーフロロアルキル基(-(CF2)n-)、オキソメチレン基(-O-(CH2)n-)、又はアザアルキル基(-NH-(CH2)n-)を含む、請求項5に記載の単分子トランジスタ。 【請求項7】 前記π共役分子が、末端がチオール基で置換された炭素架橋オリゴフェニレンビニレン(COPVn(SH)2)である、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項8】 前記末端がチオール基で置換された炭素架橋オリゴフェニレンビニレンのユニット数が1~10である、請求項7に記載の単分子トランジスタ。 【請求項9】 前記第1金属粒子及び前記第2金属粒子の一方と、前記π共役分子の一端とが化学吸着している、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項10】 前記第1金属粒子及び前記第2金属粒子は金(Au)を含み、前記π共役分子の一端で硫黄(S)と金(Au)とが化学吸着している、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項11】 前記π共役分子の他端は、硫黄(S)と水素(H)とが結合している、請求項10に記載の単分子トランジスタ。 【請求項12】 前記第1金属粒子及び前記第2金属粒子は金(Au)を含み、前記π共役分子の両端で硫黄(S)と金(Au)とが化学吸着している、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項13】 前記第1電極と前記第2電極との間に共鳴トンネル電流が流れる、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項14】 5nm以下の間隙をもって一対の金属粒子が配置されたナノギャップ電極と、 前記一対の金属粒子の間隙に配置された機能分子と、 前記一対の金属粒子の間隙に隣接して配置され、前記機能分子に電場の作用を与えるゲート電極と、を含み、 前記ナノギャップ電極間に共鳴トンネル電流が流れる ことを特徴とする単分子トランジスタ。 【請求項15】 前記一対の金属粒子の一端から他端までの幅が10nm以下である、請求項14に記載の単分子トランジスタ。 【請求項16】 前記機能分子は、π共役分子である、請求項14に記載の単分子トランジスタ。 【請求項17】 前記機能分子は、剛直な骨格で構成されたπ共役分子であり、請求項14に記載の単分子トランジスタ。 【請求項18】 前記π共役分子は、炭素(C)架橋を有するπ共役骨格を有する、請求項16に記載の単分子ランジスタ。 【請求項19】 前記π共役分子が、炭素架橋オリゴフェニレンビニレンn(COPVn(SH)2)である、請求項18に記載の単分子トランジスタ。 【請求項20】 前記前記末端がチオール基で置換された炭素架橋オリゴフェニレンビニレンのユニット数が1~10である、請求項19に記載の単分子トランジスタ。 【請求項21】 前記金属粒子が金(Au)であり、前記π共役分子の少なくとも一方の硫黄(S)と、前記金属粒子の金(Au)とが化学吸着している、請求項14、18又は19に記載の単分子トランジスタ。 【請求項22】 前記π共役分子の骨格部分と前記一対の金属粒子とが、トンネル電流が流れる長さで離隔されている、請求項12又は14に記載の単分子トランジスタ。 【請求項23】 前記π共役分子の骨格部分と前記一対の金属粒子とが、トンネル電流が流れる長さで離間する部分が、π共役骨格と化学吸着する元素の間の請求項6の基で構成されている請求項12又は14に記載の単分子トランジスタ。 【請求項24】 前記、請求項6の基の骨格が、両末端が化学結合した架橋構造を形成することにより、直線状に伸張している請求項12又は14に記載の単分子トランジスタ。 【請求項25】 前記ゲート電極に一定電圧を印加し、前記ナノギャップ電極間の一方をソース、他方をドレインとしたときの電流電圧特性が温度の上昇に伴いオンオフ比が大きくなるように変化する、請求項14に記載の単分子トランジスタ。 【請求項26】 前記π共役分子が、末端がオキソメチレンチオール基(-O-(CH2)n-SH)で置換されたSi架橋キノイド型縮合オリゴシロール誘導体(Si-2×2)である、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項27】 オン状態におけるコンダクタンスが1μS以上である、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 【請求項28】 単電子トランジスタから共鳴トンネルトランジスタに動作機構が遷移する、請求項1に記載の単分子トランジスタ。 |
国際特許分類(IPC) |
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出願権利状態 | 登録 |
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